Thursday, 4 October 2012

イル・ド・フランス小紀行 I  - 半日だけのパリ

チューリヒ中央駅を定刻の7時34分に発車したリリア号は,定刻の11時37分より10分ほど遅れてパリ・リヨン駅(Paris Gare de Lyon)に到着.その足で,すぐにジャックマール・アンドレ美術館へ向かいました.開催されているカナレットとガルディ展を見るためでしたが,予想通りのたいへんな混みよう.それでも,オンラインで予約したとおり,12時半にどうにか入場できました.次は,こちらも同じテーマで展覧会が開かれているマイヨル美術館へ.大通りに面して堂々した造りのアンドレ美術館に比べて,こちらは,廃兵院へ抜ける,どちらかというと裏通りに面した,つつましいたたずまい.それなりの入場者はいたものの,数分並んだだけでチケットを買うことができました.そのうえ,展示の方法や解説は,こちらの美術館のほうが,優れているように思えました.

久しぶりに再会するRさんとの待ち合わせの約束は,午後4時40分に,マイヨル美術館と同じ通りにあるスイス大使館前.美術館を出て,しばらく時間があったので,廃兵院脇の公園でしばし休憩.穏やかな秋の日の午後,パリの空は真っ青に澄み切っていました.

当初,彼女と廃兵院と同じ敷地内にある軍事博物館を訪ねる予定でしたが,同博物館の閉館時刻は午後6時.私たちが,入場券売り場に着いたときには,わずかの差で軍事博物館の入場券の販売は終了したあとでした.やむなく,まだ入場が可能というナポレオンの墓を訪れ,壁面に記された彼の自分の業績を讃える数々の言葉を読みながら,それなりに偉い人だったことは間違いないことを確認し,7時に予約を入れて頂いた近所のレストラン,7eme Vinなる店に入りました.

この店は,TripAdvisorで評判がよかったので,Rさんにお願いして予約していただいたのですが,客の大半は,英語圏の人.当然100%英語で対応してくれるし,メニューも英語のものが用意されていて,観光客にしてみれば,まさにいたれりつくせりのレストラン.しかも,料理もワインもそれなりにそろっており,TripAdvisorのパリのレストランのランキングでは,かなり上位に入っています.入ったとたん,私が,観光客だと判った店員さんは,すぐに英語で応対.サービスが行き届きすぎて,フランス人のRさんにも 英語で話しかけるといった具合.実に楽しく朗らかな店でした.もちろん,料理も,豊かな食文化で名だたるリヨン出身のRさんも満足させるほどの味.

その夜は,投宿予定のホテルまで,近郊線で行かなければならなかったのですが,使う予定のA号線が10時から工事のためにストップするようなことが書かれた掲示を地下鉄の駅で見たため,9時少し前にレストランを出て,二人で最寄の駅まで歩きました.日がすっかり暮れたパリに吹く風は,かなり冷たくなっていましたが,9時になると同時に,全体が美しいフラッシュ・ライトの閃光によって包まれるエッフェル塔をはるかに眺めることができました.レストランの店員に訊いたところでは,かなり歩くとのことでしたが,目指すSt-Germain-En-Layeまで,乗り換えの少ないLa Motte Picquet Grenelle駅まで,徒歩で10分はかからなかったと思います.そこで,Rさんとは名残を惜しみつつお別れし,アレキサンドル・デュマの館を訪ねるため,一人パリを後にしました.

パリ・リヨン駅に到着したリリア号 今年の9月末に登場した新塗装のPOS編成
マイヨル美術館の面した通り
その通りで見かけた,フランスで最初に通常のテレビ番組を放送したという建物に掲げられたプレート
同じ通りの建物(上記プレートのある建物とは別)
秋の日差しに輝く廃兵院の金色のドーム.前回,廃兵院を訪れたのは,30年以上も前のこと.
レストランに向かう途中で.夕日を受けた店先の果物.兵学校付近.

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