Friday 9 May 2014

ゴッタルド基底トンネル走行用のスイス国鉄の新型車両EC 250

鉄道トンネルとしては世界最長のゴッタルド基底トンネルの開業は,2016年6月に予定されていますが,このトンネルを経由してヨーロッパの南北を結ぶ新しい車両としてStadler社のEC250系が選ばれました.新型の高速車両(最高速度250 km/h)はスイス,イタリア,ドイツにおいて走行可能で,営業運転の開始は2019年12月,最初はバーゼル/チューリヒ,ミラノ間での運行が予定されています.この車両の導入により,ゴッタルドを経由するETR610(チザルピーノ/ペンデリーノ)および振り子電車の都市間特急ICNの運行は廃止されることになります.

EC250の基本編成は11両の車両から構成され,そのうち1両が食堂車,そして乗客定員はおよそ400人です.各車両の中央には低床出入り口が設置され,身体的ハンディのある乗客や高齢者,そして大きな荷物を持った乗客の乗降に便利な構造となっています.また,クワイエットゾーン,家族ゾーン,さらにビジネスゾーンといった乗客が好みや必要によって選べる異なる環境空間が用意され,各座席には電源ソケットが設置されます.

ゴッタルド基底トンネルおよびチェネリ基底トンネルの開業により,当該区間における列車の乗客数は現在の毎日およそ9,000人から2020年までに15,000人に,そして2025年までには18,000人以上に増加するものとスイス連邦鉄道は見込んでいます.

以上,5月9日付Railway Gazetteの"Stadler wins Gotthard base tunnel high speed train contract",同じく国際鉄道ジャーナルの"SBB orders 29 transalpine EMUs from Stadler",同じくSRFの"Stadler Rail baut die neuen Gotthard-Züge"からでした.

(EC250の完成予想図は国際鉄道ジャーナルのTwitterアカウントのこちらの写真などでご確認ください.)

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