Thursday, 4 October 2012

欧州鉄道雑記 II - TGVリリア

パリと スイスの主要都市を結ぶTGVリリア号ですが,今年の9月末から新しい塗装を施された編成が走り始めました.今回,パリへの小旅行のためチューリヒ発のリリアに乗りましたが, たまたま新塗装の編成に乗ることができました.ただ,パンフレットによると,塗装の変更と同時に車内設備もより快適になるとのことでしたが,2等の窮屈さは相変わらずのようです.もっとも,同じゲージの日本の新幹線の2等のシートは横5列ですから,それに比べればゆとりはあるのでしょうが.

パリ・リヨン駅に到着した新塗装のリリア号
どことなく宇宙船を思わせるPOS編成(POS TGV EST)のコックピット.(POSとは,Paris Ostfrankreich(東フランス) Süddeutschland(南ドイツ)の頭文字をあわせたもの.) 2007年4月3日,TGV東欧州線をストラスブールからパリへ向けて試験走行中,Eclaires村付近で574.8Km/hという世界記録を樹立したのは,同系の第4402編成.(下の写真)
昨年3月パリからドイツへ向かった際に利用したPOS4402編成
世界記録保持車の文字があちこちに.
ビュフェ車のドア脇のシールは,ドイツ語.
2013.5.12.にスイスのSissachで開催されたSLデーを訪れた際,当日運行されたSL列車の通過を待っている間に見かけたPOS 4402編成.(Sissach付近)
同上
現在の所要時間は,パリ・ジュネーブ間3時間5分,同じくローザンヌ間4時間,同じくベルンおよびバーゼル間3時間5分,同じくチューリヒ間4時間5分です.

今年の冬のダイヤ改正で,12月9日からリリア号のパリとインターラーケン間の運行も始まり,平日は,パリからインターラーケン行きのみですが(パリ・リヨン駅17:57発-ベルン経由-インターラーケン東着23:30),土日には,逆方向も運行されます(インターラーケン東06:09発-パリ・リヨン駅11:58着).

パリ・リヨン駅 スイス方面行きTGVホームが並ぶホール2
パリ・リヨン駅にて 手前は,南東編成(RAME SUD-EST)
車内の『TGV MAGAZINE』 2012年9月号に載っているTGVファミリーの紹介 毎日,454編成のTGVが運行されているとのこと.
夕暮れまじかのミュールーズ駅からパリへ向けて出発するリリア号 最近よく見かける2階建てのTGV(DUPLEX)だが,1階建てのPOS TGV EST同様,320Kmでの走行が可能で,フランスとドイツ,スイス,スペインを結んでいる.すでに157編成が投入されているが,2015年には,212編成まで増備される予定.

ミュールーズ駅のTGVホームの待合室
バード・ラガーツへの帰路の途中,サルガンス(Sargans)の駅で見かけたベオグラード行きの夜行列車 2等寝台車(LiegeWagen)に目をやると若者のグループが歓談していた.TGVも便利だが,いくつもの国境を越えて,朝目覚めたときには,別の国の風景が窓の外に広がっているというのも大陸を鉄道で旅する醍醐味.なお,ヨーロッパの夜行列車のネットワークCity Night Lineのサイトは,こちらです.ご参考迄に.

下の三枚は,最近(2014年6月),チューリヒ中央駅(一枚目)とパリのリヨン駅で撮影した新塗装のリリア号の写真.おまけとして追加します.



車両の側面下部にフランス国鉄(SNCF)とスイス国鉄(SBB)のロゴが見えます.

リリアについての詳しい情報は,こちらをご覧ください.

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