Wednesday, 14 May 2014

中央アフリカで取材中に殺害されたフランス人フォトジャーナリストが最後に投稿した写真

13日の夕刻,フランス政府は,その日中央アフリカの西部ブアール近くでキリスト教徒の民兵らが運転する自動車の中で発見された遺体がフリーのジャーナリスト,カミーユ・ルパージュさんのものであったことを公式に発表しました.昨年の12月5日,国連の決定を受けて内戦の沈静化を目的としたフランス軍のサンガリ作戦開始のおよそ5ヶ月後のことでした.享年26歳.英国などに留学した後,24歳でフリーランスの記者となったルパージュさんは,中央アフリカで取材活動を始める前には南スーダンの首都ジュバに滞在し,その独立の模様を詳細に伝えました.その際,世界のニュースメディアのあまりの関心の薄さに驚いたということをPetapixelのインタビュアーに語っていました.彼女が中央アフリカに入国したのは昨年の9月ですが,このときも取材のために同国を訪れていたジャーナリストの数はごく僅かだったとMediapartのジャーナリスト,トーマス・カンタールーブさんは,そのブログの中で述べています.

そうした,あまり報道されないアフリカの現状を伝えた彼女の記事は,これまでLe Monde,Le Parisien,The Sunday Times, The Wall Street Journalなど世界中の多くの新聞雑誌に掲載されましたが,東アフリカで彼女と知り合ったThe New York Timesの特派員ニコラス・クリシュさんは,自身のブログで彼女のことを「オプティミスト,寛容さに富み,真面目で仕事に熱心」と形容し,市民でも兵士でも彼女の被写体になることに気軽に応じてくれたと語っています.(彼女が撮影した写真のうち数枚がオブザーバーのこちらのページで紹介されています.)

ルパージュさんが,中央アフリカの取材において最後に撮影した写真がインスタグラムの彼女のアカウント上で公開されています.

以上,5月14日付L'EXPRESSの"Qui est Camille Lepage, la journaliste tuée en Centrafrique?"からでした.また,彼女が取材活動を開始する前に研修を行ったというrue89も,そのサイトで研修期間中の彼女のことを伝えた"Camille Lepage, tuée en Centrafrique, avait fait « un bout de rue » avec nous"という記事を公開しました.そして,同じく"Camille Lepage et les poches de résistance du journalisme"は彼女のアフリカにおける取材活動の様子を伝えています.

なお,中央アフリカの内戦については,Le Mondeの2013年12月5日付"Six clés pour comprendre le conflit en République centrafricaine",同じく2014年2月18日付"La longue fuite des musulmans centrafricains"などで詳しく解説されています.(下の動画はL'EXPRESSのサイトに公開された"Camille Lepage, 17e journaliste tuée depuis début 2014".(「カミーユ・ルパージュ,2014年に殺害された17人目のジャーナリスト」)

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