Sunday, 21 December 2014

ジョージ・スティンニー・ジュニア,死刑の野蛮性と不公正性のシンボル

1944年,サウス・カロライナ州,コロンビアの刑務所の電気椅子に腰掛けさせられたとき,彼は14歳でした.小柄なその体格に対し,電気椅子があまりにも大きかったため,彼の尻の下には電話帳が置かれねばなりませんでした.そして,彼は現代アメリカ史上,最年少の死刑囚となりました.容疑は二人の白人少女(11歳のBetty June Binnicker, 8歳のMary Emma Thames)の殺害.しかし,死刑の執行から70年後,その無実が立証される可能性がでてきました.NBCニュースによると,ジョージの死刑判決はCarmen Mullins裁判官によって取り消されたというのです.これまでに,彼の自白は取り調べの際に受けた強制によるものとして,その無実を信じる複数の弁護士達が彼のケースの再調査を求め活動を続けてきましたが,その努力がようやく実を結んだのでした.

当時,彼の有罪を立証する証拠はひとつとして存在しませんでした.彼は,二人の殺害された少女たちを生前の彼女達を見た最後の人物でした.そして,二人が行方不明であるという報道を聴き,警察に二人を見たことを知らせに行ったときに身柄を拘束されたのでした.彼の裁判は僅か3時間で終わり,そして,10分も経たないうちに12人の白人から構成される陪審員によって有罪の採決が出され,その3ヶ月後,彼の刑の執行が行われたのでした.

2009年になって,彼の妹が事件当時,彼と一緒に居たことを証言したことから今回の結果へと結びついたのですが,ジョージのケースは,今や世界中で死刑の野蛮性と不公正性の象徴となっています.

以上,フランスのニューオブザーバーの記事"ETATS-UNIS. Innocenté, 70 ans après son exécution"からでした.なお,オリジナルの記事(英語)は上掲のNBCニュースのリンク先で閲覧ができます.(ビデオ映像付)

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