Tuesday, 22 April 2014

シリコンバレーの巨人達の海上独立都市国家構想

Seasteading Instituteという団体があります.なんでも,海上に人口島を浮かべ,そこをいずれの国にも属さない独立国家とすることを目的として活動しているそうです.この団体が2008年に開催した,未来の海上国家の立体画のコンテストに応募された作品がフランスのオブザーバーのウェブギャラリーに紹介されていました.

それに関連して目を引いたのは,やはりオブザーバーの4月13日付の記事"Micro-Etats, villes flottantes : le projet fou des nouveaux maîtres du monde
"です.それによると,Google, Facebook, Amazon, また,Appleなどのアメリカの主要IT企業の経営陣ならびにそれらの投資家たちは,技術の進歩に付いて行けない政治家たちが治めるアメリカに留まっていたら自分たちの将来は無いとして,上述したような海上独立国家への移住を考えているそうです.

そこでは, 税金を払う義務は無く,あらゆる支払いはビットコインで行われ,グリーンエネルギーしか用いられず,学習もすべてオンラインで行われ,移動手段は無人飛行機(drones),そして病気は遺伝子医療で治療される等々.

Googleにせよ,Amazonにせよ,その並外れた秘密主義で知られていますが,本当にこのようなことを考えているのでしょうか.(ひょっこりひょうたん島のような島であれば,楽しいと思いますが.また,かく言う私もいつのまにか,AppleのPC,Amazonの通信販売*1),そして,このブログも含めてGoogleが提供する各種サービスの利用者となってしまった一人でありますが.)もっとも,Googleなどは,世界中に存在する書籍等,あらゆる人類の知的遺産をディジタライズして収集し,そのデータから人工知能を作り上げると言う荒唐無稽とも思える計画を真剣に実行しようとしていたようなので,海上に独立都市国家を建設するという計画を練っているとしても必ずしも不思議なことではないと言えます.(Cf. Google and the World Brain, BBC,2012年)

そういえば,日本でも利用されている方がいらっしゃると思いますが,キンドルへのダウンロード専用の電子書籍を自分で出版するサービスがAmazonによって提供されています.(Amazon Direct Publishing)欧米では,出版社からは見向きもされなかった作家が,この仕組みを通じて文壇デビューを果たし,ベストセラー作家になった例があるそうです.(例えば,ドイツのEmily BoldさんやフランスのAgnès Martin-Lugandさん,そして,アメリカのAmanda Hockingさんなど.詳しくは,ARTEのこちらのページ(フランス語/ドイツ語)をご覧下さい.Amazonの発展の歴史なども豊富な図解で説明されています.)と,気がつくと,またAmazonの宣伝をしてしまいました.




*1) 同一の商品であれば,獲得ポイント分が予め価格に上乗せされているYahoo(こちらもやはりアメリカの会社ですが)より,Amazonで購入したほうが,その分安くなるため,どうしても後者を利用する頻度が高くなります.

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