Tuesday 8 April 2014

イタリアAnsaldoSTS社のトラムウェーブ集電式の路面電車,中国でライセンス製造開始

架空線からではなく,線路の中央に並べられたコンタクトラインから集電するというのがアンサルド社が開発したトラムウェーブ方式ですが,すでに2009年に実用化されているようなので,路面電車ファンの皆さんはご存知だと思います.この集電方式による低床形路面電車は,すでにナポリ,アテネ,ベルガモ,ミラノ,ヨーテボリなどで運行されており,こちらのアンサルド社の資料の表紙を飾るナポリの路面電車の写真に見られるように,架空線がないので線路と車両を囲む空間がとてもすっきりしています.

地上集電方式というと,地下鉄などで用いられている第三軌条から集電をするものを思い浮かべますが,トラムウェーブは車両が通過する際にのみ電力が供給されるため,軌道上を人が歩いても感電する心配のないシステムです.

そして,最近読んだ『国際鉄道ジャーナル』(IRJ)の4月8日付の記事"CNR to supply catenary-free LRVs to Beijin"によると,北京のXijiao線用の低床形車両31両(1編成5両)がCNR DALIAN社によって製造されることとなり,同社はそのためにトラムウェイーブ方式のライセンスを購入したそうです.なお,この記事によるとXijiao線は全長9.4 Kmで,そのうち架線の無い区間,すなわちトラムウェーブでの走行区間がおよそ半分の4.4 Kmのようですが,ということは写真で紹介されている車両の模型はパンタグラフを備えていますが.架線が張られた区間では架線から集電し,架線が無い区間において地上から集電するというハイブリッド集電式の車両なのでしょうか.

と思って,もう一度資料を読んだところ,
Vehicles can be retrofitted with a pickup shoe as an alternative or in addition to an overhead pantograph. [...] This system allows power to be drawn from the “ground module” continuously at full performance. this is a fully-equivalent
alternative to overhead power lines.
との記述があったので,やはりそのようです.なお,文中のpickup shoeというのは,車両の台車に装着された集電用のインターフェイスで,走行する車両の下のコンタクトラインに電流を発生させるのと同時に集電し,電流を車両に搭載された電気機器へと送ります.

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