Thursday, 18 October 2012

アメリカ軍兵士の凶悪性犯罪増加

先日のポストでも取り上げましたが,気になって,アメリカ軍兵士の犯罪について扱った記事がないかと探してみたところ,ロイターに次のタイトルの記事がありました.今年の1月19日付けのものです.かなり古い記事でもあり,また英語なので,日本の報道でも取り上げられているとは思いますが,一応ざっと内容をお知らせしておきます.


曰く,軍が発行したあるリポートによると,現役アメリカ軍兵士による暴力的な犯罪数は,過去5年間でほぼ倍増しており,その理由のひとつとして,戦争のトラウマが挙げられているとのこと.報告されている凶悪な性犯罪は,2006年から2011年までの間に90%増加しており,2011年には2811件の暴力犯罪が記録され,その半数が暴行を伴う凶悪な性犯罪であり,大半が米国国内で発生しているそうです.

2011年には,6時間40分に1件の割合で米軍兵士による暴力的性犯罪が発生していることになります.アメリカ軍では,米軍兵士による暴力的性犯罪の発生率は,米国内の米軍兵士以外による同様の犯罪の発生率を継続して上回っており,さらにその差は増大してゆくだろうと見ています.

2011年における,米軍兵士が犯した凶悪犯罪の上位5種は,暴行障害,レイプ,性的暴行,ソドミー強要,児童ポルノグラフィーだったそうです.

記事の内容(一部)は以上です.米国内外に展開する米軍全体を見たとき,もはや綱紀粛正の号令のみでは対応できないほど,兵士達は精神的に病んでいるというのが現状のようです.

その後,アメリカ軍の性犯罪をなくすためのキャンペーンサイトがあることや,一応,日本にもCID(U.S. Army Criminal Investigation Command)があることも知りました.そして,CIDのサイトには,米兵の犯罪を報告してくださいとも書かれてありましたが,日本で起こされた犯罪についても報告できるのでしょうか.(http://www.cid.army.mil/reportacrime.html)

ためしに,上記記事において言及されていると思われるリポートGenerating Health and Discipline in the Force ahead of Strategic Reset Reportを米軍のサイトからダウンロードしてぱらぱらとめくってみたところ,思った通り,アルコール飲料や薬物の乱用なども増えているが判りました.いずれにせよ,米国国内でさえ,軍としては,手の打ちようがないということなのですから,日本のように,実質的な治外法権が与えられているところでは,米軍兵士たちのたががさらにはずれてしまっても不思議ではありません.ただ,例えば,沖縄で凶悪犯罪を犯した米軍兵士の背景,つまり犯人の兵士がどういった経歴を持っていたのか,そして,同様の経歴を持った兵士がどの程度,沖縄を始め日本各地の基地にいるのかも知っておきたいところです.現状においては,特に所轄の各県警がそうしたデータを持つべきであり,防犯に役立てて行くことも大切だと思います.

なお,先日のポストでは,仏ル・ルモンド電子版の記事に米軍兵士の自殺件数が増えていると書かれていると報告しましたが,同様に,上記リポートを基に書かれたと思われる,BBCニュースサイトの2012年1月20日付けの記事Suicides down among US soldiers but violent crimes riseによると,2011年における米兵の自殺件数は,前年におけるそれに対し9%減少しており,その反面暴力犯罪は増加しているとのことです.そして,退役軍人たちの増加するアルコール消費量に比例して増加し続ける家庭内暴力や子供に対する性的虐待なども報告されています.

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