Friday 4 October 2013

モンマルトルのアベッス広場で愛を叫ぶ

パリ18区にあるアベッス広場(Place des Abbesses)は,その昔,ゴール人たちに布教するためにパリを訪れ,最後はモンマルトル(語源はMon martyrといわれる)で斬首されたパリの守護聖人サン・ドニを記念して12世紀に設立された女子修道会があった場所です.そのため,修道院長を意味するAbbéの女性名詞Abbesseの複数形がその名前になりました.

ここには,世界の数百もの言語で"Je t'aime" ="I love you"と記された大きな青い壁が立っています.日本語の「大好き」の文字も見えます.(壁についての詳しい説明は,こちらをご覧下さい.)製作したのは,Frederic BaronとClaire Kitoの二人.芸術橋(Pont des Arts)のフェンスに掛けられた南京錠も有名ですが,こちらも,これからの季節にパリを訪れる若い方たちに一見をお薦めしたいモニュメントです.なお,最寄りの地下鉄12号線の駅にはこの広場の名前がついていますが,その美しいエントランスはアールヌーボーの作家エクトール・ギマール(Hector Guimard)の設計によるものです.

ところで,この地下鉄アベッス駅は映画"Le Fabuleux destin d'Amélie Poulain"(=『アメリー・プーランの素晴らしき運命』.邦題『アメリー』)にも登場しています.もともと,この映画の完成前のタイトルが"Amélie des Abbesses"(=『アベッス(駅)のアメリー』)であり,彼女の暮らしの舞台がこのあたりに設定されていたわけですが,例えば,自分の部屋の壁の中に隠されていた宝箱の持ち主ブルトドー氏の住所を探り出した帰り,彼女がホームで一人の目の見えない老人に小銭を与えるのがこの駅です.それと,ホームに設置されていた証明写真撮影機の下を懸命に探っている彼女の未来の恋人ニノと最初に出会うのも.下の地図上のAは彼女が暮らすアパートの近くと思われるコリニョン氏の八百屋の位置,そして,Bは彼女の勤務先Café des 2 Moulinsの位置をそれぞれ示しています.いずれのもアベッス駅の近くです.(画像上をクリックすると拡大表示されます.)


下の動画は,Paris Zig Zagの案内人Michel Faulさんによるによるアベッス広場案内です.

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