Friday 15 March 2013

原鉄道模型博物館を訪れて思い出したこと

今日,仕事の帰り,以前から是非一度訪れたいと思っていた横浜の原鉄道模型博物館に赴く事ができました.現在,日本の電気機関車の黎明期,すなわち対露戦争後,対米戦争前までの時代に英国やスイスなどから輸入されたマシンや,国産のマシンなどに関する展示が開催されているという事だったので,特にそれがお目当てだったのですが,それ以外のものも含めた展示物もさることながら,さらにそれらを通して伝わってくる私たちの大先輩の原さんの鉄道に対する思いと情熱に圧倒された感を持ちました.しかも,嬉しかったのは,大ジオラマのやや右側に位置している転車台の後方の扇形機関庫に居並ぶ機関車群の中から,一台,ドイツ国有鉄道のBR10形機関車(私のお気に入りの機関車のひとつ)が他機より少し前に出た形,つまり結果的に目立つ形で展示されていた事です.

なお,展示されている模型の中に往年のヨーロッパの名列車ラインゴールド号を見つけましたが,この列車の豪華さをとりわけ際立たせているのがビスタドーム*1)を備えた一等展望車(Aussichtswagen)です.それを見て,確かドイツのどこかの鉄道友の会が,この車両も含めた編成のラインゴールドをたまにイベント列車として走らせていたことを思い出しました.帰宅後,早速,手元のドイツ語圏(ドイツ,スイス,オーストリア)の保存鉄道や鉄道博物館を網羅しているガイドブック"Museumsbahnen"*2)で確認したところ,75ページに,運行主体はケルン鉄道友の会(Freundeskreis Eisenbahn Köln)で,ウェブサイトはwww.rheingold-zug.comである旨が記載されていました.

上記のサイトを眺めてみると,例えば,次回の運行は今月の30日で,出発地はケルン,途中エンメリッヒ(Emmerich)までは,電関によって牽引されますが,その後,目的地のアムステルダム(さらにHoornまで向かうようです.)は,何と三気筒のパシフィック蒸機01 1075が牽引するそうです.もちろん,食堂車も連結されていますから往時に思いを馳せさせながら豪華な食事も楽しむ事ができます.参加できる方はうらやましい限りです...

一昨年南ドイツを旅行中に見かけた,Aglis鉄道の列車に連結されていたラインゴールド(TEE)塗装の食堂車.屋根にはパンタグラフが見えます.

さらに,鉄道模型関連では,先日,ドイツ南西放送局で放送された番組「鉄道ロマン」("Eisenbahn Romantik")で,ニュールンベルグで開催された鉄道模型メッセの模様がリポートされていましたが,嬉しく思ったのは,日本の企業カトー社も路面電車の模型レイアウトなどを出展していたことです.日本の住宅事情に併せ,簡単に組み立てや片付けができるというのが特徴と紹介されていました.


*1) 現在,これに類する車両が使用されている列車というとカナダ横断急行(Transcanadian Express)くらいではないでしょうか.(同列車のThe GoldLeaf dome coach)スイス連鉄(SBB)の展望車(SBB-Panoramawagen)などもビスタドーム形式ではありませんし.
*2) Museumsbahnen 250 historische Eisenbahnstrecken in Deutschland, Österreich und der Schweiz, München, 2012, Bassermann Verlag(日本からでもAmazon.deで購入が可能です.ドイツ語圏の保存鉄道に興味のある方にはお勧めしたい一冊です.なお,写真も含め,情報が豊富でありがたいのですが,ハードカバーで雑誌サイズ,さらにページ数も多いため,携行には不向きです.)

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