11月15日付"電子版SPIEGEL"誌記事"Südeuropas Leid, Deutschlands Freud"より.
ユーロ危機の思わぬ,というか当然の結果というか,ユーロ域内で多くの債務を抱えるスペイン,ポルトガルなどからドイツへ移住する人が増えているそうです.
ドイツへの移住者数は,2012年上半期だけで,182,000人を記録しました.これは,前年同期に比較して35%の増加です.なかでも,ポルトガルとスペインからの移住者の数は,2011年に比較した場合,50%以上の増加となっています.さらに,ギリシャからの移住者にいたっては,その増加率は実に78%.そして,これらの移住者のうち,50から70%が高等教育を修了した人々といいます.そして,ドイツにとって,都合の良いことには,これらの高い知識を備えた人々の専門分野が,国内の労働市場において必要とされている自然科学や技術系なのです.こうした状況は,ドイツの労働市場に非常に大きな恩恵を及ぼすものと期待されています.
以上が,記事の要約ですが,そもそも,ドイツは,ギリシャを始め,今,債務問題で苦しんでいる国々(もちろん,自業自得と言える面もありましょうが)に自国の製品を輸出する事で稼いで来たはずです.そのために,これらの国において債務が増えたということも事実です.その上,さらにこれらの国からの頭脳流出が続き,近い将来,頭脳の空洞化とでも呼ぶべき状況が起こった場合,それは,移住元の国の経済とヨーロッパ経済全体に,どのような影響を及ぼすのでしょうか.
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