Tuesday 6 May 2014

Very Happy Birthday to you, Mazda MX-5 !

1989年から世界中でおよそ927,000台が販売され,まもなく販売総数が100万台に達するとされるMX-5シリーズですが,2000年からは歴史上世界で最も人気を博したスポーツ車としてギネスブックにも掲載され,我が国が誇る自動車のうちのひとつです.

世界で最初にこのコンパクトなロードスターが発売されたのは,今から25年前の5月,北アメリカにおいてでしたが,MX-5の構想が生まれるきっかけとなった出来事はさらにそれから10年遡った1979年2月のある夜に起きました.そのとき,アメリカの自動車記者Bob Hall氏は,当時のマツダの開発チームのチーフYamamoto Kenichi氏と夕食を共にしていました.そして,その食事が済んだ後,Yamamoto氏は,Hall氏に個人として今後欲しいと思うモデルについて質問したのです.スポーツカー好きのHall氏には,その質問に対する答えはひとつしかありませんでした.「僕が欲しいは,コンパクトで軽いスポーツカーです!」

当時のカルフォルニアで販売されていたスポーツカーの品質は実に惨たんたるもので,塗装の剝離や幌の破損が頻繁に発生するという代物ばかりでした.そして,英国のTriumphやAustinなどは,ブランド自体がすでに消滅しているか,あるいは米国市場から撤退していたため,これらの企業から新しいモデルが供給される見込みもありませんでした.

Hall氏の答えに興味を持ったYamamoto氏は,Hall氏に彼が理想とする自動車の簡単なスケッチを書かせたりもしました.それを日本に持ち帰ったYamamoto氏は,Hall氏からもらったヒントを基に新しいモデルについての思案を重ねましたが,ある日,富士山の麓のサーキットでトアイアンフのスピットファイアを乗り回したとき,Hall氏の提案の理由が理解できたように思えたのでした.

やがて,Hall氏はカルフォルニアのアーヴィンに設立されたマツダの設計開発センターにプロダクトプランナーとして勤務することになりました.そこで彼は自らの夢を叶うべく努力を重ねました.Tom Matano氏をデザイナーとして迎えたのも彼でした.そして,1984年,日本の本社から正式にニューモデルの開発許可が下り,MX-5を世に送り出すための工程が開始されたのです.

以上,5月5日付シュピーゲル"25 Jahre Mazda MX-5: Happy Birthday, kleiner Sonnengott!"(「マツダMX-5誕生25周年:おめでとう,小さな太陽の神(small Sun god)!」)からでした.(かなり長い記事のため,前半部分のみ抄訳いたしました.)

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