Wednesday 24 December 2014

アフリカにおけるエボラ出血熱の感染拡大は国際通貨基金(IMF)が招いた!?

という調査結果を発表したのは,ケンブリッジ大学,オックスフォード大学,そしてロンドンの衛生及び熱帯医学スクールの研究者たち.その内容が22日にThe Lancetのサイトで公開されました.

ようするに,今回の感染の爆発的拡大は,IMFがアフリカ諸国に提示した融資の条件としての財政引き締め政策の結果だというのです.こうした政策を実行したため,衛生面における予算が削減されたからです.

研究者達は,1990年から2014年までの間のIMFの政策と,それがギネア,イベリア,シエラ・レオネに及ぼした影響について調べました.その結果として,研究者達は,エボラ出血熱の感染開始の直前の2013年,これら3カ国はIMFの提示した条件のために衛生面における予算を増やす措置を講じることができなかったというのです.

こうした研究者達の指摘に対し,IMFは,2009年以降,貧困国に対し無利子の融資を行い,それらの国が衛生,教育の分野により多くの予算を投じることができるようにしたとしており,9月にはエボラ対策のために1億3千万ドルもの資金援助を行っており,同様の援助をギネア,リベリア,シエラ・レオネに対しても実施する予定であると述べています.(なんで今すぐに出さないのですかね.)

以上,22日付Le Mondeの"Des chercheurs pointent une responsabilité du FMI dans l'épidémie d'Ebola"からでした.

そこで目についたのは,こちらのメールマガジンの「世銀とIMFは財務官僚の巣である」という記事.もし,この機関を実質的に動かしているのが日本の財務官僚だとすると,以前にエイズ感染を放置した厚生官僚たちの所行(薬害エイズ事件)が思い出され,仮に今回のエボラ災害を招いた要因の中にIMFが含まれるとすると,どこの国のだれがどういう病気で死のうが自分たちさえ安泰であればいいという日本の官僚という生き物の本能が招いた世界的人災という側面も程度はどうあれ否定できないかもしれません.もっとも,そういった官僚を管理できない政治家,そしてそういう政治家を選ぶ私たち日本人に,最終的には責任があるのかもしれませんが.

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