Monday 5 May 2014

Aruba Petroleumにシェールガス採掘による健康被害の賠償金として300万ドルの支払いを命じる判決

フラッキングによるシェールガス採掘の健康被害を巡る最初の事例となった今回の裁判ですが,3年間に及ぶ法廷闘争の果てについに勝訴したのはテキサスに住む牧畜で生計をたてるParrさん一家でした.

ダラス裁判所の6人の陪審員は判決の理由を,被告のAruba Petroleumは,2008年から2011年の間,原告が所有する地所の周辺22箇所でシェールガスを採掘し,意図的に原告の健康な生活に支障を及ぼしたためとしています.そして,被告に対して,Parrさん夫妻とその娘さんが被った健康被害に対して200万ドル,また,今後の被害に対して250,000ドル,さらに,心理的な被害に対して400,000ドル,所有地の価値の下落に対して275,000ドルの支払いを命じました.

Parrさんたちが被ったという具体的な健康被害は次のとおりです.まず,奥さんのLisaさん(45歳)が呼吸に困難を感じたり,吐き気,頭痛などを訴え,また,ご主人のBobさん(53歳)は,一週間に三度ほど鼻血が出るようになりました.Bobさんには,それ迄こうした経験はなかったそうです.そして,娘さんのEmmaさん(11歳)も鼻血を出すようになり,加えて,吐き気,発疹といった症状が現れました.ほかにも,奇形の子牛で生まれたり,ペットの動物たちが死ぬなどしたため,一家は数ヶ月の間,他の場所に移り住まざるを得なくなったのでした.

今回の裁判における被告側の弁護を担当したDavid Matthews弁護士も,自らのブログに今回の判決についての報告を掲載しています.

なお,Aruba Petroleumは今回の判決を不服として控訴する意向を示しています.

以上,Le Mondeの4月30日付ブログポスト"Procès sur le gaz de schiste : une famille texane obtient 3 millions de dollars d’indemnités"からでした.

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