Wednesday 24 December 2014

モスクワのマネージ前広場,第2のマイデンとなるか

ロシアの反体制派のリーダーである政治家Alexej Nawalny氏の協力者の一人Leonid Wolkow氏は,先週の金曜日にNawalny氏の釈放を求める大規模なデモンストレーションへの参加への呼びかけをインターネット上に配信しました.デモの予定日は来年の1月15日.みんなでモスクワのマネージ広場に繰り出そうというもの.

同じ金曜日,モスクワの裁判所は自宅に監禁されているNawalny氏に対する判決を来年の1月15日に言い渡すと発表しました.検察側は,同氏に対し,9年間の拘留を求めていて,場合によっては,以前に言い渡された執行猶予付きの刑と合わせ10年に延長される可能性もでてきました.

反体制派からインターネットを通じて配信される情報に神経を尖らせている政府は,上記のWolkow氏のメッセージを配信後24時間も経たないうちに閲覧不能としました.国家のインターネット監視機関がFacebookが,彼のアカウントの閉鎖を命じたからです.しかし,このタイムラグの間にメッセージは60,000ものユーザーに伝わり,その中からすでに12,000人もの参加希望をメッセージが寄せられました.

今や,ロシアに於いてTwitterやFacebookなどのSNSの利用頻度は,まさに国民の気持ちを示すバロメーター.そして,それらに対する当局の姿勢も異常な程過敏となってきています.実際,Wolkow氏のメッセージと類似の書き込みを削除するようにという監視当局からの命令は,ロシアのFacebook,Klon VK.comに日曜日1日だけで50回も届きました.

世論調査(当てになるかどうかは別にして)では,国民の80%を超える人がプーチン大統領の政策を支持しているとされているものの,クレムリンはこの傾向が突然変化することを恐れているのです.ウクライナにおいてロシアの介入への反対運動に火をつけたのはジャーナリストのMustafa Najem氏のSNS上の書き込みだったという前例があるからです.

ところで,Nawalny氏を巡って支持者たちによる大規模なデモが起きたことがこれまでにもありました.それは,2013年6月に彼が長期間の拘留刑を言い渡されたときのことです.数千人もの彼の支持者がマネージ広場に押し寄せ,彼の釈放を求めました.その結果,数日後,裁判所は彼を釈放したのでした.

数々の汚職や不正を避難するNawalny氏は,クレムリンにとって,まさに目の上のたんこぶですが,Wolkow氏が流したデモへの参加の呼びかけは,監視当局の努力のかいもなく,またたくまに各地へ伝わり1月15日のデモへの参加者は,最大で25,000人にも昇ると見られています.

以上,22日付SPIEGEL"Putins Angst vor einem Moskauer Maidan"の一部からでした.

なお,ロシアのデフォルトの可能性については,同じく"Auf dem Weg in die Staatspleite","Russischer Gaskonzern: Gazprom-Produktion auf historischem Tief"をご参照ください.

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