Friday 23 August 2013

アル・カイダに狙われるヨーロッパの高速列車

巴里のキオスクからという名前のわりには,フランス発の話題がきわめて少なくお恥ずかしい次第ですが,19日付のL'EXPRESSのニュースレターに気になる記事が載っていたのでご紹介します.

記事のタイトルは,"Al-Qaïda menace les trains européens: quelles mesures de sécurité?"(アル・カイダの脅威にさらされるヨーロッパの列車)となんとも物騒なもので,ドイツのBildのこちらの記事の転載だそうですが,ドイツの情報機関は,考えられる攻撃の形態として線路に仕掛けた爆発物によるもの,同じくトンネル内におけるもの,さらに車内に仕掛けた爆発物によるものなどを挙げています.

現在,ヨーロッパを鉄道で旅行されている方は,特に高速路線の駅の警戒が強化されているのに気がつかれたかもしれません.もっとも,ドイツでは私服警官による警戒のようです.チェコにおいても,詳しい内容は報じられていませんが,警戒措置が講じられたそうです.

ところで,ドイツの情報機関は,この情報をアメリカのNSAから得たそうです.となると,もちろん根拠がない情報ではないでしょうが,個人情報を集めまくって世間の批判を受けているこの機関が自らの存在の必要性を示すためのジェスチャー的意味もあるように思えてしまいます.8月21日付電子版Le Mondeの"Espionnage de la NSA : les Etats-Unis reconnaissent que l'agence a violé la loi"によると,NSAは,アメリカのウェブ上の通信の75%の中身を見ることができるそうです.(同様の内容が,やはり21日付電子版L'EXPRESSの記事"Etats-Unis: la NSA reconnait avoir interceptéillégalement des milliers de courriels",さらにスイスのNZZの21日付"NSA soll drei Viertel des Internetverkehrs in den USA überwachen können"においても伝えられていました.)また,20日付のLe Mondeの記事"Snowden : le "Guardian" raconte les pressions subies en Grande-Bretagne"によると,英国の新聞"The Guardian"は,英国政府からEdward Snowden氏からもたらされた資料を破棄するよう脅されたとか.

ヨーロッパの高速列車を利用される際にはくれぐれもご用心を.

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