Sunday 28 December 2014

中国,共産党員よりクリスチャンの方が多数派?

正確な数字は判りませんが,中国のキリスト教徒の数は2千3百万から1億人と言われています.共産党員の数が8千5百万人ですから,党にとっては無視出来ない数字です.

最近,当局によって特に激しい弾圧を受けているのが,中国のイェルサレムと言われる浙江省の温州市.同市には,浙江省に存在する4000ものキリスト教会のほぼ半数が集中していますが,昨年,クリスチャンたちに対し,夜に十字架を点灯しないようにという命令が,そして,その数ヶ月後,教会の建物から外から目につく十字架を外すようにという命令が出されました.それを受け,すでに400もの教会が建物から十字架を外しています.そして,今年のクリスマスの直前,ある教会が再び十字架を掲げたところ,1時間後,パトロール中の官憲によって発見され,直ちに撤去されたそうです.中国に於けるクリスチャンたちの権利を守る為に活動しているZhang Kai弁護士によると, すでに多くのクリスチャンたちが逮捕され,現在でも少なくても2人のクリスチャンたちが拘束されているそうです.

当局が,特に警戒しているのは子供たちがキリスト教の影響を受けることです.新華社によると,温州市では幼稚園と小学校においてクリスマスを祝うことが禁じられ,当局の命令に従っているか監視するための要員が配置されているそうです.当局は,また,大学生たちをクリスマスという行事に馴染ませないように神経を尖らせていて,西南市*1)のある大学では「クリスマス廃止」と書かれた"高札"が掲げられたそうです.そして,クリスマスには,大学生達のために3時間もの孔子についての映画が上映され,映画を見ない学生は処罰の対象となったようです.上映中,学生の中に中座するものがないように教員達は目を光らせていたともいいます.そのほか,大学のキャンパスには「中国の誇り高き若者となるよう奮励努力せよ!西洋の低俗な祝祭に断固抵抗せよ!」,あるいは 「西洋文明の拡散に断固抵抗せよ!」などと書かれたバナーが掲げられいるとのことです.*2)

ところで,ロイター通信の報告によると,ある大学の共産党活動員によって運営されているブログには,最近の中国の風潮について「年々,多くの中国人が西洋の祝祭習慣を共有するようになってきている.そうした中国人たちは,西洋のほうが中国より進んでおり,《かっこうよい》と考えている」と書かれたポストが公開されました.実際,今や,とりわけ教育水準の高い中国人にとってクリスマスにパーティーを開いたり,プレゼントを交換し合ったり,また,家の周囲に飾りつけを行うことは日常化しているといいます.

12月24の夜,香港では,民主化を求める数百人の人たちが,街頭で当局への抗議の意味を込めてクリスマスの歌("Nun freut euch, ihr Christen":*3),"Hark! The Herald Angels Sing"*4))を歌ったそうですが,参加者の中から少なくとも10名の男性と2名の活動家が逮捕され,その中には,13歳の子供も含まれていたそうです.警察は逮捕の理由を彼らが市中に混乱を招き,道路を占拠したためとしています.

以上,12月25日付SPIEGELの"Repressalien gegen Gläubige: Chinas Führung will Weihnachten abschaffen"からでした.




*1) アルファベットで書くとXian.(ラテン文字を使う諸国では,クリスチャンの略語としてよく用いられる.)
*2) 意訳.言いたいことは,おおよそ,そんなところかと思います.ドイツ語の原文では,"Bemüht euch, herausragende Söhne und Töchter Chinas zu sein. Widersetzt euch westlichen Kitsch-Festen" ;"Leistet Widerstand gegen die Ausbreitung der westlichen Kultur".
*3)『喜べやたたえよや』
*4)『天なる神にはみさかえあれ』

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