Monday 19 May 2014

尚武の国,スイス...?(続きの続き) -  新型戦闘機購入の是非を問う国民投票の結果は

領土問題も無く,今のところ安定した中央西ヨーロッパのことなので,当然といえば当然といえるでしょうが,結果は反対が全体の53.4%占め,新しい戦闘機の購入は否決されました.各州ごとの結果はSFのこちらのページのインタラクティブのインフォ―グラフで確認できます.フランス語圏,イタリア語圏,そしてそれらに近いドイツ語圏で反対が多かったようです.(私が理解するスイス各地方の気質におおよそ沿った結果でした.)さらに詳しくお知りになりたい場合は,手っ取り早い方法として下のSFのTagesshauの動画をご覧いただくのがよろしいでしょう.(先ほど,気になったので視聴したところ,投票率は,平均55%だったそうです.)


国民一人一人が,こうした形で国防政策について自ら決定をを下すという姿勢は,世界でもあまり例がないと言えますが,その対極に位置しているのがこの極東の島国といえるでしょう.

そういえば,最近,スイスはやはり国民投票により最低賃金保障制度の開設を見送りました.(Cf. 5月16日付シュピーゲル"Schweiz entscheidet über höchsten Mindestlohn der Welt", "Mindestlohn-Initiative erleidet Schiffbruch" from SRF)

また,スイスはEUには加盟していませんが,シェンゲン条約の加盟国であり,最近,外国人労働者の入国制限を厳しくすることが国民投票で決定したため,労働力不足が懸念されています. (Cf. 2月9日付Swissinfo"Schweiz will Einwanderung bremsen")

こうしたスイスの折衷民主主義の実際の姿を見て思い出したのは,戦時中,小磯内閣が誕生する直前のある会議の席上における米内光政と若槻礼次郎の会話です.が,今,出先なもので詳しくは自宅に戻ってからご紹介させていただきます.

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