Friday 26 December 2014

モーリタ二アで1960年の独立後初めての死刑判決 - 罪状は予言者モハメッドの冒涜

背教の罪で裁判が開かれたのは,独立以来,今回が最初です.被告は,最下層のカーストに属する鍛冶職人のMohamed Cheikh Ould Mohamedという名前の若い男性.彼は,彼が属するカーストに対する偏見や差別を不当なものとして,聖戦時代に予言者モハメッドや彼の協力者たちによってなされた決定を批判する意見をインターネット上に公開しました.その直後,各地で彼の意見に抗議するデモンストレーションが巻き起こり,今回の裁判へと発展したのですが,死刑判決を受けて,喜びのあまり町に繰り出した人の中には,「アラーは偉大なり!」と叫ぶ人もいたそうです.

モーリタニアの人口は,現在,およそ4百万.それを構成しているのは,ムーア人と呼ばれるアラブ・ベルベル系の人々と南サハラ系の人々です.近代化される前には,ふたつの民族それぞれの内部に複数の部族とカーストが存在していたのですが,鍛冶師や漁師,そして猟師たちは,すべての部族において最下層のカーストに所属していました.Mohamed被告は,モーリタニアの社会に現存するこうした制度が予言者モハメッドの時代から受け継がれたものであり,彼が属するカーストがその犠牲となっていると訴えたことが結果的にイスラム原理主義的風潮が強くなりつつある社会と国家の反感を買ったのでした.

以上,L'OBSの"MAURITANIE. Il a défendu sa caste, il est condamné à mort "からでした.L'EXPRESSの関連記事;Le Mondeの関連記事

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