Saturday, 27 October 2012

ローマ南京錠物語

先日のパリの芸術橋に引き続き,Love padlockの話題です.まずは,ヨーロッパ各地における,橋のフェンスにかけられた南京錠の様子を紹介するSPIEGEL誌のオンラインアルバムをご覧下さい.

オリジナルの記事は,こちら.先月12日付電子版の記事です.ローマ市当局が,ミルヴィオ橋(Ponte Milvio,上記オンラインアルバムの一枚目の写真)につけられた南京錠を撤去したがっているという内容です.この記事の伝えるところでは,元々,この橋に南京錠が掛けるという風習は,フェデリコ・モッキア(Federico Moccia)という作家の"Ho voglio di te"(2006年,英語版題名: "I want you")を読んだ人々によって始められ,後にそれが各地に広まったようです.

ローマ市当局は,数千にも及ぶ,これらの南京錠の撤去を決断した理由として,地域住民の86%がこの決断を歓迎するだろうからと云っていますが,この橋が位置する地域には,近い将来,娯楽施設が建設される予定で,撤去された南京錠は,市内の博物館で展示されることになるようです.そして,橋のそばに新たに南京錠をかけるための場所が設けられるとのこと.なお,南京錠の撤去後,ミルヴィオ橋は,新しくそれらがかけられるのを防ぐため,24時間体制で監視されることになります.

この風習の生みの親,作家のモッキアさんは,南京錠の撤去は,まったく馬鹿げていると云います.彼によると,そうすることにより,「ローマは,そこで生まれ,そこに留まるべきの《愛の橋の習わし》*1)をパリに譲り渡すことになってしまう」のだそうです.

ドイツでは,ケルンに架かるHohenzollenbrückenが南京錠の名所だそうです.ご参考迄にドイツ語でLove padlockは単純にLiebesschlüssel(複数形はLiebesschlösser).つまり,合鍵ならぬ愛鍵です.


*1) 原文では,"Tradition".

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