Thursday, 31 October 2013

スターたちの仮装(L'EXPRESSのウェブギャラリー)

G20出席者にロシア政府から贈られた迷惑なプレゼント

ロシアのサンクト・ペテルスブルグで開催されたG20に出席した政府関係者に,ロシア政府から記念品としてUSBメモリーが配布されたですが,そのなかにトロイの木馬型ウィルスが仕込まれていたという疑惑が浮上しています.この疑惑を伝えたのは,イタリアの新聞,Il Corriere della SeraLa Stampa.両紙に掲載された記事によると,現在,詳しい調査が行われているそうですが,欧州理事会議長ヘルマン・ファン・ロンパウ氏の指示により行われた調査の結果,現時点で当該のUSBメモリーにセキュリティ上の脆弱性が見つかったそうです.

また,英国のTelegraphが伝えるところでは,やはり会議の開催中,携帯電話を充電するためのケーブルも英国政府関係者に配布されましたが,こちらも携帯電話の中に記録されている情報を外部に送信させた疑いがあるそうです.なお,カメロン首相は当該のケーブルは使用しなかったと首相のスポークスマンは伝えています.

なお,ロシア政府は,このことについてアメリカ政府とEUがNSAの問題から世間の注目をそらそうとしてでっち上げた偽情報とコメントしています.

以上,Le Mondeのブログに掲載された10月30日付のポスト"CADEAU EMPOISONNÉ – Des clés USB suspectes offertes par Moscou au sommet du G20"からでした.

G20に同行した日本の外務省関係者はどうだったのでしょうか.

スイス国鉄の新しい貨物用小型ハイブリッド機関車Eem 923

正面
©SBB CFF FFS

反対側の正面
©SBB CFF FFS
最近,お目見えしたハイブリッドロコEem 923*1) です.ベースとなったモデルは922で,電化区間では架線から集電し,非電化区間では搭載されたディーゼル発電機から供給される電気で走行します.以下,性能諸元です.

Gauge 1,435 mm
Catenary supply voltage 15 kV/16.7 Hz and 25 kV/50 Hz
Axle arrangement Bo
Length over buffer 9,100 mm
Vehicle width 3,100 mm
Vehicle height 4,306 mm
TARA weight 40 t to 45 t (SBB Cargo 45 t)
Wheel diameter (new) 1,100 mm
Wheelbase 4,300 mm
Maximum power at wheel 1,500 kW
Diesel power pack approx. 290 kW at wheel
Starting tractive power 150 kN
Maximum speed 120 km/h
Loading gauge UIC 505-1 AB-EBV U3
Optional train power bus 1,000 V/800 A
その他,4台まで重連総括制御可能であり,速度も120 km/hまで出せるので,入れ替え作業の他,メインライン上での列車牽引も可能です.可愛らしいので模型が欲しくなりました.

Romanshorn駅校内で見かけた923


Stadler社のサイト内の関連ページ
Bahnonlin.de内の関連ニュースのページ(ドイツ語)


*1) スイスの車両の形式表示については,Wikipediaのこちらのページをご覧下さい.

Wednesday, 30 October 2013

ヨーロッパ最後の魔女アンナ・ゲルディンとは

魔女狩り,または魔女裁判というと,中世のヨーロッパで行われていたと思われがちですが,実は,18世紀にも行われたケースがありました.場所は,スイスのグラルス州.魔女として訴えられたのは,アンナ・ゲルディン(Anna Göldin またはAnna Göldi) という,ある裕福な医者の家庭で家政婦をしていた女性でした.訴えの内容は,アンナがその家の次女に牛乳に混ぜて針を飲ましたり,呪いをかけたということでした.実際,女の子は衰弱し,喀血の際に血と一緒に針を吐き出すなどしたというのです.

彼女は,裁判にかけられた結果有罪とされ,1782年6月18日に斬首刑に処せられました.そして,200年以上も経った2008年になって,ようやく彼女の裁判が誤りだったことが判明し,彼女の名誉は回復されたのでした.なお,モリス(Mollis)には彼女に関する資料や自白を引き出すために使用された拷問の道具などを展示する博物館があります.

ところで,魔女狩りはカトリック教会によって行われていたと思われる方もおられでしょうが,当時のグラルス州の州教はプロテスタンティズムです.また,17世紀にアメリカ,セイラム(Salem)で起こったの魔女狩りでも,宗教的背景はもちろんプロテスタンティズムでした.

最近は,日本でもこの季節になると,魔女の仮装をして街中を歩く女性を見かけることがありますが,ヨーロッパで最後の魔女裁判の被告になった気の毒な一人の女性に思いを馳せるのも諸聖人の日にふさわしいことかもしれません.

シリア難民へのヨーロッパ各国の対応(ARTE+7より)

ヨーロッパの今を伝える番組"Yourope"の今回のテーマは,『戦争難民 - ヨーロッパの人道的責任』です.(10月26日放送,27分)


ドイツ語版の視聴はこちらからどうぞ.

番組の内容は"城塞化するヨーロッパ - ランペドゥーザの悲劇を招いたもの"にまとめました.

CIA長官とオバマ大統領が公開を拒むCIAの拷問に関する報告書

今,アメリカの議会でもめている問題の一つに,ジョージ・W・ブッシュ大統領時代にCIAの行った拘束や拷問の方法に関する報告書の公開があります.問題の報告書は,4000万ドルという予算を使い4年間かけて作成され,6300ページという膨大な量ですが,上院議員からの度重なる公開の要求に対し,内部からの突き上げを恐れるCIAのジョン・ブレナン長官が難色を示していて,しかもオバマ大統領もブレナン氏の姿勢を支持しているというのです.

以上,スイスの日刊紙Basler zeitungの10月29日付の記事"Obamas zweites Geheimdienstproblem"からの抄訳でした.

それにしても,日本等に比べてまだアメリカのほうがましだと思えるのは,予算と時間をかけてこうした報告書をまとめることができるということです.日本の場合,国の組織であろうと民間の企業であろうと,過去に起きた不祥事について,まず証拠となる文書の保管が適切になされるケースはまれで,場合によってはそれらは明るみに出されること無く処分されてしまいます. どこにこうした国民性の違いが根ざしているのでしょうか.人間の行為を,例えば流れるうちに澄んでくる川の水へのアナロジーによって捉える日本と,全ての人間の行為は神によって記録されていて,最後の審判のときに裁きを受けるという認識が精神文化の根底に存在するアメリカやヨーロッパの違いと言えるかもしれません.理由はどうあれ,現実として記録に対する感覚が欠如している日本において,国家機密保護法といった法律がもし成立した場合,どういうことが起こるのかを考えると末恐ろしい気がします.もちろん,その前に普遍的な人権についての認識も必要であることは言う迄もありませんが.

LUCAS 2装備の新しい救急車Mercedes-Benz-Sprinter 519 CDI,グラルス州立病院に配備

なにげなくSüdostschweiz.comの29日付のニュースを視ていたら,グラルスの州立病院に配備された新しい救急車の紹介がされていました.(Mercedes-Benz-Sprinter 519 CDI)このごろの救急車は,人工心臓マッサージ装置(LUCAS 2)が設置されているのを初めて知り,救急車両における技術の進歩もすごいと思いました.(Südostschweizのニュースは地元の方言で放送されます.そのため,ドイツ語を学習する目的で視聴した場合,あまり役には立ちません.ただ,新しい救急車に関する部分ではドイツ人らしいスタッフもインタビューに答えていて,その人は普通のドイツ語で話しています.)また,グラルス州立病院のプレスリリース(ドイツ語)はこちらから.

パリのヴィンテージ・ブティックのディレクトリー

相当な数にのぼりますが,まずは,区毎の住所録はこちらです.各ブティックのサイト(基本的にフランス語)へのリンクも掲載されています.

次に,英語で書かれたサイト"Paris Top ten Secondhand and Vintage Clothes Shops"へのアクセスはこちらから.(パリの様々なトップ10を紹介するParistopten.comのページのうちの一つ.)

フランス語でも,Le Bhv.frがパリのヴィンテージ・ブティックのトップ10を紹介しています.

また,The Vintage.comのサイトでは,パリやパリ近郊で販売されている古着や骨董品の中からお好みの品を探すことができます.(フランス語)

そして,Mrie-Claire.frもパリの4軒の代表的なヴィンテージ・ブティックを画像付きで紹介しています.(フランス語)

Tuesday, 29 October 2013

NSAによる要監視国のランク付けを示す地図

スノーデン氏によって発見されたNSAによって作成された地図だそうですが,濃い緑で示された国は通信傍受の必要があまり無い国,そして黄緑,黄色,オレンジ,赤と色が変化するにつれて通信傍受の必要が高くなるとのことです.(電子版Le Mondeの10月28日付記事"La carte des révélations sur la surveillance de la NSA"より.)

アメリカが中国と並んで黄色というのは面白いですが,本来テロ攻撃を阻止するというのが重要な目的でしょうから,その点では納得が行きます.インドがオレンジというのは少々意外でした.

Wikipediaの"Boundless Informant"の項目に掲載されている地図

同上(別のバージョン)

本ブログ内の関連ポスト:
"ベルリンのアメリカ大使館による盗聴の仕組み(SPIEGEL TV)";
"NSAのサイバー空間における情報収集の仕組み(フランス語版ビデオ)";
"twitter上で流れるNSAの冗談画像"

7つの惑星を持つもう一つの太陽系

10月28日付電子版SPIEGELの記事"Sieben Planeten:Astronomen entdecken zweites Sonnensystem"は,ドイツの航空宇宙センター(Deutschen Zentrum für Luft- und Raumfahrt(DLR)の天文物理学の研究者のグループが,太陽系と良く似た構成の惑星系を発見したと報じました.(詳しい報告は,"Astrophysical Journal"に掲載されています.太陽系と比較した図はこちらから.発見された惑星系の惑星の軌道が,距離的に地球(Erde)の軌道以内にある様子がわかります.)

新しく発見された惑星系の中心にある星KOI-351は,すでにNASAの宇宙天体望遠鏡ケプラーによってその存在が確認されていて,昨年,その周りを回る3つの惑星が確認されていましたが,今回DLRのJuan Cabreraさんと彼の同僚たちによってさらに同様の4つの惑星が発見されたのでした.

地球からおよそ2500光年離れているKOI-351を中心としたこの惑星系は,私たちの太陽系と良く似た構成となっていますが,規模は太陽系より小さく,外辺に位置する惑星とKOI-351の間の距離は,ほぼ地球と太陽の間の距離に匹敵します.公転周期は,外側に位置する3つの惑星がそれぞれ331日,211日,60日で,今回,新たに発見された4つの内側の惑星については,それぞれ125日,92日,9日,そして7日です.

 KOI-351惑星系と太陽系が似ている点として,Cabreraさんは惑星の構成要素を挙げています.つまり,内側の惑星が岩石から出来ていて地球と同じような大きさであり,外側の惑星が,太陽系の木星や土星のようにガスの固まりであることです.ただ,違いももちろんあって,そのひとつが,太陽系と比べて惑星間の距離が近く,そのために互いに及ぼし合う影響が強いということです.

今後,ケプラー望遠鏡により,さらにこうした発見がなされることが期待されています.

ベルリンのアメリカ大使館による盗聴の仕組み(SPIEGEL TV)

ドイツ語ですが,SPIEGELのこちらのビデオに,メルケル首相や政府要人の通信がどのように盗聴されていたかが判り易く解説されています.メルケル首相の携帯電話などを盗聴する方法には二種類あって,ひとつはトロイの木馬型のウィルスのようなものを忍び込ませてデータを盗み取る,もうひとつは単純に通信電波を傍受するといったものです.なお,ベルリンのアメリカ大使館にはCIAとNSAから任命されたエージェントが常駐しているようですが,盗聴目的のため,敷地を取り巻く壁の一カ所の材質がおそらくガラス繊維のような電波を通し易い材質で作られているようです.なお,下の地図はSCS(Special Collection Service)のネットワークを示しています.

それでも,メルケル首相はEUの情報保護法の成立についてはあまり乗り気ではなさそうです.(Cf. "Trotz Abhöraffäre:Merkel bremst beim Datenschutz in Europa" in SPIEGEL, 28.10.2013")


この地図には日本の地名が見えませんが,さらに下の図を見るとFORNSATによってしっかり通信傍受がされていることがわかります.(Free Snowden.isこちらのページに掲載されている画像)そして,いくら日本側が同盟国と言っても,先方はそうは思っていないかもしれないことも...その上さらに,アメリカへの操の証である特定秘密保護法を成立させるのですから,まったく不思議な国です.


さらにこちらは,Spiegelがエドワード・スノーデン氏が公開した情報に基づいて作成したNSAの情報収集の主要対象国の地図ですが,日本もTPPについての交渉が開始された2010年以降そのひとつになっています.


"NSAによる要監視国のランク付けを示す地図";
"NSAのサイバー空間における情報収集の仕組み(フランス語版ビデオ)";
"twitter上で流れるNSAの冗談画像"

Monday, 28 October 2013

ハロウィンでもらいたくないお菓子

だれが配るのでしょうか,こんなアメ.とりあえず,L'EXPRESSのギャラリーをご覧下さい.ついでに,こちらは子供たちとハロウィンを過ごすのにお薦めの場所. そして,こちらの子供たちの仮装の見本もよろしければどうぞ.(ほとんどが寝間着みたいですが.)もうひとつ,ハロウィンとは関係ありませんが,新婚旅行でイタリアへ行く場合のお薦めのスポットのギャラリーはこちらです.10カ所紹介されています.これらもすべてL'EXPRESSが提供しているギャラリーです.

ルーマニアの美しい墓地(ARTE+7より)とチロルの楽しい墓標の博物館

万聖節が近づくこの季節らしいリポルタージュです.

ルーマニアのウクライナ国境近くの村Sapântaの墓地にある墓は,亡くなった方の生涯を描いたさまざまな木彫りの彫刻で飾られます.そこは,さながら天国への待合室のようだとか.(こちらのサイトにギャラリーが掲載されています.)

(画面上の▷ボタンを押すとフランス語版が再生がされます.ドイツ語版を視聴される場合は,こちらのリンクからドイツ語版のページへ移動してください.)

10月26日(土)放送
制作:ARTEフランス,ドイツ,2013年(43分)

そして,こちらはチロルにある,思わず吹き出してしまうような文句が刻まれた墓標のコレクションで有名な野外博物館のアルバムです.墓標に書かれた文句の一例を挙げると,「子供,女性,そしてオルガンを叩いたマルチン・クルーグ(オルガン演奏者)ここに眠る.」と言う具合です.あるいは,「レヒライテンの市民ここに眠る.彼は,膀胱の病気で命を失った.[中略] それ故,彼のために主の祈りを唱えてくれたまえ.」,「私にしょっちゅう喧嘩をしかけた妻ここに眠る.神よ,感謝します.ここを訪れる人よ,早くここを立ち去るが良い.でないと妻は生き返ってあなたに喧嘩をしかけるかもしれないから.」など.

見学案内:
墓標博物館(Museumsfriedhof)
開館時間:毎日9-18時(冬期:10時から日没迄)
入場料:無料
住所:Hagau 80, A-6233 Kramsach,オーストリア
電話:0043 5337 62447

Kramsachの観光案内所:
Tourismusinformation Alpbach, Haus Nr. 175, A-6236 Alpbach
電話:Telefon: 0043 5337 120030
Webサイト:www.alpbachtal.at
観光客には,バスやケーブルカーに無料で乗れるAlpbachtal Seenland Cardが渡されます.(無料)

宿泊:
Romantikhotel Böglerhof
Hotel Pirchnerhof

ブロッコリが放射線の影響から人体を守る?

緑黄色野菜にガンを予防する効果があることはよく知られていますが,その理由は,これらの野菜に含まれるインドール3カルビノール(I3C)という成分だそうです.これが消化されて生成されるジインドリルメタン(DIM)という物質が,腫瘍に養分を補給する血管の発達を妨げるのだとか.

最近,このDIMが注入されたマウスが,致死量の放射線を浴びても死ななかったという実験結果が,アメリカ人と中国人の合同研究チームから発表されました.(こちらに発表された論文が公開されているのでご参照ください.)

実験では,DIMを注入したグループと注入しなかったグループにそれぞれ異なる線量の放射線が浴びせられましたが,致死量の13グレイの放射線を受けたグループのうち,DIMが注入されなかったグループは全個体が8日後に死亡,しかし,被線の10分後にDIMが注入されたグループでは60%の個体が一ヶ月後も生存したそうです.そして,線量を9グレイに落とした場合の一ヶ月後の生存率は80%, 同じく5グレイの場合は100%だったとのことです.

何故,DIMが放射線の影響からマウスを守ったかというと,DIMはATMというタンパク質を活性化したからで,このタンパク質には破損したDNAを修復する機能があるからです.しかも,興味深いことには,ATMが修復するDNAは健全なもののみであり,ガン細胞のDNAは修復しないのです.さらに,DIMは被線した細胞が死滅するのを,細胞の自滅(アポトーシス)が機能するのを妨げる遺伝子を活性化させて防ぎます.

ただ,以上はあくまでもマウスを用いた実験の結果,判明したことであり,こうした実験を生きている人間を用いて実施するのは不可能ですが,この研究結果を発表した研究者たちは,確認出来たDIMの効能は人間においても有効であり,福島の核災害のような突発的被線の影響を抑える効果があるとしています.

以上,10月27日付Le MondeのBlog"Le brocoli, arme inattendue contre la radioactivité"からでした.

Sunday, 27 October 2013

シーフェエーベネで01重連が復活 & レマン湖畔を走る01を見る最後の機会? - The Alpine Steam Express 2014

2年間にわたるMiningenでの修理が完了し,01 202がスイスに戻ってきます.お披露目運行は,なんとバイエルンの難所シーフェエーベネ(Marktschorgast - Neuenmarkt)の勾配を,やはり今年蘇った01 150との重連で駆け登るというもの.40年振りのイベントは,01ファンには必見かもしれません.*1)

以下,予定されている運行およびツアーの内容です.


1. おかえりなさい,01 202 !

フライヤーのダウンロードはこちらから.また,オンライン予約はこちらからどうぞ.(宿泊も含めて全日程参加の場合,スイスの鉄道のHalf-Fare Travelcardを購入していることが前提です.*2) 各日付において1日のみの参加も可能なので,日本から参加する場合は,希望する日のみ個別に予約した方がよさそうです.)
  • 11月8日(金)
    Basel SBBに7:00に集合.ICEでヴュルツブルグへ向かい,普通列車に乗り換えマイニンゲンへ
    マイニンゲン到着は13:32を予定.(マイニンゲンまで各自で向かうことも可能.その場合,集合は工場入口にて13:30.)
    Meiningenにて工場見学(ガイド付)の後,01 202牽引の特別列車にてWürzburgへ
    Meiningen 発16:30
    Schweifurt 着18:15(乗降可)
    Würzburg  着20:00
    予約(8日のみ参加する場合):fahrten@dampflok.ch(料金:30€)
  • 11月9日(土)
    01 202と01 150の重連牽引による特別列車:
    Würzburg - Schweinfurt - LIchtenfels - Neuenmarkt - Hersbruck - Nürnberg - Heilbronn
    (勾配区間:Marktschorgast - Neuenmarkt)
    予約(9日のみ参加する場合):IGE-Eisenbahn-Erlebnisreisen
  • 11月10日(日)
    01 202と01 150の重連牽引による特別列車:
    Heilbronn(7:30発) - Ulm - Laupheim-West - Radolfzell
    (勾配区間:Geislingen an der Steige - Amstetten)
    予約(10日のみ参加する場合):IGE-Eisenbahn-Erlebnisreisen
  • 11月11日(月)
     01 202協会のメンバー始め,ファンは無料で乗車ができますが,席に限りがあるので,予めこちらからメールで申し込みます.
    Schaffhausen 発 12:42
    Bülach 発 13.12 (乗降可)
    Zürich Seebach 発 13.25 (乗降可)
    Wettingen 発 13.45 (乗降可)
    Olten 発 14.24 (乗降可)
    Solothurn 発 14.53 (乗降可)
    Lyss 着 15.41
(以上,Verein Pacific 01 202, Eisenbahn Erlebnisreisen, Zermatt Rail-Travelによる共催)


2. リス発着SL列車による周遊旅行

フライヤーのダウンロードはこちらから.また,オンライン予約はこちらからどうぞ.予約無し乗車券の購入は,Reisebüro Treff(Hirschenplatz 1, Lyss)にて可能(11月15日より)
  •  11月16日(土),17日(日)
     ルート:Lyss - Bern - Gümmenen - Kerzers - Aarberg - Lyss
    第1列車: Lyss 発 09:51  Lyss 着 11:09 (17日のみ運行)
    第2列車: Lyss 発 12:51  Lyss 着 14:09 (16日,17日共運行)
    第3列車: Lyss 発 14:51  Lyss 着 16:09 (16日,17日共運行)
     料金:大人 - 40 フラン,子供(16歳まで) - 10 フラン

3. モントルーのクリスマスマーケット

フライヤーのダウンロードはこちらから.また,オンライン予約はこちらからどうぞ.
  • 11月23日(土)
  • Lyss 発 12:45
    Bern 発 13:03 乗車のみ可
    Lausanne 発 14:48 Lausanne,Ouchy間は地下鉄利用
    Ouchy 発 15:30 外輪船"Vevey"でモントルーへ
    Montreux 着 16:45
    Montreux 発 19:10
    Lyss 着 21:22

4. The Alpine Steam Express

The Railway Touring companyが主催する英国発着の豪華なスイス周遊旅行です.といっても,ロンドンからチューリヒ迄はユーロスターとTGVを使います.

日程は,2014年1月14日から21日迄の1週間.その中で,1月18日と19日の2日にわたって01 202が英国からのお客様をスイスの大自然の中へご案内します.なお,18日と19日のどちらか,または両日のみの参加も可能です.予約は,The Railway Touring companyのサイトからどうぞ.

下の地図は,それぞれ01 202による牽引が予定されているルートで,上から18日,19日の順に記載しています.18日は,リスからベルン,フリブール,ピュルドゥー,ヴェヴェー,モントルーを経由しブリーグに向かいます.翌19日は,ブリーグからサン・モーリス,ル・ブルヴレ,ローザンヌ,ヌーシャテル,ビールを経由し,再びリスへ戻ります.




これ以降の来年の01 202の運行予定は,Verein Pacific 01 202のスケジュール表をご覧下さい.(2013年12月28日のヌーシャテル行きツアーを含め,詳細が確定していない運行が多数予定されています.)

ところで,アルペンSL急行が2日にわたって通過するブリーグ,ローザンヌ間のシンプロン線は,スイスでも特に沿線の風景が美しい路線のひとつですが,2015年には新しい信号システム(ETCS: Euro Train Control System)が導入され,運転手は,運転席のスクリーンに表示される信号を見て運転するようになります. つまり,従来の線路端の信号機はなくなるわけです.そうなると,鉄道ファンにとってたいへん残念なことに,この路線を走る蒸気機関車および新信号システムが装備されない保存車両の走行は不可能となり,来年2014年は,01 202も含め,さまざまな保存車両の見納めの年となります.(Euro Train Control Systemについては,Wikipediaのこちらのページ(日本語)をご覧下さい.ブリーグ,ローザンヌ間の新信号システム導入については,こちら,あるいはこちらをご覧下さい.(ドイツ語))

最後に少し,01 202のことについて.同じく今年復活した01 150同様,2気筒のパシフィックで,EDV(電算処理)番号は 001 202-1です.*3) 東ドイツ国鉄による改造機01.5などに比べて01の初期の形状をある程度残しています.(大きな屏風のようなヴァグナー式除煙板に替わって,ドイツの蒸気機関車の"耳"であるヴィッテ式除煙板が装着され,エプロン部は旧西ドイツ国鉄車両の仕様に従ってカバーが取り除かれていますが.)製造されたのは1935年.1973年に一旦廃車されましたが,1975年にベルン近郊のミュンジンゲンに移され保管されていました.その後,1991年から修復作業が行われて2003年に復活し,スイスで運行される多くの特別列車の牽引に活躍しています.最高速度は130 km/h.軸重は19.9トン.動輪直径は2000 mm.緩衝器を含めた全長23940 mm.指示馬力は2240 PSiです.ドイツのアインハイツ機関車という帝国鉄道(DRG)時代に開発された機関車の中でも代表的な急行旅客用機です.(以上,こちらのページのデータを参考にしました.)

最後に01 202協会が提供している動画をお楽しみください.(2010年8月22日に運行されたリス発着周遊列車)






*1) 少なくともシーフェエーベネにおける重連は,恐らく,後日,ドイツ南西放送局(SWR)の番組"Eisenbahn Romantik"でリポートされるのではないでしょうか.そうなれば,インターネットを通じて日本でも視聴ができるのでありがたいのですが.なお,2010年にドイツ鉄道開業175周年を記念してドイツ全国を巡るSL特別列車が運行されましたが,シーフェエーベネの通過の際には前補機に23形,主務機01.5型(オーストリア鉄道歴史協会所有),そして後補機38形による推進牽引でした.その模様が,南西放送の番組"Eisenbahn Romantik"の2011年1月6日放送分に収録されています.(再生開始後およそ10分過ぎごろから.)
*2) スイス国内でのみ販売されています.詳しくは,SBBのこちらのページをご覧下さい.
*3) 01 150のEDV番号は,001 150-0.こちらも三桁の形式番号+三桁の製造番号のEDV番号が与えられているということは,01 202とともに旧ドイツ連邦鉄道(西ドイツ国鉄)所有の機関車だったようです.ご参考迄に,旧東ドイツ国鉄が蒸気機関車に与えていたEDV番号は,03 2155-4のように二桁の形式番号+四桁の製造番号でした.なお,EDV番号で製造番号の後ろに付けられた一桁の数字はセルフチェックディジットです.

Saturday, 26 October 2013

LNER A4形蒸気機関車が牽引する列車の今後の運行予定

今年は,マラード号が蒸気機関車としての世界最高記録を樹立してから75周年にあたるため,世界に現存する同形機6両が英国のヨークにある国立鉄道博物館に集結しました.そして,本日10月26日から来月8日迄,大ホール内の転車台の周りに勢揃いして訪れる鉄道ファンの目を楽しませてくれます.今回,集結した6両とは以下のとおり.(なお,来年2月頃迄,6両同時に見る機会があるようです.詳しくは,国立鉄道博物館のサイトでご確認ください.また,UK Railtoursも特別なツアーを企画しているようです.)*1)

LNER番号 国鉄番号 愛称 所有 状態
4464 60019 Bittern 個人所有(UK) 動態保存
4468 60022 Mallard 国立鉄道博物館(UK) 静態保存
4488 60009 Union of South Africa 個人所有(UK) 動態保存
4489 60010 Dominion of Canada カナダ鉄道博物館(カナダ,モントレオール) 静態保存
4496 60008 Dwight D. Eisenhower 国立鉄道博物館(米国,ウィスコンシン州,Green Bay) 静態保存
4498 60007 Sir Nigel Gresley The Sir Nigel Gresley Locomotive Preservation Trust Ltd(UK) 動態保存
(表中のデータは,WikipediaのLNER Class A4およびRail.co.ukのこちらのページに基づいています.)

話しを運行スケジュールへ進める前に,簡単にA4形の諸元を紹介しますと,UIC表記では2'C1' h3.つまり3気筒のパシフィックエンジンです.動輪直径は2032 mmとドイツの01や03などの急行用機の2000 mmよりわずかに大きく,最高速度は140 km/h.そして,1938年7月3日にマラード号によって樹立された世界最高記録は126 mph(202.8 km/h)です.この記録は,公式にはドイツの05 002(2'C1' h3,動輪直径は2300 mm)による先行記録の200.4 km/hを上回りますが,マラード号が当該の速度に達したのは下り勾配だったため,それを理由にその世界最高記録を疑問視する向きもいます.それでも牽引していた列車の重量では,05 002の197トンに比べてマラード号は240トンとハンディがあったとマラード号側は主張します.差異が微妙な数値のためにこうした議論がなされると思うのですが,見方によっては,どこか微笑ましいものを感じてしまいます.なお,元英国放送局のプレゼンターStan LaundonさんのサイトにはA4形の素晴らしい写真がたくさん掲載されています.ファンの方には一読をお薦めします.

さて,このように今年,英国の保存鉄道シーンにおいて話題の中心となったA4形の今後の運行日程から今年末まで確定しているものを紹介します.(すべてメイン・ラインの運行です.なお,牽引機が変更される場合があります.塗装は,Union of South Africaが緑,BitternおよびSir Nigel Gresleyがマラードと同じ青です.)

まず,Steam Dreamsが企画するツアーで確定しているものは, 以下の1本ですが,スケジュール表をみると,TBC(要確認)と記載されたものが多く有るので,おそらくほかにも何本か有ると思われます.日本からの予約は,スケジュール表において希望する列車が記載されている列の右端の"Select"ボタンを押して,案内に従って必要事項を入力します.

  • ヨークのクリスマスマーケットを訪ねるツアー(日帰り)
    運行日:12月19日(木)
    運行経路:ロンドンからヨーク往復
    牽引機:60019(Bittern)

下は,Steam Dreamsの2013年冬用のオンラインパンフレットです.来年の運行予定も含まれています.


こちらのパンフレットは,2014年以降のツアーに関するものです.


次に,Railway Touring Companyが企画するツアーですが,主にUnion of South Africaが牽引するようです.日本からの予約は,リンク先の各ツアーのページの下にある"Book this tour online"の下の"CLICK HERE"ボタンをクリックして,表示される書式に必要事項を入力します.以下はいずれも日帰りツアーですが,来年の4月26日から5月4日にかけて開催される列車による周遊旅行"Great Britain VII"では,5月1日のエディンバラ,インヴァーネス間,そして3日のアヴァーディーンからエディンバラ間においてUnion of South Africaの牽引が予定されています.

  • The Tynesider
    運行日:11月23日(土)
    運行経路:ロンドンからニューキャッスル往復
    牽引機:60019(Union of South Africa)
  • The Christmas White Rose
    運行日:11月30日(土)
    運行経路:ケンブリッジからヨーク往復
    牽引機:60019(Union of South Africa)
  • The Lindum Fayr
    運行日:12月7日(土)
    運行経路:ロンドンからリンカーン往復
    牽引機:60019(Union of South Africa)
  • The York Yuletide Express
    運行日:12月12日(木)
    運行経路:ノーウィッチからヨーク往復
    牽引機:60019(Union of South Africa)
  • The Christmas White Rose
    運行日:12月14日(土)
    運行経路:ロンドンからヨーク往復
    牽引機:60019(Union of South Africa)
  • The Christmas Yorkshireman
    運行日:12月21日(土)
    運行経路:ロンドンからヨーク往復
    牽引機:60019(Union of South Africa)

下は,Railway Touringのオンラインパンプレッとです.今年の運行予定に関するものです.


話は,A4から離れますが,ハリーポッターの映画で有名になったLoch Nan Uamhの入り江の鉄道橋を走る蒸機牽引列車についての情報は,West Coast Railways のこちらのページをご覧下さい.

Let's enjoy great steam tours !




*1) 宿泊予約は,地元の経済を助ける意味で,できれば地元観光局が運営するサイトVisit York.orgから行うことをお薦め致します.(Booking.comやHotels.com,あるいはExpedia.comなどよりかなり安く宿泊できる場合もあります.英国の他の観光地についても同様です.visit xxxxxx.orgのxxxxxxの部分に宿泊希望地を入れて検索すると表示されます.)

Friday, 25 October 2013

日本のアマゾンでも購入可能なドイツの鉄道カレンダー

試しに,amazon.co.jpで"Eisenbahn Kalender"(鉄道カレンダー)というキーワードで検索したところ,驚いたことに多数の商品が表示されました.実は,暫く前に,ある方に世界の鉄道シーンを集めた曜日無しの日めくりカレンダー(飽きない限り,半永久的に使用可能)を紹介したのですが,購入の仕方を尋ねられ,出版元がドイツ所在のため,日本で購入する場合は洋書を扱う書店に取り寄せてもらうしかないかもしれませんと申し上げました.それが気になっていて,今回,日本のアマゾンに在庫を確認してみたのですが,それも日本で購入可能であることがわかりました.ご興味をお持ちになりましたら,"Faszination Eisenbahn"で探してみてください.ISBN番号は,以下のとおりです.
  • ISBN-10: 3862451062
  • ISBN-13: 978-3862451067
なお,撮影者であるUwe Mietheさんの写真を使った同じタイトルの2014年のカレンダーも日本のアマゾンで購入が可能ですが,個人的にお薦めしたいのは先にご紹介したほうです.

なお,卓上カレンダー全般に限っていうと,どちらかというとドイツのアマゾンが販売しているもののほうが質的には高いような気がします.(例えば,GEOのカレンダーなど)あくまで好みの問題ですが...お時間がありましたら,amazon.deで"tischkalender spiralbindung"(リング綴じ卓上カレンダー)などと言う言葉で検索してみてください.また,365枚の異なる写真で構成された日めくりカレンダーは,"tischkalender 365 tage"(卓上カレンダー 365日)という言葉で検索すると表示されます.

Thursday, 24 October 2013

開催中のパリの美術展から - Le Mondeによるセレクション

Le Mondeによると,以下の展覧会が観る値打ちがあるとのことです.なお,1., 6., 8は特に混雑が予想されますので,なるべく予約をした上でお出かけください.(予約無しで行った場合,寒い中,外で何時間も待たされる可能性があります.)


1. "Frida Kahlo-Diego Rivera. L'Art en fusion"
場所:オランジュリー美術館,place de la Concorde, Paris 8e
入場料:7.5〜10€
期間:開催中.2014年1月13日迄

メキシコの画家フリーダ・カーロ・ディエゴ・リヴェラの作品の展覧会.主な展示作品はこちらのギャラリーでご覧になれます.

2. "Europunk"
場所:la Cité de la musique, 221, avenue Jean-Jaurès, Paris 19e
入場料:7.5〜10€
期間:開催中.2014年1月13日迄



3. "Pasolini Roma"
場所:シネマテーク,51, rue de Bercy, Paris 12e
期間:開催中.2014年1月26日迄

詩人,小説家,そして映画監督ピエル・パオロ・パゾリーニにとって情熱が意味するものを探ります.

4. "Erwin Blumenfeld (1897-1969).写真,デッサン,モンタージュ"
場所:Jeu de paume, 1, place de la Concorde, Paris 8e
入場料:13€
期間:開催中.2014年1月26日迄

アーウィン・ブルーフェルトの回顧展です.

5. "Kanak. L'art est une parole"
場所:Musée du quai Branly, 37, quai Branly, Paris 7e
期間:開催中.2014年1月26日迄

ニューカレドニアのカナクの民族芸術.

6. "ルネサンスの春.15世紀フィレンツェの彫刻と芸術"
場所:ルーブル美術館,ナポレオンホール,Paris 1er
入場料:13€
期間:開催中.2014年1月6日迄

この時期の展覧会の中の目玉のひとつ.15世紀のフィレンツェで製作された,様々な素材から作られた500もの彫刻が展示されています.作者は,ブルネルスキ,ギベルティ,ドナテルロ他.

7. "アンコール,神話の誕生.ルイ・ドゥラポルトとカンボジア"
場所:ギメー美術館,6 place d'Iéna, Paris 16e
入場料:7〜9.5€
期間:開催中.2014年1月13日迄

アンコールワット遺跡のレリーフ等の展示.主な展示作品はこちらのギャラリーでご覧になれます.

8. "ジョルジュ・ブラック"
場所:グランパレ,Champs-Elysées, Paris 8e
入場料:12€
期間:開催中.2014年1月6日迄



9. "1925年,アールデコが世界を魅了した"
場所:Cité de l'architecture et du patrimoine,1, place du Trocadéro, Paris 16e
入場料:6〜12€
期間:開催中.2014年2月17日迄

主な展示作品はこちらのギャラリーでご覧になれます.

10. "国立図書館にアステリックスがやって来た!"
場所:国立図書館,quai François-Mauriac, Paris 13e
入場料:5〜7€
期間:開催中.2014年1月19日迄

それと,Le Mondeの当該の記事では紹介されていませんでしたが, 現代美術の展覧会Fiacが10月24日から27日までグランパレを主会場として開催されます.詳しくは,Fiacのサイトをご覧下さい.下は,L'EXPRESS誌のサイトに掲載されたFiacの映像です.

Wednesday, 23 October 2013

一度見たかった旧ハンブルグ・アルトナ機関区の複式転車台

ドイツ語ではDoppeldrehscheibe(Doppel=Double, Drehscheibe=Turntable)というようですが,その昔,ドイツのハンブルグ・アルトナ機関区(Bahnbetriebswerk Hamburg-Altona)にあった設備です.まずは,こちらの写真をご覧下さい.(画面右上の写真をクリックすると,51枚の貴重な写真で綴られた無類の巨大機関区の歴史のスライドショーが始まりますが,ドイツのSLとしては最高速度を記録した05 002や,1972年までハンブルグ,ヴェスタランド間の急行列車の牽引に活躍した012形(重油燃焼式に改造された三気筒パシフィック機01.10に新しく付けられたEDV形式番号)などのショットが含まれています.)

始めはプロイセン国鉄に所属していたこの機関区は,1895年の開業以来ドイツ最大の機関区のひとつで,合計57両の機関車を収容出来る二つの扇形車庫と各16 mの互いに独立した転車台二基がありましたが,1924年にドイツ帝国鉄道に吸収されてから4年後の1928年にはそれぞれのサイズが23 mに変更されたため,このような瓢箪のような形になったのでした.(二つの回転部分がぶつかるとたいへんなので,使用するときは気をつけないといけませんが.)

さらに驚いたのは,こちらの動画で紹介されているように,これをZゲージのサイズで再現してしまったマニアの方がおられるということです.コンピュータ制御で操作されているそうです.

なお,このドイツでは他に見られない形の転車台は,残念ながらすでに撤去されています.(互いに独立した転車台および扇形車庫が隣接する例としては,ノイエンマルクト機関区などがありました.)

NSAのサイバー空間における情報収集の仕組み(フランス語版ビデオ)

Le Mondeに掲載されていたビデオですが,ようするに,NSAはUPSTREAMとPRISMという道具を用いて,世界中の電子メールやソーシャルネットワークにおけるやりとりの内容を自由に知ることができるということのようです.(クラウドサービスは便利で利用していますが,結局,アップロードしたものはなんでも見られてしまうということです.)サハロフ賞の候補にスノーデン氏に加えていたEUは,目下,NSAによる情報収集の魔の手からEU内のサイバー情報を以下に守るか検討しているそうです.しかし,メルケル首相の携帯電話まで盗聴するとは...



NSAがどのような方法で情報収集をしていたかの詳細については,SPIEGELの記事"Überblick: Was in der NSA-Affäre bisher enthüllt wurde"をご覧下さい.記事は,ドイツ語で書かれていますが,リンク先はたいていが英語圏のメディアです.ドイツもフランスもNSAによってしっかり監視されていたようですから,アメリカとEUの自由貿易協定の交渉の行方が気になります.いずれにせよ,アメリカがEUの首脳たちの信用をすっかり無くしたことは間違いありません.なにしろ,NSAのみならず国ぐるみで世界中の通信を盗聴していたのですから.(例えば,英国のThe Guardian誌の10月25日付の記事"NSA monitored calls of 35 world leaders after US official handed over contacts"をご参照ください.)


本ブログ内の関連ポスト:
"NSAによる要監視国のランク付けを示す地図";
"ベルリンのアメリカ大使館による盗聴の仕組み(SPIEGEL TV)";
"twitter上で流れるNSAの冗談画像"

80歳を迎えるタンタン

2014年は,世界中にファンを持つ少年レポーター,タンタンのシリーズ第1作が出版されてから80年目にあたります.出版元のカステルマンおよび作者エルジェの作品の管理および販売を行っているムランサールは,10月21日,2014年にエルジェとタンタンに関する特別なシリーズを共同編集し刊行すると発表しました.皮切りは"Les Cigares du pharaon"を特集したものになるとのこと.(2014年3月発行予定)その後,"Les Sept Boules de cristal", "Le Temple du Soleil"の特集が続くそうです.さらに,カステルマンとムランサールは,ベルギーのルヴァン・ラ・ヌーヴにある私設のエルジェ美術館(Musée Hergé)のスポンサーになることも発表されました.同館は,これまでに35万人を超える人が訪れています.

77もの言語に翻訳された『タンタンの冒険』("Les Aventures de Tintin")シリーズのこれまでの販売数は,2億3千万部以上.そして,スピルバーグ監督の作品"Le Secret de la Licorne"の公開以降,タンタンの本はコミックとしては最大の販売部数を記録しています.*1)

以上,10月21日付L'EXPRESSの"Casterman et Moulinsart coéditeront des inédits pour le 80e anniversaire de Tintin"からでした.

そういえば,エルジェがなくなった1983年は,フランスのメディアも彼を追悼する番組を放送しましたが,そのなかのある番組で実写版の映画でタンタン役を演じたジャン・ピエール・タルボへのインタビューが紹介されていました.そのなかでタルボは,オーディションのときの様子を始め,さまざまな思い出を語っていましたが,特に印象深かったのは,映画出演の数年後,彼が,確かベルギーを訪問した英国女王のパレードの衛兵として沿道に立っていたときのエピソードです.沿道に詰めかけた人々は,最初は通り過ぎる女王陛下に向かい"Vive la reine!"(「女王陛下万歳!」)と叫んでいたのですが,やがてタルボに気づき一斉に"Vive Tintin!"(「タンタン万歳!」)と叫び始め,おしまいには収拾がつかない騒ぎになってしまったため,結局,彼は上官から帰るように言われたそうです.*2)

(映画の中のタルボの画像は,"Jean Pierre Talbot"というキーワードで検索すると表示されます.)

*1) 2位は"Asterix"
*2) このエピソードの内容が正しい,つまり私の記憶が正確だとしますと,1966年にエリザベス女王がベルギーのブリュッセルとアントワープを訪れたときのことのようです.(Cf. List of state visits made by Queen Elizabeth II in Wikipedia)タルボがタンタン役で映画に出演したのが,1961年の"Tintin et le Mystère de la Toison d'or"と1964年の"Tintin et les Oranges bleues"でしたから,1966年というと,まさに人気が絶大になっていた頃でしょう.なお,最初の作品である"Tintin et le Mystère..."に出演したときの彼の年齢は17歳でした.

Tuesday, 22 October 2013

Joyeux anniversaire, notre éternelle vedette!

今日,2013年10月22日はカトリーヌ・ドヌーブの70歳の誕生日.L'EXPRESSが選んだ10のシーンによって振り返る彼女の足跡です.ギャラリーへのアクセスはこちらから.もうひとつの15枚の写真を含むギャラリーはこちらです.

Monday, 21 October 2013

鉄道ファンのための便利メモ(II)- ドイツSLのナンバープレート表記

これまで,いくつかのポストでドイツの蒸気機関車についてあれやこれや乱文を書き綴って参りましたが,ここで少しまとめてみたいと思います.ドイツSLのファンの方や興味をお持ちの方に僅かでもお役に立てばさいわいです.なお,既に公開した関連のポストは,右側のラベルによる抽出ウィジェットの"Steamphile's Life"をクリックしていただければ一覧が表示されますので,お好きなものを選んでご笑覧ください.また,保存されている蒸気機関車のリストについては,Wikipediaのこちらのページをご覧になるか,こちらのサイト(ドイツ語)をご覧下さい.

1. 蒸気機関車の種類

日本はもちろん,どこの国でも似たようなものだと思いますが,大きく分けて炭水車を持ったテンダー機関車と本体に水タンクや石炭庫が設置されているタンク機関車があります.ドイツ語では,前者はLokomotive mit Schlepptender,後者はTenderlokomotiveと呼ばれます.英国式に慣れている私たちにとっては,不思議な呼び方ですが,ドイツの専門サイトでも,この呼称は間違いのもとであるといった解説がされている場合があります.なお,異なる言葉をつなげて新しい言葉をつくってしまうドイツ語では,Lokomotive mit Schlepptenderが,Schlepptenderlok(omotive)と呼ばれることもまれにあります.

1.1. 形式番号による区別

テンダー機関車であるか,タンク機関車であるかは,実物を見ればすぐにわかりますが,その機関車が本来どのような目的のために開発されたものなのかを示すが形式番号(Baureihe)で,以下のような仕組みになっています.これは,1926年にドイツ帝国鉄道(DRG: Deutsche Reichsbahn Gesellschaft)によって採用されたシステムですが,まずは基本としてこちらを知っておくと便利です.後に述べるように,EDV番号導入後は変更もありますが,現存する車両の中にはEDV番号ではなく,この表に従った表記のままのものも多く存在しています.*1) なお,下表中の統一規格型*2)というのは,1925年から第二次世界大戦終結までにドイツ帝国鉄道で製造された機関車のことで,統一された規格に基づいて設計されたものです.*3) 同じく旧領邦鉄道型というのは,1920年にプロイセンやザクセン,あるいはバイエルンといった各領邦によって運営されていた鉄道がドイツ帝国鉄道に吸収されるまでに,それぞれで使われていた機関車です.代表的な例としては,急行旅客用の18.4形がありますが,wikipediaのこちらのページを見ると判るように,例えばバイエルン国鉄における形式はS 3/6でした.*4)

そして,種別というのは,通常目にする形式番号の他に種別番号(Betriebsgattung)というものが存在しているのですが,その前に置かれる文字です.*5)

形式番号用途種別
01 – 09急行用テンダー機関車(DRG統一規格型)S
10 – 19急行用テンダー機関車(旧領邦鉄道型)S
20 – 29旅客用テンダー機関車(DRG統一規格型)P
30 – 39旅客用テンダー機関車(旧領邦鉄道型)P
40 – 49貨物用テンダー機関車(DRG統一規格型)G
50 – 59貨物用テンダー機関車(旧領邦鉄道型)G
60 – 69旅客用タンク機関車(DRG統一規格型)Pt (St)
70 – 79旅客用タンク機関車(旧領邦鉄道型)Pt
80 – 89貨物用タンク機関車(DRG統一規格型)Gt
90 – 96貨物用タンク機関車(旧領邦鉄道型)Gt
97標準軌用アプト式機関車Z
98局地用機関車(旧領邦鉄道型)L
99狭軌用機関車
狭軌用アプト式機関車
K
Kz

上の表のすべてを覚えるのは煩わしいので,とりあえずは,形式番号の最初の数字が0を含めて偶数の場合がドイツ帝国鉄道時代に開発された新しいタイプ,同じく奇数の場合が旧領邦鉄道時代に開発された旧いタイプであることを覚えておくと便利です.これらの形式番号に製造番号を加えたものが,私たちがよく目にするナンバープレート表記ですが,同一の形式でもいくつかの異なるバージョンが存在する場合,製造番号で区別されることがあります.*6) また,車両によっては,01 0509-8のように,製造番号の0509の後ろにさらに8が付記されている場合がありますが,これはEDV(電算処理)番号と呼ばれるもので,8はセルフチェックディジットと呼ばれる数です.*7) EDV番号は,西ドイツの連邦鉄道(DB)では1968年に,東ドイツ国鉄においては1970にそれぞれ導入されましたが,前述したように,現存する全ての機関車のナンバープレートに表記されているわけではありません.EDVが導入されたことにより,二つのドイツの鉄道会社において蒸気機関車の形式番号に若干の変更が生じましたが,まとめるとおよそ以下のとおりです.

まず,西ドイツの連邦鉄道においては,形式番号および製造番号がそれぞれ3桁ずつになり,また,同じ形式でも燃焼方式などが異なるものには新しい番号が与えられました.例えば,重油燃焼式の44には043,同じく41には042といった具合です.同様に,急行旅客用機01の3気筒ヴァージョンである01.10においては,石炭燃焼機は011へ,また重油燃焼機は012へといった変更が行われました.(2気筒の01は,001へ変更.)このように,EDV番号の導入を機に形式の細分化が実施されたと言えます.これは,次に見る東ドイツ国鉄においても同様です.なお,ナンバープレートに上述のセルフチェックディジットが付記されている場合は,その番号はもちろんEDV番号ですが,逆に,042や012といった新たな形式番号がセルフチェックディジット無しで表記されるケースはありません.

ところで,051形や052形,さらに053形といった形式番号を持つ車両がありますが,これらは全て戦後の西ドイツ国鉄だったDBがEDV(電算処理番号)を導入した際にDBにおいて現役だった1452両の旧50形に割り当てられた番号であり,それぞれ別形式の機関車を表すものではありません.変更の理由は,DBのEDV番号では,形式番号も製造番号もそれぞれ3桁に定められたからです.例えば,旧番号で50 1001は051 001,同様に50 3000は53 003と言った具合に変更されました.なお,言うまでもありませんが,1942年に製造が始められた戦時形機関車52形は,50形をベースに開発された形式ですが,当時はもちろんEDV番号ではなく帝国鉄道の形式番号が使われていたため最初に0が付いていません.そのため,52形は独立した形式であって上記の052形とは異なります.そして,52形は,DBにおいてはEDV番号導入時すべて廃車されていたので,EDV番号が付けられたDB所有の52形は存在しません.もし052と書かれたナンバープレートを持った機関車を見かけることがあったら,それは50形につけられたEDV番号と理解してください.*8) なお,50形の変わり種としてフランコ・クロスティ式ボイラーを備えた50.40形式*9)がありましたが,これらの車両もEDV番号導入時,すでにすべてが廃車されていたため,054という形式番号も存在しません.

次に,東ドイツ国鉄におけるEDV番号ですが,西ドイツ国鉄とは異なり形式番号は2桁,製造番号は4桁になりました.そして,形式番号について以下の変更が実施されました.これは,1970年のEDV番号導入と同時に実施されたディーゼル機関車と電気機関車の形式番号の変更に伴う措置で,この変更によって前者が1で,また後者が2で始まる数字に置き換えられたため,それらとの混同を避けるためでした.(何故かDBと逆.)
  • 18→02
  • 19→04
  • 22→39
  • 23→35
  • 24→37
そして,製造番号については,標準軌用重油燃焼式の場合は0が,石炭燃焼式の場合は1から8迄が,そして粉炭燃焼機で自動給炭装置付の場合は9が最初に付記されるようになりました.例えば,01 0509であれば,EDV番号導入以前は01 509で,重油燃焼式の車両であることから製造番号は0509となったわけです.*10) 実は,この変更のおかげで,場合によっては本来の製造番号自体に変更が生じてしまった車両もありました.*11) 

また,50形についてですが,上述したDBのようにEDV番号導入による形式番号の変更もなされませんでした.理由は,繰り返しますが,DRのEDV番号では形式番号は2桁,製造番号は4桁だったからです.DBと異なり,DRではEDV番号導入時,まだ多くの52形が活躍していましたが,EDV番号導入以降,それらのナンバープレート表記は,旧番号にセフルチェックディジットが加えられただけです.例えば,52 2850-7といった具合です.最後に,これまで50形について述べたことをまとめると,旧領邦鉄道の機関車でドイツ帝国鉄道(DRG)の所有となったものも含め,戦後東西ドイツ国鉄時代に至るまで,51,53という形式番号(Betriebsnummer)は存在しませんが,DBの車両としてEDV番号導入以降,051,052,053という番号を持つものは存在します.しかし,これらはすべて旧50形であり,各形式番号が改造等の仕様の変更を意味するものではありません.*12) なお,混乱させるのを恐れずに書き添えますと,東ドイツ国鉄において,50形については50.35形*13),また,52形については52.80形*14)というそれぞれの改造形式が存在します.さらに,DRには戦後の新規開発機関車(Neubaulok.)として50.40形が存在しますが,これは前述のフランコ・クロスティ式ボイラーを備えた形式とは別の機関車です.(戦後の貨物用機不足を補うために開発された1'E h2タイプで軸重は15 tでした.)

なお,上掲表の一番下に記した99ですが,ドイツの蒸気機関車のうちで狭軌用のものはすべてこの番号を持っています.ただ,狭軌と言っても複数のサイズが存在するため,どの軌間用の機関車なのかを示したのが製造番号の最初の2桁で,1926年,帝国鉄道により以下のように設定されました.(600 mmは,想定されていませんでした.)
  • 9900 - 9929 : 1000 mm
  • 9930 - 9939 :   900 mm
  • 9940 - 9949 :   785 mm
  • 9950 - 9979 :   750 mm
なお,現在でも多くの狭軌用機関車が活躍するザクセン州などの旧東ドイツ領内の車両は,東ドイツ国鉄がEDV番号を導入した1970年以降,以下のように同国鉄の方式によるEDV番号(2桁の形式番号+4桁の製造番号+ハイフン+1桁のセルフ・チェック・ディジット)の製造番号の最初の1桁を見るとゲージの幅が判る仕組みになっています.(括弧内は,元の所属先です.)
  • 1000 - 1999 :  750 mm(DRG/DR)
  • 2000 - 2999 :  900 mm(DRG/DR)
  • 3000 - 3999 :  600 mm(私鉄)
  • 4000 - 4999 :  750 mm(私鉄)
  • 5000 - 6999 : 1000 mm(私鉄)
  • 7000 - 7999 : 1000 mm(DRG/DR)
ところで,ナンバープレートの読み方ですが,通常,形式名と製造番号は二桁区切りで読まれます.41 1144の場合,41-11-44と言った具合です.また,EDV番号(電算処理番号)導入後の西ドイツ機では形式番号,製造番号ともに三桁ですが (012 077-4のように.なお,末尾の4はセルフチェックディジット),その場合は,それぞれ最初の一桁,残りの二桁の順です.つまり0-12-0-77というように読みます.(セルフチェックディジットは通常読まれません.)

1.2. UIC表記による区別

すでに別のポストで扱いましたが,内容がまとまりのないものとなってしまったため,ここで改めてご案内します.

蒸気機関車の種類のもうひとつの表記方法はUIC表記とも呼ばれているもので,日本でも簡素化したものが用いられています.急行旅客用テンダー機関車である03.10形を例にすると,UIC表記で正確に記すと2'C1' h3vとなります.ここで,最初の2は先輪と呼ばれる車輪の軸数,次のアルファベットのCは動輪の軸数,そして最後の1は従輪と呼ばれる車輪の軸数を表しています.先輪と従輪の軸数の後ろのダッシュは,それぞれの車輪がカーブに沿って方向を変えることができることを示しています.さらにその後ろのhは加熱蒸気を用いることを示し,数字の3は気筒数,そしてvは複式,つまり一度シリンダーを動かすために使用された蒸気がもう一度別のシリンダーを動かすために使用されることを示しています.このほかに覚えておくと便利な文字は以下のとおりです.*15)
  • Coのように,動軸数を表すアルファベットの後ろに下付きでアルファベットのoが記されている場合は,各動輪軸が独立した発動機によって回転されることを示しています.
  • n: 飽和蒸気式
  • t: タンク式
少々複雑な例を挙げると,現在でもかなりの数の車両が動態保存されている旧ザクセンIV K形(DRの99.51-60)ですが,UIC表記ではB’B’ n4vとなります.これは,この機関車には遊輪がなく,動輪のみであるということ,そして2軸の動輪のセットが2組あり,それぞれが台車に固定されているためカーブにそって向きを変えることができ,飽和蒸気を使用して4本のシリンダーを複式で動かすということを表しています.*16) 

2. 性能についてのデータ

Wikipediaで各形式の項目を見るのが最も手軽な方法です.ほとんどの場合,ドイツ語のほかには英語でしか書かれていませんが,基本的なデータは性能緒元表に判り易く記載されています.なお,Wikipediaでお目当ての機関車についての項目を見つけるには,"Baureihe(または,BR)01"などと入力します.以下,ご参考迄に主な項目の日本語と英語の訳を挙げます.

  • Anzahl/製造両数/Quantity
  • Baujahr(e)/製造年/Year(s) of manufacture
  • Ausmusterung/退役(年)/Retired
  • Länge über Puffer/緩衝器を含めた全長/Length over buffers
  • Dienstmasse/運転整備重量/Service weight
  • Radsatzfahrmasse/動軸重/Axle load
  • Höchstgeschwindigkeit/最高速度/Top speed
  • Indizierte Leistung/指示出力/Indicated Power
  • Treibraddurchmesser/動輪直径/Driving wheel diameter


以上の内容は,出典(リンク)を示した場合を除き,Selktalbahnのサイトが提供している情報に基づいています.

*1) 例えば,バイエルン州の技術記念車両に指定されている41 018は,重油燃焼式に改造されたためEDV番号は042 018-2のはずですが,ナンバープレートは改造前の番号を記したものがつけられています.同様にラウジッツァーSLクラブ所有の23 1019も,EDV番号は35 1019-5のはずですが,ナンバープレートは旧い番号の23 1019のままです.さらに,ウルム鉄道友の会所有の01 1066(3気筒重油燃焼式)も012 066-7というEDV番号が与えられているのですが,ナンバープレートの表記は01 1066のままです.
*2) Einheitsdampflokomotive,あるいはEinheitslok.英語ではStandard loc.と訳される場合もあるようですが,正確にはStandardized loc.と言うべきでしょう.
*3) 例を挙げれば,01, 02, 03, 04, 41, 43, 44には同じ種類のテンダーを組み合わせることができました.こうしたアインハイツロコの開発に取り組んだのが,ヴァグナー式除煙板で有名なリヒャルト・フェリックス・パウル・ワーグナー(Richard Felix Paul Wagner)です.(ドイツの保存機関車のほとんどは,フリードリヒ・ヴィッテが考案したヴィッテ式除煙板が装着されていますが,
戦時形の52以降,視界を妨げるといって不評だったヴァグナー式に換わり,ドイツの蒸気機関車の標準的なパーツとなっています.)領邦鉄道がドイツ帝国鉄道に編入されたのが1920年ですが,当時210もの異なる形式が存在し,交換部品にはもちろん統一した規格等存在していませんでした.そうした混沌たる状況を解消するために規格の統一化が計られたのでした.詳しくは,WikipediaのEinheitsdampflokomotiveのページをご覧下さい.日本でも同様の状況が,明治30年代,既存の私鉄の国有化が実施されたときに出現しました.そのとき,ヴァグナーと同じ役目を果たしたのが,当時の鉄道省技師島安次郎です.(Cf. 橋本 克彦 著『日本鉄道物語』(講談社文庫),講談社,1993年,pp127ff)
*4) Sは,Schnellzuglok(急行旅客用機関車)の頭文字.3は動輪軸数,6は総車軸数.なお,旧領邦鉄道所属の機関車のドイツ帝国鉄道での形式番号についてはWikipediaのこちらの項目をご覧下さい.
*5) 例えば,03.10の種別番号はS 36.18ですが,最初のSは急行用,3は動輪軸数,6は総車軸数(=パシフィックと呼ばれる2C1),そしてピリオドの後の18は動輪の軸重(トン)を表しています.Wikipediaの各形式について説明したページのデータのなかのGattungというのがこの番号です.(英語版ではType)
*6) 代表的な例では,2気筒の01と3気筒の01.10といった具合です.具体的には,現役の急行旅客用スターエンジンの1両である01 1066は3気筒であるのに対し,今年の5月に復活した01 150は2気筒です.同様に細身のシルエットの03も現役の03 1010は3気筒で,形式表記は03.10,あるいはピリオド無しで10を上付数字で記します.こんな風にです.
0310 03 1010はHalleの鉄道博物館にて動態保存されています.)
*7) セルフチェックディジットについて,詳しくはこちらのポストをご覧になるか,Wikipediaのこちらの項目をご覧下さい.
*8) Obermayer, H. J., DB-Baureihe 50 Eisenbahn Journal Special 2 2013, pp68ff

*9) 実は,東ドイツ国鉄の新規開発機関車(Neubaulok.)にも50.40形が存在
*10) 01.5形は,東ドイツ国鉄による2気筒01の改造ヴァージョンで,Rekolok(=Rekonstruktionslokomotive)と呼ばれる機関車の一種ですが,改造時期が1962–1965とEDV番号導入以前の形式番号であり,EDV導入によって新たに設けられたものではありません.そのため,オーストリア鉄道歴史協会所蔵の01 533のように,EDV番号表記でないナンバープレートがついている車両もあります.また,2012年に復活した03 2155-4は,公式にはRekolokではありませんが,やはり東ドイツ国鉄によって改造された旧03形(ボイラー交換,混合給水加熱器の装着,ボイラーの上には砂箱と蒸気ドームのみ配置)で,改造されたのはEDV番号導入後の1975年ですが,改造前に与えられたEDV番号はそのままで変更はありませんでした.
*11) 詳しくお知りになりたい場合は,Wikipediaのこちらの項目をご覧下さい.
*12) 旧領邦鉄道の機関車で帝国鉄道に編入された車両の編入前後の形式番号については,こちらをご覧下さい.(ドイツ語が判らなくても,表なのでご理解いただけると思います.)また,同じサイトにドイツ帝国鉄道の形式が記載されているページもあります,どちらもとてもよくまとめられています.(メルセブルグ大学のサイト内)

*13) 50.35形の保存機として有名なものを挙げるならば,例えばオーストリア鉄道歴史協会が所有している50 3519ですが,毎年クリスマスにザルツブルグローカルバーンで運行されるクリスマス特別列車を牽引しています.ところで,同協会は,珍しいヴァグナー式除煙板を備えた(つまり,オリジナル仕様に近い)44形も所有しています.そして,下の写真は,2013年,ポーランドのウォルスティンで開催されたSL祭で見かけた52.80形です.
50形の改造形50.35のために開発された高性能ボイラー50 Eや新しいシリンダーが装着され,東独機特有のIfs(鉄道動力車両研究所)式混合予熱器が煙室上に設置された52.80形.運転台前面の楕円形の窓も特徴的です.出力も従来の52の1620 PSiと比べて1750 PSiと大幅に向上しました.
*14) 動態保存機としては,ドイツ国内ではマイニンゲンSL協会の50 3501(東ドイツ国鉄時代の改造機にも拘らず,何故かヴァグナー式除煙板やクノール式予熱器付き.1号機だから?)やザクセン鉄道博物館に所蔵されている50 3648などが存在しますが,2014の運行予定は今のところ判りません.現役の50.35も含め,そのほかのドイツの蒸気機関車(23,44,52など)を観たい場合は,9月6,7日にオランダのBeerbergenで開催が予定されているSL祭がお薦めです.(恐らく,現在,ヨーロッパで観ることができる唯一の三気筒01の動態保存機オランダSL財団の1075号機も参加すると思われます.)BeerbergenのVeluwsche保存鉄道に所蔵されている車両のリストはこちら(Wikipedia)からどうぞ.(「動態保存」 = "betriebsfähig")
*15) UIC表記について,詳しくはWikipediaのこちらの項目をご覧下さい.
*16) 99.51-60は,個人的にはドイツの狭軌用蒸気機関車の中で最も好きな形式で,元気に活躍している姿を一度見たいと思っているのですが,なかなか機会がありません.一度だけ,ドレスデン近郊のPressnitztalbahnを 訪れたことがありましたが,当日,惜しいことにボイラーが故障したのとのことでディーゼル機関車が代行を務めていました.なお,現役の機関車のナンバープ レートは,EDV番号表記となっていて,99 1542-2というように旧製造番号(542)の始めに軌間750 mmを表す1が付されています.

アメリカが進める核兵器の高性能化

2009年のプラハにおいて,オバマ大統領の演説は核兵器の無い世界への期待を膨らませました.さらに,今年の夏にはベルリンで,大統領は,ロシアが交渉に参加した場合,核兵器の数は現状より1/3少なくなると語りました.しかし,現実はこうした演説とは逆の方向へ進みつつあるようです.

以下,10月18日付ドイツのSPIEGEL誌の電子版の記事"Experten werfen US-Regierung Entwicklung neuer Atomwaffen vor"の内容の抜粋です.

アメリカの研究者たちのグループ"Union of Concerned Scientists (UCS)"は,アメリカの核軍備に関する報告書("UCS-Report"*1))を公開しました.それによると,現在,アメリカは既存の核兵器の保有のみに留まらず,実質的に新たな核兵器のシステムを開発しつつあるというのです.

アメリカ政府は,長い間,核兵器をめぐるジレンマに陥っていました.最後の核兵器が開発されたのは1990年,しかも用いられた技術は1970年代のものでした.1992年以降,アメリカは地下核実験を停止し,すべての核実験をコンピューターによるシュミレーションで行ってお り,核兵器の老朽化は着実に進んでいます.(アメリカが現在保有する 核弾頭の数は7700発以上.そのうち2150発がただちに使用可能(active)な状態.)こうした核兵器の性能および安定性を維持するためには,たいへんな額の予算が必要であることは間違いありません.しかし,実際にアメリカ政府が計上している予算の額を見ると果たしてそれだけが目的なのか疑問がわいてきます.今後25年間に,アメリカ政府は600億ドルを核兵器の近代化のために用いるとしていますが,この金額は,同じ期間にアメリカ政府が核兵器のために用いる予算のごく一部であるとも言っているのです.以下は,報告書が挙げている具体的な例ですが,いずれも結果的に当初の見積もりを大幅に上回る額が計上されています.

ロス・アラモスの国立研究所の化学および治金研究セクションへは,2004年において見積もられていた額の7倍から9倍に当たる37億から59億ドルの予算が支出され,新設のウラン加工工場の建設には6億から11億ドルが必要とされていましたが,それも今や75億ドルと言われています.さらに,航空機搭載可能のB61型核爆弾の近代化に必要とされる予算の額は,2010年には20億ドルが担当官庁であるエネルギー省から要求されていましたが,その後40億ドルへと増額され,2012年にはさらに70億ドルという声も聞こえてきています.

最後に挙げたB61型核爆弾の使用期間の延長については,すでに長い間批判の対象となっていて,ヨーロッパに配備されたこの兵器は,今や全く役に立たない冷戦の遺品以外の何ものでもなく,ただちに廃棄するのが望ましいというのが専門家たちの一致した意見です.しかし,アメリカ政府は,これらを無くすどころか高性能化しようとしているのです.

UCSは,アメリカの核弾頭の種類が近代化の過程において7から5に減少するだろうと言っています.しかし,それらを異なる兵器に装着することが可能になると言うのです.すなわち,3種類は長距離ミサイルに,2種類は爆弾および巡航ミサイルに.こうしたプロジェクトは,新たな核兵器を開発しないという政府の約束を反古にするものではないでしょう.しかし,それにより良心が傷つかないのかとUCS報告書の執筆者の一人であるCenter for Arms Control and Non-ProliferationのPhilip Coyle氏は述べています.

2012年に効力が発生した戦略兵器削減条約New Startによると,アメリカとロシアは2018年迄に配備済みの核弾頭の数を4000から1550に減らすことになっています.しかし,もしアメリカがこのような新たな核兵器の配備といった行動に出た場合,ロシア側との新たな交渉がむずかしくなることを恐れる専門家もいます.

アメリカの軍縮の専門家Hans Kristensen氏によると, B61が様々な種類のミサイルなどに装着が可能になるように改良されたものがB61-12だそうですが,この爆弾は,現在の計画によると2019年から400発製造され,その一部がドイツにも配備されるそうです.

UCSの報告書は,また,核兵器の廃棄についての言及しています.ストックホルムの国際平和研究所Sipriの報告*2)ではアメリカは2500発のイナクティブの核弾頭を保有していますが,UCSによると,それにさらに3000発の破壊予定の核弾頭が加わるというのです.というのは,軍事的には,もはや多量のプルトニウムや高濃縮ウランは必要ないからです.実際,National Nuclear Security Administration (NNSA)は,使用できなくなった大量の兵器の核物質を廃棄する計画を立てています.(それでも,アメリカは13000もの核兵器に必要な核物質を保有しています.)それによると,NNSAは余剰のプルトニウムを原子力発電施設で使われるMox燃料製造に使おうとしているのですが,UCSは,Mox燃料は非常に毒性が強いことから,むしろガラスやセラミックにいれてそのまま破棄するべきであるとしています.いずれにせよ,こうした必要なくなった核物質は,盗難されることなく安全確実に廃棄されなければなりませんが,Nuclear Threat Initiative (NTI)は,世界中至る所で核物質の管理が不徹底であると警告を発しています.*3)

以上が記事に内容ですが,日本も否応無しに,こうしたアメリカの核戦略の中に組み込まれているわけです.




*1) 報告書(Making Smart Security Choices The Future of the U.S. Nuclear Weapons Complex)の内容

Chapter 1.
Introduction
Chapter 2. Extending the Life of the U.S. Nuclear Arsenal
Life Extension Programs
Does the United States Need a New Facility to Produce Plutonium Pits?
Is the Uranium Processing Facility Appropriately Sized?
Is the High Explosive Pressing Facility Appropriately Sized?
How Much Tritium Does the United States Need?
Chapter 3. Stockpile Surveillance: Assessing the Reliability and Safety of Nuclear Weapons
A Modified Surveillance Program
Chapter 4. Stockpile Stewardship: Acquiring a Deeper Understanding of Nuclear Weapons
Types of Experiments for Stockpile Stewardship
Experimental Facilities
Computing Facilities
Chapter 5. Retaining a Qualified Workforce
Anticipating Shortages of Key Personnel
Reexamining Personnel Challenges
Successful Strategies for Retaining Key Personnel
The Future of the Nuclear Weapons Workforce
Chapter 6. Minimizing the Security Risks of Weapons-Usable Fissile Material
Storing and Disposing of Plutonium
Storing and Disposing of HEU
Chapter 7. Dismantling Nuclear Warheads and Verifying Nuclear Reductions
Dismantling Nuclear Warheads
Verifying Reductions in Nuclear Warheads
*2) 各国が保有する核兵器

国名:アクティブ/総数(括弧内は昨年の数字)
アメリカ:2150 (2150) / 7700 (7700) ロシア:1800 (1740) / 8500 (8500)
フランス:290 (290) / 300 (300)
中国:不明 / 250 (240)
英国:160 (160) / 225 (225)
イスラエル:不明 / 80 (80)
パキスタン:不明 / 100-120 (90-110)
インド:不明 / 90-110 (80-100)
北朝鮮:不明 / 10以下 (10以下)

2013年10月18日現在.
FASが公開している情報に基づいた数字.

*3) 各国の核物質の管理における安全度(ドイツ語で解説されたインフォーグラフ)

Sunday, 20 October 2013

120万ユーロの値打ちのあるバイオリンとは

ストラディヴァリではありません.1912年にニューファンドランド島近海で沈没した客船タイタニック号のオーケストラのリーダー,ウォレス・ハートレイが所持していたバイオリンです.彼は,船が沈む直前,革張りのケースに入ったこのバイオリンを自らの体に結びつけ,その後溺死したのでした.

先日,ロンドンのAldridge & Sonで競売にかけられ,1,050,030 £(124万€)の値がつけられたハートレイのバイオリンは,当時彼の婚約者であったマリア・ロビンソンから贈られたものだったそうです.ハートレイの遺体とともに発見され,一旦は彼女の元に戻りましたが,彼女の死後,救世軍に寄贈され,その後,出品者が入手したそうです.

製造年代は1880年頃.ドレスデンあるいはベルリンのメーカーによるものでマッギニー二バイオリン(Maggini-Geige)と呼ばれる種類だそうです.
  • バイオリンの写真はこちらから
  • タイタニックの沈没の様子を再現したアニメーションはこちらから. ("Weiter"のボタンを押してください.)
  • タイタニックの沈没の様子を描いた画像(インタラクティブ)はこちらから.
  • タイタニックの船内の様子を描いた画像(インタラクティブ)はこちらから.
以上,10月19日付SPIEGEL ON LINEの"Trotz Salzwasser-Resten:"Titanic"-Geige für eine Million Pfund versteigert"からでした.

Saturday, 19 October 2013

スイスの夜景写真集"Helvetia by Night"

照明に輝く夜の都会から山頂の満月など,夜のスイスの風景を撮影した写真集"Helvetia by Night"が,NZZ新聞社から発行されました.ウェブギャラリーへのアクセスはこちらから.また,プロモーション用PDFファイルはこちらからダウンロード可能です.

SLトレインで訪ねるクリスマス・マーケット - 12月のドイツ特別列車運行予定から(つづき)

12月14日(土),15日(日)に運行されるChristkindl-Dampfbahnについての情報です.

運行区間:Augsburg - Landsberg am Lech(下掲の地図参照, 印の路線)
牽引機:38 1301
予約:
38形牽引の列車が,ロマンチック街道に沿いにサンタクロースを一緒に乗せて走ります.お子様には,プレゼントが配られます.ロマンチック都市ランツベルグの見所は,情緒あふれるクリスマス市や聖母昇天教会のLorenz Luidi作キリストの受難シーンなど.また,フッガー都市アウグスブルグでは,クリスマス市やクリスマス特別展示が開催される鉄道公園など.列車にはビュフェ車が連結され,温かい飲み物や軽食のメニューが用意されます.


Monday, 14 October 2013

SLトレインで訪ねるクリスマス・マーケット - 12月のドイツ特別列車運行予定から

個人的な好みから,テンダー機関車が牽引する列車をいくつかピックアップしてみました.(今シーズンは,今年復活した01 150*1)と23 1019*2)の活躍が特に目立ち,細身のエレガントな03 1010や2012年に復活した旧東ドイツ国鉄のレコロク03 2255の運行はあまりなさそうです.*3)  なお,予定されていた牽引機が変更になったり,最小催行人数に満たない等の理由により開催が中止される場合があります.*4) また,ザルツブルガーローカルバーンを除き,原則として往復のプランです.)
  • 12月7日(土)

      シュトリーツェルマルクトトレイン
    目的地:ドレスデン
    乗車駅:Cottbus, Drebkau, Senftenberg, Ruhland
    牽引機:23 1019 (35 1019-5)
    主催:ラウジッツァーSLクラブ
    予約:オンライン及び代理店(郵便番号別リスト)にて可能
    フライヤーダウンロード

    ドレスデンのクリスマス市,シュトーレンの語源となったシュトリーツェルマルクトを訪ねる旅.24 mの高さのクリスマスタワーは100体もの人形と美しいイルミネーションで飾られます.そして,当日の圧巻は,何と言ってもツヴィンガー宮殿から旧市場へ2 トンの重さのシュトーレンを運ぶ行列.到着後,巨大なシュトーレンは1.6 mのナイフで切り分けられ,市場のブースにて販売されます.

  • 12月7日(土)

    01 150とバンベルグのクリスマスマーケットへ
    目的地:バンベルグ
    乗車駅:Stuttegart, Waiblingen, Schorndorf, Schwäbische-Gmünd, Aalen, Ellwangen, Crailsheim, Ansbach, Nürnberg, Fürth, Erlangen
    牽引機:01 150
    主催:ウルム鉄道友の会
    予約:フライヤーに付属の書式に必要事項を記入して郵便,またはファックスで送るか,またはこちらのページからオンラインで申し込みます.

    今年の5月に蘇ったパシフィックの名機01 150が牽引する特別列車で,フランケンの美しい古都バンベルグの情緒豊かなクリスマス市を訪ねます.途中停車駅のニュールンベルグは,有名なDBミュージアムの最寄り駅.

  • 12月7(土),8日(日)

      アルプタールバーンのSLサンタトレイン
    目的地:Bad Herrenalb
    乗車駅:Ettlingen Stadt 
    牽引機:58 311旧領邦鉄道G 12形
    主催:ウルム鉄道友の会
    予約:オンラインにて可能

    Bad Herrenalbでは,サンタクロースと一緒にクリスマスキャロルを歌います.毎回,大人気ですぐに満席となるため,予約はお早めに.

  • 12月14日(土)

      01 150が牽引するクリスマストレイン
    目的地:ミュンヒェン
    乗車駅:Heilbronn, Bletigheim, Ludwigsburg, Kornwestheim Pbf, Stuttgart-Untertürkheim, Esslingen, Plochingen, Göppingen, Geislingen, Ulm Hbf, Günzburg, Augsburg Hbf, München Hbf
    牽引機:01 150
    主催:ベブラ・ノスタルジック・レイルツアーウルム鉄道友の会(共催)
    予約:オンラインにて可能*5)フライヤーダウンロード

    3000もの電球で飾られた巨大なクリスマスツリーが聳えるミュンヒェンのクリスマス市場を訪ねる旅.牽引するのは,今年の5月に蘇ったパシフィックの名機01 150.途中のGeislingenの勾配区間 (Geislingen an der Steige ,Amstetten間,下掲の地図上の緑色の星印の間で5.6 kmの山岳規格区間.最高勾配は22.5‰.)での奮闘が期待されます.特別列車は1950及び60年代のクラシック車両で構成されます.今回紹介した特別列車の中でも,7日のバンベルグ行きと並んで長距離のルートが設定され美しい沿線風景も十分に楽しめそうなプランです.なお,要確認情報ですが,出発地のハイルブロンの南ドイツ鉄道博物館には,雨ざらしとなってはいますが,ブルーレディことストリームラインの01 1102が展示されている可能性があります.(10月から2月中は土曜日のみ開館:11:00-16:00)また,途中停車駅のアウグスブルグにも鉄道博物館があります.こちらは,現在大規模な改装工事中で,開館日が限られているようです.

  • 12月14日(土)

      ゲルリッツで味わうシュレージェンのクリスマス
    目的地:ゲルリッツ
    乗車駅:Cottbus, Spremberg, Weißwasser, Horka
    牽引機:23 1019 (35 1019-5)
    主催:ラウジッツァーSLクラブ
    予約:オンライン及び代理店(郵便番号別リスト)にて可能
    フライヤーダウンロード

    チェコ国境の近く,美しいバロックとルネッサンス様式の家屋で有名なゲルリッツのクリスマスを堪能します.ゲルリッツ聖歌隊による本場のクリスマスキャロルの演奏も雰囲気を盛り上げます.さらに,Landkronのビール醸造場の見学も予定されていて,名物のBrauerbratenを肴に試飲およびビールジョッキのお土産付きのプランです.

  • 12月14(土),15日(日)

      リューデスハイム行クリスマストレイン
    目的地:リューデスハイム
    乗車駅:Darmstadt Hbf, Gross-Gerau, Mainz-Bischofsheim
    牽引機:23 1019 (35 1019-5)
    主催:ダルムシュタット-クラニッヒシュタイン鉄道保存会
    予約:オンラインにて可能

    16の国の100もの町のクリスマス風景を楽しむことができるリューデスハイムの世界のクリスマスを訪ねます.なかでも,等身大のフィギュアで飾られたヨーロッパで最大のキリスト降誕のシーンは必見です.なお,ダルムシュッタットにも鉄道博物館があります.博物館迄の交通機関としては,中央駅からDBの近郊線あるいは路面電車Nr.5を使います.開館時間は日曜日と祝日の10時から16時.12月22日から2014年1月12日迄閉館.(今年最後の開館は12月15日.)展示されている機関車のリストはこちらから.

  • 12月1(日), 8(日), 24日(火)

      ザルツブルガーローカルバーンで行くオーベルンドルフ
    目的地:オーベルンドルフ
    乗車駅:Salzburg-Itzling, Bergheim, Anthering, Oberndorf, Arnsdorf, Bürmoos, Riedersbach
    牽引機:不明
    主催:オーストリア鉄道歴史協会ザルツブルガーローカルバーン
    乗車券:当日,車内にて販売

    牽引機は不明ですが,やはりクリスマスということで『きよしこの夜』の発祥の地を訪ねるプランも載せておきます.(しかも,ドイツではなくオーストリアですが.)サンタクロースが同乗し,ビュフェカーも連結されます.(オーストリア鉄道歴史協会の冬のプログラムのパンフレットは,こちらからダウンロードできます.)

  • 12月7(土), 8(日), 14(土), 15日(日)

    サンタクローストレイン
    主催:ザウシュヴェンツレ鉄道

    ザウシュヴェンツレ鉄道としては,開業以来最初のサンタクローストレインが運行されます.このポストを書いた時点では詳細は不明ですが,ザウシュヴェンツレのスターエンジン50形が牽引するのであれば興味はあります.あるいは52か,タンク機(8693)の可能性もあります.今年のシーズンオープニングの模様は,こちらのSüdkurierのウェブギャラリーをご覧下さい.(52しか登場しなかったようですが.)

なお,番外編としてヘムニッツタール鉄道友の会が主催する鉄道馬橇の運行もロマンチックな思い出作りに役立ちそうです.乗客は,クリスマスイルミネーションに飾られたオープンの橇の上から流れる冬景色を毛布に包まりながら楽しみます.(12月21, 22日,13時から18時迄30分おきに運行)

以上の他にも多くのSL列車の運行が予定されています.詳しくは,本ブログの右上のヨーロッパ鉄道イベントプランナーで紹介しているリンク先サイトをご参照ください.なお,ザクセンのクリスマス風景を味わうのであれば,Zitauer SchmalspurbahnLössnitzgundbahnWeisseritztalbahnDöllnitzbahnなどの狭軌蒸気路線も要注目です.さらに,南ドイツ,ノルトリンゲンのバイエルン鉄道博物館(バイエルン鉄道観光)主催の特別列車の運行に関するパンフレットのダウンロードはこちらから.その中で個人的に特に注目しているのが,来年2014年2月1日に運行が予定されているウィンターエキスプレス(ノルトリンゲン発リンダウ往復)です.牽引するのは,映画『風立ちぬ』にも登場した伝説の名機18形(旧バイエルン国鉄S 3/6).鬼の笑い声が聞こえてきそうですが,予約および問い合わせはこちらから電子メールでどうぞ.(クリスマス列車ではありませんが,参考迄に,下掲の地図上の別レイヤーに 色のマークで走行路線を書き込みました.)

ところで,ご紹介した12月に運行される特別列車の中で目玉というと,なんといっても01 150が牽引するミュンヒェン行きクリスマストレインです.もし,12月6日日本出発,16日帰国といった少々長めの休暇が設定可能であれば,この1本と7日に予定されているドレスデンのシュトリェーツェルマルクトトレインを組み合わせたいところ.迫力溢れるアインハイツロコの01と23.10を間近に眺められるのに加え,ドイツの南と北の文化都市のクリスマスも堪能という贅沢な旅になります.(7日には,01 150が牽引するバンベルグ行きも運行が予定されていますが,こちらと14日の23 1019牽引のゲルリッツ行きを組み合わせるのも渋い選択といえそうです.)なお,いずれの列車も予約はお早めに.*6)


最後に,ドイツ語(スイス)のサイトですが,ヨーロッパ各地のクリスマス市の日程が記載されたサイトがあるのでご紹介します.アクセスはこちらからどうぞ.




*1) 今年の5月に復活してスターエンジンの仲間入りした01 150.そのうち,すでに活躍中の2両の妹たち(旧東独国鉄の改造機01 0509と01 533)と共演する機会もありそうです.もし,01の三重連が実現したら迫力あるでしょう.
*2) ヴィッテ除煙板で有名なフリードリヒ・ヴィッテが,長年構想を温めていた,ドイツの機関車としては異色の車軸配置である1'C1'の23をベースに旧東ドイツ国鉄によって開発された駿足モデル.2気筒ながら,なめらかな走りに定評があります.(個人的には,01よりも細身の23のほうが好みです.)なお,当該機のナンバープレートには,EDV番号ではなく旧来の番号の23 1019が表記されています.
*3) 12月1日に1本予定されているようですが,クリスマスとは関係なさそうです.詳しくは,03 1010協会のサイト内の運行予定をご覧下さい.03 2155の運行予定は,NossenのSL協会のこちらのページから.
*4) これまでの限られた経験から言えるとすると,ウルム鉄道友の会とラウジッツァーSLクラブ主催の運行で取りやめになるケースはまず無いと思われます.(これまで参加したツアーは,いつも満席あるいはほぼ満席でした.)バイエルン鉄博主催の運行の場合,以前に一度だけ,申し込んだ後に中止の知らせを受けたことがありました.
*5) 申し込み書式には国名を記入する欄がないため,テキストボックスに日本からの予約と申告し,必要な手続きを問い合わせると良いでしょう.もちろん英語で大丈夫です.
*6) ラウジッツァーSLクラブが主催するイベントについては,日本からオンラインで予約する場合,予約後,代金を銀行送金するため,十分に余裕を持って予約する必要があります.(数日前になるとオンライン予約サイト自体が削除されます.)また,ウルム鉄道友の会が主催するイベントについては,原則として事前の銀行振込が求められますが,当日,現地で現金支払いが可能の場合があります.その場合は,予約証明書を持参し,車内でスタッフに提示し,代金と引き換えに乗車券を受け取ります.(発券担当のスタッフは,通常,食堂車に待機しています.)最悪の場合,現地で飛び込みで空席がないか尋ねることも考えられますが,今回,紹介したようなイベントの場合,満席になることも十分予想されるため予約をお薦めします.なお,質問などについては,ドイツのイベント列車運行の双璧であるウルム鉄道友の会とラウジッツァーSLクラブのこと,毎回,海外から多くのファンが参加することもあり英語で問題なく対応してくれます.もちろん,他の団体も,英語による問い合わせに十分応じてくれるはずです.