Tuesday 9 October 2012

トッゲンブルクでの山歩き

滞在しているバード・ラガーツの近郊のトッゲンブルク(Toggenburg)は,以前から一度訪れてみたいと思っていた地域でした.ここは,夏は山歩きの,そして,冬は,もちろんスキー,スノーボードなどの一大リゾートです.(トッゲンブルク観光局のサイトは,こちら.なお,同サイトで紹介されている,登山電車やリフト,また,バスなどの一日乗車券は,観光局では販売されていませんが,登山電車やロープウェイの駅の窓口で購入が可能です.)

今日は,昨夜から振り出した雨が続いていますが,昨日は,午後は雲が出てきたものの,まあまあの天気だったので,バード・ラガーツを942分発の列車でブックス(Buchs SG)へ向かい,そこで790系統のNesslau行きバス(一時間に一本.二階建てのバスも走っている)に乗り換え,ひとまず観光案内所があるというWildhaus Lisighausへ出かけました. 利用したのは,Ostwind Tageskarte. 往復に利用する鉄道路線も含め,この付近一帯の鉄道,バスに乗り放題の一日乗車券です.Wildhaus Lisighausの停留所には,1039分に到着しました.

停留所からBuchs方向に少し戻ると,右側に観光案内所があるので,山歩きのための地図を求め(無料.登山電車やロープウェイの駅にも置いてある),登山電車やロープウェイがすべて動いていることを確認し,まずは,付近を散策.はからずも,スイスの宗教改革者ツヴィングリ(Huldrych Zwingli, 1. Januar 1484 in Wildhaus; † 11. Oktober 1531 in Kappel am Albis)の生家を見つけました.

バード・ラガーツの駅の周辺も秋の佇まいに
Wildhaus LIsighausのバス停そばにあるツヴィングリの記念碑
あまり詳しい説明書きはないものの,右に見える納屋のような建物が生家らしい.
はるか遠くにChurfirstenの山並みが見えます.数え方によると,6から13もの山々が連なると言われるものですが,チューリヒからクール(Chur)方面に向かう列車の左側の窓からは,こちらから見てそれらの裏側を見ることができます.
とりあえず,ロープウェイで登れる最高峰のChäserruggへ向かうこととし,ひとつ手前のバス停の郵便局前(Wildhaus Post)まで引き返し,近くのスーパー,Sparでサンドウィッチなどを購入,ブックスから乗ったバスの次のバスでUnterwasser Postへ.

こちらの地図を見ると判る様に,Chäserruggへ登るには,まず,Unterwasserから登山電車に乗ってIltiosまで行き,そこでChäserruggへ行くロープウェイに乗り換えます.

Unterwasserの登山電車の駅付近の牛.左の牛は,こちらに興味を示すもののカメラを向けると顔をそむけます.
登山電車(ケーブルカー)から見える景色
 
登山電車の終点Iltoisでロープウェイに乗り換え,標高2262mChäserruggに到着.山頂の気温は,+5度.厚手のウールのシャツとウィンドブレーカーだけでは,少々心もとない温度.
 
バード・ラガーツは,左上方の奥.
山歩きをする前にまずは,甘いもの(リンゴの焼き菓子Apfelstrudel,生クリーム添え.クリームの上には,イチジクが載っている)と暖かいコーヒーで心の準備.山頂のレストランにて.
レストランの入り口で出迎えてくれる人形
温まったところで,再び外へ
まずは,足慣らしに頂上に設けられた《花の散歩道》(Blumenweg)を散策
右下に見えるのは,ヴァーレン湖(Walensee)
もう少し,崖のそばまで寄ってみました.あまり下を覗き込むと落ちてしまいそうなので,注意が必要です.2時間ドラマのラストシーンに使えるシチュエーションかどうかは微妙.
高山植物が鑑賞できるのは,8月ごろまでのようです.
いたるとこから,雲が湧き上がって来ます.ヴァーレン湖とは反対の方角.
 
 
 

花の散歩道を一周し,山頂の駅まで戻り,いよいよ下山開始.今回選んだのは,GluristalGluris,Zinggenを経て,麓のAlt St. Johann(900m)まで伸びるロープーウェイの発着所のあるSellamatt(1390m)に至る中級者向けコース.中級者向けといっても,下は,小学校低学年から,上は,かなりお年を召した方まで老若男女が楽しめるコースです.

山肌にへばりつくように整備してある登山道.
途中,休憩しようと腰をおろしたとたん,嘴の黄色いコクマルガラス(Dohle)の一群が飛来.相当登山客から食物をせしめているようです.鳥葬にされてはかなわないので,ポテトチップを投げ与えたところ,むさぼり食べていました.
中級者向けのコースを示す,赤と白の印.これに従ってさえ行けば,迷子になることはありません.
Glurisに到着.標高は,1694m. かなり,下ってきました.途中すれちがった,家族連れの息子らしい,小学校低学年くらいの年齢の少年から下で携帯電話をなくしたようなので,見つけたら拾っておいてくださいと,思い切りわかりづらい土地の言葉で頼まれましたが,残念ながら,見つかりませんでした.
GlurisからSellamattを目指し,さらに下ってゆきます.

左からSchibenstoll, 2234m, Zuestoll, 2235m, Brisi, 2219m, Frümsel, 2263m, Selun, 2204m. それぞれの山頂まで登山道が整備されています.
ZinggenからSellamattへ向かう散策路(Segenweg)で見かけた,山に棲む悪霊(Berggeist)の話.美しい若者に化けた悪霊が,婚約者のある娘をかどわかすというお話.山を歩いている途中,そういう人に出会ったら注意しましょう.
Sellamattと麓の,バス停のあるAlt St. Johannを結ぶロープーウェイ.キャビンと二人のりのチェアリフトを選んで乗ることができます.写真撮影には,もちろん後者がお勧め.
 
乗客もまばらな晩秋のロープーウェイ
 
戻ってきたバード・ラガーツの駅のそばで見かけた猫
おしまいに,昨年の夏,ヴァーレン湖畔の小さくて美しい村Quintenに出かけた折に,湖上の船の上から撮影したSichelchamm(2269m)の写真をご紹介します.雄大な褶曲構造を見せるこの山は,トッゲンブルク側,つまりヴァーレン湖とは反対側から見た場合,今回頂上に登ったChäserrugg山のさらに左側に位置しています.ただ,断言はできませんが,どうやらトッゲンブルク側からは,その頂きは見えないようです.

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