Wednesday 23 April 2014

韓国における《愛》の定義の改定

以下,Le MondeのブログDes rives orientalesの4月23日付ポスト"Pas gay, l’amour en Corée…"の要約です.

韓国のThe National Institute of The Korean Languageは,3月31日付で,そのオンライン辞書における「愛」の定義を部分的に改定しました.具体的には,それまでの「二者間における愛情」という記載を 「一人の男性と女性の間の愛情」に変更したのです.

従来の定義では同性愛を肯定していると捉えられる可能性があるからというのがその理由ですが,今回の改定には上記機関のGeneral Directorであり,ソウル大学の教授でもあるMin Hyun-sik (민현식)氏の意向がかなり強く働いたようです.同氏は,元々同性愛に対し強い反対の姿勢を示しており,2013年2月に政府が提出した差別禁止法案が性的指向による差別を含んでいたことから,その法案の否決を求める運動の発起人の一人でした.(当該法案は,今のところ採決に至っていません.)また,当時,この法案に対し,キリスト教会からも反対の声が上がり,数千人が参加する大規模なデモ行進が行われています.

その一方で,高麗王とその寵愛を受ける近衛隊長との関係を描いた『霜花店(サンファジョム)―運命、その愛―』 (2008)が大ヒットを記録したり,2013年9月には,Kim Jho Gwangsoo監督と彼のパートナーであるDave Kimがソウルの中心で大々的な結婚式を挙行したり,さらにソウルのItaewonという繁華街には数十もの男性同性愛者向けのバーが営業していることも事実です.

なお,2013年に実施された世論調査によると韓国人の39%(主に若い世代)が同性間の結婚に賛成しているそうです.

記事の内容については以上です.

ところで,韓国というと,先日発生した船の沈没事故で修学旅行中の高校生を含む多くの方が亡くなりました.本当にお気の毒なことであり,一刻も早く,また一人でも多くの方が発見,救助されることを心から祈るものです.なお,事故発生時,一人の若い女性乗組員の方が自らの救命胴衣を高校生に譲り亡くなられたことをニュースで知りました.強い職業倫理を持っておられた方のようですが,彼女のことを聞いて,たまに利用する大韓航空の女性客室乗務員たちのことを思い出しました.そして,美しく明るく親切な彼女達を見ながら,「この人たちは,最悪の場合,北朝鮮軍機によって撃ち落とされることを覚悟しながら働いているのだろうか.もしそうだとしたら,(不謹慎かもしれませんが)まさにハンサムレディーと呼ばれるに相応しい彼女たちの魅力を形作っているものの中には,そうした高潔な覚悟も含まれるのかも知れない.」と心の中でつぶやいたことを.

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