Sunday 27 April 2014

Eisenbahn Romantikのビデオ"ノスタルジックバルカン急行"

久しぶりに観たEisenbahn Romantikのビデオ(前編後編)でしたが,感動しました.以下,前編の内容を少しご紹介します.

出発地はベルグラード.近年被った戦渦からの完全復興には至っていないセルビアにおいて保存されている貴重な三両のSLのうち,どうにか動ける一両(見た目からほぼ間違いなくDRGの戦時形52)も給水ポンプが故障し,結局セルビア内はGM*1)のディーゼル機ケネディに牽引されることに.なお,途中,セルビアで保存されているティトー大統領の豪華な専用列車が紹介されています.(05:15頃から)さて,一旦,国境を越えてブルガリアに入るや事情は一転,三両のテンダー機が交互に重連で牽引するという実に豪華な道中となりました.フェルディナンド一世,その息子ボリス三世と昔の王様が親子で鉄道ファンだった国だけのことはあります.登場した機関車は,05.01,01.23,そして03.12の三両.最初に05という形式番号を見て,「なにっ,ドイツの最高速度記録保持車と同じ形式!?」とどきっとしましたが,まさかと思い調べてみると,案の定,製造会社はドイツですが,同じ形式番号を持つDRGの統一規格形とは異なるタイプであることが判りました.(似たような例は,トルコ国鉄のSLなどほかにも多くあります.)これら三両のうち,03.12のみスイスのヴィンタートゥール製で他はドイツ製です.それぞれのタイプは,01 :  1'D1' h2,03 : 2’D1’ h3*2)05 : 2’C1’ h3(見た目はDRGの統一規格機03.10(2’C1’ h3)に似ています.)で,三両とも大きな屏風のようなヴァグナー式除煙板を備えたタイプです.

また,ブルガリア内では25%もの勾配区間をあえぎながら登る2両のSLの様子も捉えられています.(32:30頃から)蒸気牽引はプロヴディフで終わり,そのあとは軌間760 mmの狭軌鉄道でバルカン半島で最も標高の高い駅アブラモ(標高1,267 m)へ向かいますが,牽引するタンク機はその特徴ある除煙板から,ポーランドのマシンに似ているなと思っていると,やはり1949年ポーランド製とのことでした.

なお,蒸気牽引が終わるプロブディフ駅での鉄道ファンたちと機関士たちのチームとの和やかなお別れのシーン(33:10頃から)を観て,鉄道を愛する人たちの友情って本当に素晴らしいと改めて思いさせられた次第です.

Eisenbahn Romantikの当該番組のサイトはこちらです.また,ウェブギャラリーはこちらから.




*1) GMといえば,Alstomを買収するようなうわさが流れていますが,フランス政府は警戒しているようです.(Cf. Le Mondeの4月26日付Le rachat d'Alstom par General Electric bouclé dimanche ?,Les Echosの4月24日付Alstom dément les rumeurs de fusion avec General Electric他.)
*2) 2'D1'という車軸配置の機関車は,ドイツでは領邦鉄道時代も含め存在していません,2'D2'については,帝国鉄道06形がこの車軸配置でした.

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