Thursday, 17 April 2014

浮気に対する寛容さで日本は40カ国中第9位.第1位は?

アメリカのシンクタンクRew Research Centerによる調査Global Attitudes ProjectのGlobal View on Moralityの項目では,対象となった40カ国中婚外交渉に対する寛容度が最も高かった国はフランスだったそうです.何となく,個人的にもっているフランス人のイメージに合致する結果です.(この結果を見るかぎり,日本人も必ずしも高い倫理性を持っているとは言えませんが.*1) なお,Slate.frの2014年1月17日付の記事"La France est le pays qui tolère le plus l'infidélité au monde"が各国を婚外交渉に対する寛容度順(降順)に並べたグラフが掲載されています.)

調査結果の詳細は,こちらからダウンロード可能です.また,調査の方法論に関する説明はこちらからどうぞ.



*1) 別に自分が日本人であるという理由からの弁明ではありませんが,伝統的にユダヤ教やキリスト教の基盤の上に価値観や倫理観が成り立っている欧米と日本人におけるそれらは根本的に異なることを欧米の方には理解していただきたいと思います.伝統的に日本人の倫理の根底を形成している最も大きな価値は,所属する集団の存続,そしてその繁栄です.例えば,江戸時代に側室の制度があったのは家系を絶やさないためでした.つまり,夫婦間における忠節より自らが所属する集団の存続のほうがはるかに重要なことだったのです.また,元々定住稲作農耕民族であった日本人にとって子孫を誕生させるということは,家系の存続を保証するだけに留まらず,労働力の増強を意味しました.多産こそが善であり,そして,もし正妻に子供を産む能力がなければ,正妻以外の女性に子供を産ませることも善だったのです.このような倫理観が,たとえ子供を産ませることが目的でなかったとしても,婚外交渉に対する日本人の寛容度を形成して来たのではないかと思っています.明治維新後,日本はフランスの民法を始めとして西洋の諸制度を導入しましたが,長い期間を経て培われたこうした民族意識はそう簡単に変わるものではありません. 欧米では由々しき人道問題に映る旧日本軍による従軍慰安婦の強制売春に関する日本の多くの政治家の非常識且つ極めて無責任な言動も,こうした精神風土に由来するものなのでしょう.

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