Wednesday, 7 May 2014

世界保健機構による小児まひの感染拡大の報告

すでに殆ど根絶されたとされていた小児まひですが,世界保健機構によると,再びこの病気への感染の増加が確認されており,全世界的に注意されるべき状況であるそうです.

感染地域は,パキスタンからアフガニスタンへ,シリアからイラクへ,そしてカメルーンから赤道ギネアへと拡大し,それに加えてエチオピア,イスラエル,ソマリア,ナイジェリアでも感染例が確認されています.5月から6月にかけて,これらの感染地域からのさらに他の地域への感染の拡大を防ぐため,各国間の連携協力が必要であるとも同機構はうったえています.そして,すでに感染が確認されている国から外国へ旅行する場合,必ずワクチン接種を行うことを推奨しています.

小児まひに感染した場合,200人に1人の割合で体の継続的な麻痺が発症し,さらに,麻痺が発生した人の5%から10%が呼吸器官の筋肉の麻痺により死亡に至ります.小児まひは完治が不可能な病気です.世界保健機構は,1988年にこの病気の根絶を目指す世界規模でのプログラムを開始しました.そして,その成果として,1988年から2012年の間に感染は99%以上も減少したのです.具体的には,1988年当時350,000件と言われた感染者数が2012年には223人まで減少しました.しかし,昨年2013には400人と再び増加が確認されています.

以上,5月5日付シュピーゲルの"WHO ruft internationale Polio-Notlage aus"からでした.

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