Wednesday, 30 April 2014

フランスの民間航空機パイロットの組合が予定しているストについて

フランスで最も大きなパイロットの労働組合SNPL France Alpaは,5月3日から30日迄,毎日異なる特定の時間帯に限った形でのストライキを呼びかけています.もし,このストライキが決行された場合,最も影響を被るのはエールフランスですが,会社側は今のところ,運行にどの程度影響が及ぶか予想できないとしています.

組合側が要求しているのはディアール法という法律の廃止です.ストライキに参加する各労働者は決行の48時間前に自ら参加することを申告するよう義務づけるこの法律は,実質的にスト破りを可能にしてしまうというのがその理由です.それを裏付ける最近の例ですが,英国のEasyjetのパイロットたちがストライキを行った際,この法律のお陰で会社側は前もってストライキに参加するパイロットの氏名と人数(Easyjetの英国人パイロットの85%)を把握出来ていたため,フランス人パイロットを代わりに乗務させ,結果として運行には全く支障が及ばなかったそうです.こうした会社側の対抗措置によりストライキの効果が失われるのを防ぐために,SNPLは一ヶ月の長期に亘るストライキを計画したとのことです.

以上,4月28日付オブザーバーの"Transports aériens : appel à la grève des pilotes en mai"からでした.(関連記事:Le Monde同日付"Le premier syndicat de pilotes appelle à une longue grève en mai";29日付The Connextion"Pilots union calls for rolling strike")

日本からの観光客の中にもエールフランスやKLM,あるいは日本航空を利用される方がおられると思いますが,場合によっては帰国便の相当な遅れを覚悟しておいたほうがよいかもしれません.(KLMや日航については,いうまでもなくエールフランスの共同運行便が要注意です.)

(このポストを公開した数日後の5月2日付オブザーバーは,組合がストライキを中止したと伝えました.)

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