今年9月に発表されたアップル社の腕時計形携帯端末.オブザーバーのこちらのギャラリー(14枚)をご覧下さい.
しかし,こうした端末を肌身離さずに持ち歩いていると,単にアドレス帳やアカウント情報のみならず,位置情報もコンスタントに開発元に送ってしまうことになりかねないので,適切な設定をするなどして,使用には十分注意したいものです.Google(最近では,ある人々の間では"Goliath"*1)というあざなで呼ばれているようですが)の提供しているAndroidでも事情は同様です.
(Cf. "LE SMARTPHONE, CE MOUCHARD QUI NOUS ESPIONNE" in L'Obs,"Projet Goliath : la guerre secrète d’Hollywood contre Google" in L'Obs)
以下,長くなりますが,上記の記事の抄訳とそれを読んで思ったことです.まずは抄訳から.
フランスには,Cnil(Commission nationale de l'informatique et des libertés=国立情報と自由に関する委員会)という組織が設立されていますが,最近,121ものアンドロイド用のアプリケーションがこの組織の調査対象となり,その結果,これらのうち2/3が持ち主が利用しているネットワークの種類(WiFi,3G,4Gの)を検知することが判明.さらに,調査対象となったもののうち29%は持ち主の位置情報を収集するということも判りました.委員会が計測した結果,3ヶ月間で150,000回も位置情報を収集していたそうです.平均すれば,1分に1度になります.また,あるゲームアプリは,位置情報など必要ないにもかかわらず,プレイヤーの位置情報を3ヶ月間に3,000回収集したそうです.
同じ調査によると,121のアプリのうち,5つが利用者の電話番号を調べていました.そして,2つがWiFiのID情報のリストの内容を抜き出したそうです.
こうした調査結果が公開されたのは,今回が初めてではありません.すでに2012年にBitdefenderは,iPhone用のアプリの20%が利用者のアドレス帳にアクセスし,また,2/3がiPhoneの位置情報を収集しているという調査報告を公開しています.
アメリカの消費者保護庁(FTC)も,こうしたアプリの調査を行っていますが,その結果,特に奇妙な振る舞いを見せるのが子供向けのアプリだったそうです.iPhoneおよびアンドロイド端末用の最も人気のある子供向け400のアプリのうち,60% が持ち主(子供)の電話番号と位置情報を収集しているというのです.
2013年の初め,Cnilは,iPhoneについての調査を強化しました.その結果,アプリのうち1/3が位置情報にアクセスし,10.5%が保存されている様々なアカウント情報を,8%がアドレス帳の内容を盗み見ていることが判っています.
こうして収集された位置情報,電話番号,アドレス帳はどうなるのでしょうか.殆どの場合,これらの情報は開発者や企業に譲渡されます.そして利用者の生活スタイルを特定するために用いられるとIRISAとベルギーのルーヴァン大学による共同研究は指摘しています. 位置情報とは,居住地,職場,外出先,利用する娯楽施設,同じく医療施設,ときには礼拝に出席する場所などです.また,これらの情報は,広告対象を見つける為に必要とするに第三者に譲渡される場合もあります.そして,エドワード・スノーデン氏が明らかにしたように,Facebook,Google Mapsなども,NSAおよびGCHQが利用者の位置情報や連絡履歴を収集するために用いられているのです.また,Sunday Timesが報じたように,始末が悪いことに,これらのアプリの利用規約のどこにも収集された情報が誰の手に渡るのかが一切明かされていないのです.同紙は,これらの個人情報は中国,インド,イスラエル,アメリカのサーバー,および企業に送信されているとも伝えています.
ちなみに,Google Playに限って言えば,3ヶ月間に130万回もの持ち主の位置情報をGoogleに送信したそうです.
以下は,上記の記事を読んで思ったことです.こうした情報は,私のようなスマートフォントとは全く縁のない人間からも収集されています.丸井のカード(エポスカード)からは,コンビニエンスストアで使うとポイントが加算されるといった内容のダイレクトメールが届きますが,まさにこうした情報を収集するためであることは見え見えです.そして,一連の交通系ICカードも私たちの財布やカードケースに納まりつつスパイとしての活動をしっかり続けている訳です.それに,先日公開したポストでも紹介しましたが,私のように,デスクトップのMacしか使っていない場合でも,評判が悪い新しいOS,ヨセミテもよほど注意して設定しないと,やはり自動的に利用者の情報を開発者に送ってしまいます.(私の場合,入っているフォトショップ・エレメントが昔のOS(10.6.8)までにしか対応していないので,新しいOSを入れる予定はありません.)
最後に,そもそも,明治以来の戸籍制度を維持する日本に於いて個人情報云々を議論するのは馬鹿げていますけど...
*1) 旧約聖書に登場した巨人.後にイスラエルの王となるダビデが,羊飼いの少年だった頃,戦って倒した.(サムエル記上17章参照)
しかし,こうした端末を肌身離さずに持ち歩いていると,単にアドレス帳やアカウント情報のみならず,位置情報もコンスタントに開発元に送ってしまうことになりかねないので,適切な設定をするなどして,使用には十分注意したいものです.Google(最近では,ある人々の間では"Goliath"*1)というあざなで呼ばれているようですが)の提供しているAndroidでも事情は同様です.
(Cf. "LE SMARTPHONE, CE MOUCHARD QUI NOUS ESPIONNE" in L'Obs,"Projet Goliath : la guerre secrète d’Hollywood contre Google" in L'Obs)
以下,長くなりますが,上記の記事の抄訳とそれを読んで思ったことです.まずは抄訳から.
フランスには,Cnil(Commission nationale de l'informatique et des libertés=国立情報と自由に関する委員会)という組織が設立されていますが,最近,121ものアンドロイド用のアプリケーションがこの組織の調査対象となり,その結果,これらのうち2/3が持ち主が利用しているネットワークの種類(WiFi,3G,4Gの)を検知することが判明.さらに,調査対象となったもののうち29%は持ち主の位置情報を収集するということも判りました.委員会が計測した結果,3ヶ月間で150,000回も位置情報を収集していたそうです.平均すれば,1分に1度になります.また,あるゲームアプリは,位置情報など必要ないにもかかわらず,プレイヤーの位置情報を3ヶ月間に3,000回収集したそうです.
同じ調査によると,121のアプリのうち,5つが利用者の電話番号を調べていました.そして,2つがWiFiのID情報のリストの内容を抜き出したそうです.
こうした調査結果が公開されたのは,今回が初めてではありません.すでに2012年にBitdefenderは,iPhone用のアプリの20%が利用者のアドレス帳にアクセスし,また,2/3がiPhoneの位置情報を収集しているという調査報告を公開しています.
アメリカの消費者保護庁(FTC)も,こうしたアプリの調査を行っていますが,その結果,特に奇妙な振る舞いを見せるのが子供向けのアプリだったそうです.iPhoneおよびアンドロイド端末用の最も人気のある子供向け400のアプリのうち,60% が持ち主(子供)の電話番号と位置情報を収集しているというのです.
2013年の初め,Cnilは,iPhoneについての調査を強化しました.その結果,アプリのうち1/3が位置情報にアクセスし,10.5%が保存されている様々なアカウント情報を,8%がアドレス帳の内容を盗み見ていることが判っています.
こうして収集された位置情報,電話番号,アドレス帳はどうなるのでしょうか.殆どの場合,これらの情報は開発者や企業に譲渡されます.そして利用者の生活スタイルを特定するために用いられるとIRISAとベルギーのルーヴァン大学による共同研究は指摘しています. 位置情報とは,居住地,職場,外出先,利用する娯楽施設,同じく医療施設,ときには礼拝に出席する場所などです.また,これらの情報は,広告対象を見つける為に必要とするに第三者に譲渡される場合もあります.そして,エドワード・スノーデン氏が明らかにしたように,Facebook,Google Mapsなども,NSAおよびGCHQが利用者の位置情報や連絡履歴を収集するために用いられているのです.また,Sunday Timesが報じたように,始末が悪いことに,これらのアプリの利用規約のどこにも収集された情報が誰の手に渡るのかが一切明かされていないのです.同紙は,これらの個人情報は中国,インド,イスラエル,アメリカのサーバー,および企業に送信されているとも伝えています.
ちなみに,Google Playに限って言えば,3ヶ月間に130万回もの持ち主の位置情報をGoogleに送信したそうです.
以下は,上記の記事を読んで思ったことです.こうした情報は,私のようなスマートフォントとは全く縁のない人間からも収集されています.丸井のカード(エポスカード)からは,コンビニエンスストアで使うとポイントが加算されるといった内容のダイレクトメールが届きますが,まさにこうした情報を収集するためであることは見え見えです.そして,一連の交通系ICカードも私たちの財布やカードケースに納まりつつスパイとしての活動をしっかり続けている訳です.それに,先日公開したポストでも紹介しましたが,私のように,デスクトップのMacしか使っていない場合でも,評判が悪い新しいOS,ヨセミテもよほど注意して設定しないと,やはり自動的に利用者の情報を開発者に送ってしまいます.(私の場合,入っているフォトショップ・エレメントが昔のOS(10.6.8)までにしか対応していないので,新しいOSを入れる予定はありません.)
最後に,そもそも,明治以来の戸籍制度を維持する日本に於いて個人情報云々を議論するのは馬鹿げていますけど...
*1) 旧約聖書に登場した巨人.後にイスラエルの王となるダビデが,羊飼いの少年だった頃,戦って倒した.(サムエル記上17章参照)
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