Monday 14 October 2013

SLトレインで訪ねるクリスマス・マーケット - 12月のドイツ特別列車運行予定から

個人的な好みから,テンダー機関車が牽引する列車をいくつかピックアップしてみました.(今シーズンは,今年復活した01 150*1)と23 1019*2)の活躍が特に目立ち,細身のエレガントな03 1010や2012年に復活した旧東ドイツ国鉄のレコロク03 2255の運行はあまりなさそうです.*3)  なお,予定されていた牽引機が変更になったり,最小催行人数に満たない等の理由により開催が中止される場合があります.*4) また,ザルツブルガーローカルバーンを除き,原則として往復のプランです.)
  • 12月7日(土)

      シュトリーツェルマルクトトレイン
    目的地:ドレスデン
    乗車駅:Cottbus, Drebkau, Senftenberg, Ruhland
    牽引機:23 1019 (35 1019-5)
    主催:ラウジッツァーSLクラブ
    予約:オンライン及び代理店(郵便番号別リスト)にて可能
    フライヤーダウンロード

    ドレスデンのクリスマス市,シュトーレンの語源となったシュトリーツェルマルクトを訪ねる旅.24 mの高さのクリスマスタワーは100体もの人形と美しいイルミネーションで飾られます.そして,当日の圧巻は,何と言ってもツヴィンガー宮殿から旧市場へ2 トンの重さのシュトーレンを運ぶ行列.到着後,巨大なシュトーレンは1.6 mのナイフで切り分けられ,市場のブースにて販売されます.

  • 12月7日(土)

    01 150とバンベルグのクリスマスマーケットへ
    目的地:バンベルグ
    乗車駅:Stuttegart, Waiblingen, Schorndorf, Schwäbische-Gmünd, Aalen, Ellwangen, Crailsheim, Ansbach, Nürnberg, Fürth, Erlangen
    牽引機:01 150
    主催:ウルム鉄道友の会
    予約:フライヤーに付属の書式に必要事項を記入して郵便,またはファックスで送るか,またはこちらのページからオンラインで申し込みます.

    今年の5月に蘇ったパシフィックの名機01 150が牽引する特別列車で,フランケンの美しい古都バンベルグの情緒豊かなクリスマス市を訪ねます.途中停車駅のニュールンベルグは,有名なDBミュージアムの最寄り駅.

  • 12月7(土),8日(日)

      アルプタールバーンのSLサンタトレイン
    目的地:Bad Herrenalb
    乗車駅:Ettlingen Stadt 
    牽引機:58 311旧領邦鉄道G 12形
    主催:ウルム鉄道友の会
    予約:オンラインにて可能

    Bad Herrenalbでは,サンタクロースと一緒にクリスマスキャロルを歌います.毎回,大人気ですぐに満席となるため,予約はお早めに.

  • 12月14日(土)

      01 150が牽引するクリスマストレイン
    目的地:ミュンヒェン
    乗車駅:Heilbronn, Bletigheim, Ludwigsburg, Kornwestheim Pbf, Stuttgart-Untertürkheim, Esslingen, Plochingen, Göppingen, Geislingen, Ulm Hbf, Günzburg, Augsburg Hbf, München Hbf
    牽引機:01 150
    主催:ベブラ・ノスタルジック・レイルツアーウルム鉄道友の会(共催)
    予約:オンラインにて可能*5)フライヤーダウンロード

    3000もの電球で飾られた巨大なクリスマスツリーが聳えるミュンヒェンのクリスマス市場を訪ねる旅.牽引するのは,今年の5月に蘇ったパシフィックの名機01 150.途中のGeislingenの勾配区間 (Geislingen an der Steige ,Amstetten間,下掲の地図上の緑色の星印の間で5.6 kmの山岳規格区間.最高勾配は22.5‰.)での奮闘が期待されます.特別列車は1950及び60年代のクラシック車両で構成されます.今回紹介した特別列車の中でも,7日のバンベルグ行きと並んで長距離のルートが設定され美しい沿線風景も十分に楽しめそうなプランです.なお,要確認情報ですが,出発地のハイルブロンの南ドイツ鉄道博物館には,雨ざらしとなってはいますが,ブルーレディことストリームラインの01 1102が展示されている可能性があります.(10月から2月中は土曜日のみ開館:11:00-16:00)また,途中停車駅のアウグスブルグにも鉄道博物館があります.こちらは,現在大規模な改装工事中で,開館日が限られているようです.

  • 12月14日(土)

      ゲルリッツで味わうシュレージェンのクリスマス
    目的地:ゲルリッツ
    乗車駅:Cottbus, Spremberg, Weißwasser, Horka
    牽引機:23 1019 (35 1019-5)
    主催:ラウジッツァーSLクラブ
    予約:オンライン及び代理店(郵便番号別リスト)にて可能
    フライヤーダウンロード

    チェコ国境の近く,美しいバロックとルネッサンス様式の家屋で有名なゲルリッツのクリスマスを堪能します.ゲルリッツ聖歌隊による本場のクリスマスキャロルの演奏も雰囲気を盛り上げます.さらに,Landkronのビール醸造場の見学も予定されていて,名物のBrauerbratenを肴に試飲およびビールジョッキのお土産付きのプランです.

  • 12月14(土),15日(日)

      リューデスハイム行クリスマストレイン
    目的地:リューデスハイム
    乗車駅:Darmstadt Hbf, Gross-Gerau, Mainz-Bischofsheim
    牽引機:23 1019 (35 1019-5)
    主催:ダルムシュタット-クラニッヒシュタイン鉄道保存会
    予約:オンラインにて可能

    16の国の100もの町のクリスマス風景を楽しむことができるリューデスハイムの世界のクリスマスを訪ねます.なかでも,等身大のフィギュアで飾られたヨーロッパで最大のキリスト降誕のシーンは必見です.なお,ダルムシュッタットにも鉄道博物館があります.博物館迄の交通機関としては,中央駅からDBの近郊線あるいは路面電車Nr.5を使います.開館時間は日曜日と祝日の10時から16時.12月22日から2014年1月12日迄閉館.(今年最後の開館は12月15日.)展示されている機関車のリストはこちらから.

  • 12月1(日), 8(日), 24日(火)

      ザルツブルガーローカルバーンで行くオーベルンドルフ
    目的地:オーベルンドルフ
    乗車駅:Salzburg-Itzling, Bergheim, Anthering, Oberndorf, Arnsdorf, Bürmoos, Riedersbach
    牽引機:不明
    主催:オーストリア鉄道歴史協会ザルツブルガーローカルバーン
    乗車券:当日,車内にて販売

    牽引機は不明ですが,やはりクリスマスということで『きよしこの夜』の発祥の地を訪ねるプランも載せておきます.(しかも,ドイツではなくオーストリアですが.)サンタクロースが同乗し,ビュフェカーも連結されます.(オーストリア鉄道歴史協会の冬のプログラムのパンフレットは,こちらからダウンロードできます.)

  • 12月7(土), 8(日), 14(土), 15日(日)

    サンタクローストレイン
    主催:ザウシュヴェンツレ鉄道

    ザウシュヴェンツレ鉄道としては,開業以来最初のサンタクローストレインが運行されます.このポストを書いた時点では詳細は不明ですが,ザウシュヴェンツレのスターエンジン50形が牽引するのであれば興味はあります.あるいは52か,タンク機(8693)の可能性もあります.今年のシーズンオープニングの模様は,こちらのSüdkurierのウェブギャラリーをご覧下さい.(52しか登場しなかったようですが.)

なお,番外編としてヘムニッツタール鉄道友の会が主催する鉄道馬橇の運行もロマンチックな思い出作りに役立ちそうです.乗客は,クリスマスイルミネーションに飾られたオープンの橇の上から流れる冬景色を毛布に包まりながら楽しみます.(12月21, 22日,13時から18時迄30分おきに運行)

以上の他にも多くのSL列車の運行が予定されています.詳しくは,本ブログの右上のヨーロッパ鉄道イベントプランナーで紹介しているリンク先サイトをご参照ください.なお,ザクセンのクリスマス風景を味わうのであれば,Zitauer SchmalspurbahnLössnitzgundbahnWeisseritztalbahnDöllnitzbahnなどの狭軌蒸気路線も要注目です.さらに,南ドイツ,ノルトリンゲンのバイエルン鉄道博物館(バイエルン鉄道観光)主催の特別列車の運行に関するパンフレットのダウンロードはこちらから.その中で個人的に特に注目しているのが,来年2014年2月1日に運行が予定されているウィンターエキスプレス(ノルトリンゲン発リンダウ往復)です.牽引するのは,映画『風立ちぬ』にも登場した伝説の名機18形(旧バイエルン国鉄S 3/6).鬼の笑い声が聞こえてきそうですが,予約および問い合わせはこちらから電子メールでどうぞ.(クリスマス列車ではありませんが,参考迄に,下掲の地図上の別レイヤーに 色のマークで走行路線を書き込みました.)

ところで,ご紹介した12月に運行される特別列車の中で目玉というと,なんといっても01 150が牽引するミュンヒェン行きクリスマストレインです.もし,12月6日日本出発,16日帰国といった少々長めの休暇が設定可能であれば,この1本と7日に予定されているドレスデンのシュトリェーツェルマルクトトレインを組み合わせたいところ.迫力溢れるアインハイツロコの01と23.10を間近に眺められるのに加え,ドイツの南と北の文化都市のクリスマスも堪能という贅沢な旅になります.(7日には,01 150が牽引するバンベルグ行きも運行が予定されていますが,こちらと14日の23 1019牽引のゲルリッツ行きを組み合わせるのも渋い選択といえそうです.)なお,いずれの列車も予約はお早めに.*6)


最後に,ドイツ語(スイス)のサイトですが,ヨーロッパ各地のクリスマス市の日程が記載されたサイトがあるのでご紹介します.アクセスはこちらからどうぞ.




*1) 今年の5月に復活してスターエンジンの仲間入りした01 150.そのうち,すでに活躍中の2両の妹たち(旧東独国鉄の改造機01 0509と01 533)と共演する機会もありそうです.もし,01の三重連が実現したら迫力あるでしょう.
*2) ヴィッテ除煙板で有名なフリードリヒ・ヴィッテが,長年構想を温めていた,ドイツの機関車としては異色の車軸配置である1'C1'の23をベースに旧東ドイツ国鉄によって開発された駿足モデル.2気筒ながら,なめらかな走りに定評があります.(個人的には,01よりも細身の23のほうが好みです.)なお,当該機のナンバープレートには,EDV番号ではなく旧来の番号の23 1019が表記されています.
*3) 12月1日に1本予定されているようですが,クリスマスとは関係なさそうです.詳しくは,03 1010協会のサイト内の運行予定をご覧下さい.03 2155の運行予定は,NossenのSL協会のこちらのページから.
*4) これまでの限られた経験から言えるとすると,ウルム鉄道友の会とラウジッツァーSLクラブ主催の運行で取りやめになるケースはまず無いと思われます.(これまで参加したツアーは,いつも満席あるいはほぼ満席でした.)バイエルン鉄博主催の運行の場合,以前に一度だけ,申し込んだ後に中止の知らせを受けたことがありました.
*5) 申し込み書式には国名を記入する欄がないため,テキストボックスに日本からの予約と申告し,必要な手続きを問い合わせると良いでしょう.もちろん英語で大丈夫です.
*6) ラウジッツァーSLクラブが主催するイベントについては,日本からオンラインで予約する場合,予約後,代金を銀行送金するため,十分に余裕を持って予約する必要があります.(数日前になるとオンライン予約サイト自体が削除されます.)また,ウルム鉄道友の会が主催するイベントについては,原則として事前の銀行振込が求められますが,当日,現地で現金支払いが可能の場合があります.その場合は,予約証明書を持参し,車内でスタッフに提示し,代金と引き換えに乗車券を受け取ります.(発券担当のスタッフは,通常,食堂車に待機しています.)最悪の場合,現地で飛び込みで空席がないか尋ねることも考えられますが,今回,紹介したようなイベントの場合,満席になることも十分予想されるため予約をお薦めします.なお,質問などについては,ドイツのイベント列車運行の双璧であるウルム鉄道友の会とラウジッツァーSLクラブのこと,毎回,海外から多くのファンが参加することもあり英語で問題なく対応してくれます.もちろん,他の団体も,英語による問い合わせに十分応じてくれるはずです.

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