Thursday, 31 January 2013

2013年注目のドイツSL関連イベント(その1)

ウルム鉄道友の会のサイト上の予定表を見ると,今年も各地で様々なイベントが予定されていますが,個人的に注目しているのが,4月27日に予定されているポーランドのウォルスチン(Wolsztyn)機関区で行われる蒸気機関車のパレードです.当日は,ドイツのコットブス(Cottbus)とウォルスチン間に01形と35形の重連01 509 (PRESS) + 23 1019 (35 1019-5))によって牽引される特別列車が,ラウジッツァーSLクラブによって運行されますが,座席指定の乗車券をオンラインで購入することができます.(01と35の重連というと,こんな感じでしょうか.)

ラウジッツァーSLクラブのサイトの説明によると,毎年,世界中の蒸気機関車ファンを集めている同イベントですが,ポーランド国鉄(PKP)の経営改善のために,将来廃止される可能性があるとのことです.(SLパレードの様子を撮影した写真のサイトがありました.ページ上のKurze Filmaufnahmeをクリックすると,動画を見る事ができます.
  • ラウジッツァーSLクラブのサイトはこちらから.
  • 上述の特別列車のオンライン予約サイトはこちらから.(英語ページ).(なお,日本から予約する場合は,代金を先方(TiXOOというオンラインチケット販売業者)の銀行口座に振り込むことになります.)*1)
  • ラウジッツァーSLクラブによって運行される特別列車の乗車券は,ドイツ国内では特定の旅行代理店他で購入することができますが,それらのリストはこちらです.(郵便番号(PLZ)毎.例えば,コットブスで購入可能なポイントは,こちらです.) 

特別列車は,A(コットブス)とB(ウォルスチン)間で運行されます.

*1) 銀行振込による購入の場合,手数料として3.5ユーロが乗車券代に加算されます.送金が確認されると,メールで以下のような乗車券へのリンクが送られてくるので,印刷し,当日持参します.

Tuesday, 29 January 2013

ドイツ連邦議会議長によって引用されたカミュの言葉

"L'homme n'est rien en lui-même. Il n'est qu'une chance infinie. Mais il est le responsable infini de cette chance."

先日,ベルリンの連邦議会で,エリゼー条約締結50周年を記念して開催された独仏合同国会の冒頭,ノルベルト・ランメルト(Dr. Norbert Lammert)連邦議会議長が演説の中で引用したカミュの言葉です.

恐らく,正確で綺麗な日本語の訳が存在していると思うのですが,見つからなかったので,以下は拙訳です.

「 人間は,それ自体,無に等しい存在だ.彼は,単に無限の可能性でしかないのだ.しかし,彼はこの幸運に対する無限の責任を負っているのだ.」

ところで,この祝賀気分に彩られたイベントの最後に両国の国家が演奏されましたが,フランスは,もちろんラ・マルセイエーズ,そして,ドイツはというと,再統一前の西ドイツの国歌の第三節が歌われました.再統一後は,この第三節のみがドイツ連邦共和国の国歌であり,「ドイツが世界でNo.1」という,あの有名なセンテンスは,少なくとも公式の場では歌われることはありません.

Wednesday, 23 January 2013

プラントを最悪の事態から救ったアルジェリア人警備員

アルジェリアの日刊紙エル・ワタンのニュースレターに掲載された記事Hommage à Mohamed Amine Lahmarより.

モハメッド・アミンさん(Mr. Mohamed Amine, 26歳)は,事件現場の警備員の一人で,プラントのゲートの警備担当でした.

ゲート付近に武装集団が表れたのは,イナメナスの空港へプラント職員を乗せたバスが出発した直後でした.武装集団の銃撃を受けたバスの警護隊は応戦し,そばに居た警護員も直ちに彼らに合流しました.アミンさんはすぐにゲートを封鎖し,プラントが攻撃を受けているとプラントの管理本部に連絡,管理本部は直ちにプラント全体の運転を緊急停止しましたが,アミンさんは銃撃により命を落としました.命を賭けたアミンさんの働きにより,武装集団が当初目論んでいたプラント全体の爆破は阻止されました.もし,プラントが運転を続けていて爆破された場合,その犠牲者の数は数百人にのぼり,周辺数キロにわたり被害が及んだと考えられます.

記事は,プラントを再稼働するように武器をつきつけて脅す武装集団の要求を頑として拒否した職員たちの姿勢についても言及しています.

以上が記事の要約です.犠牲者の方々に対し心より哀悼の意を表します.

Wednesday, 16 January 2013

アルジェリアにおける邦人拉致 - 現地報道から

丁度今届いた,アルジェリアの日刊紙El Wtanのニュースレターによると,南部のTiguentourine(In Aménas)という所にあるSonatrach-BP-Statoilのキャンプが武装集団に襲われ,JGC(Japan Gas Corp. =日揮)の日本人職員一名と二名のフランス人が誘拐されたとのことです.この情報は目撃者によるもので,同じ記事はロイターのニュースの内容も紹介しており,そちらは,日本人五名,フランス人一名の計六名が拉致されたとしています.

被害者は,武装勢力の4WD車に乗せられ,そのまま拉致されました.また,武装勢力の急襲後,当該キャンプの警護隊隊長を含む二名の英国人および一人の警察官(現地人)の死体も確認されています.なお,武装勢力のメンバーの言葉のアクセントは,リビア人のものだったという証言もあります.

事件を受けて,現在,同地方に存在する複数のガスプラント関連のキャンプでは動揺が広がっており,外国人は当局からキャンプの外には出ないように指示が出されています.また,外部との連絡をさせないために,当局により職員の携帯電話が没収されたそうです.(手引きをしたスパイが居るかもしれないという疑いからの措置かも知れません.)

以下,記事のURLです.記事の日付は,現地時間1月16日10:53.同日12:15に更新されています.(オリジナルの記事に現地の地図が挿入されています.)

http://www.elwatan.com//actualite/in-amenas-trois-ressortissants-etrangers-enleves-a-tiguentourine-16-01-2013-199732_109.php 

追記(21:41)

現地時間で今日の昼(12:45)に放送された仏独の共同テレビ局ARTEのニュース番組ARTE Journalでも,事件について簡単に触れられていました.それによると,上記のEl Watanの記事の情報に加えて,現在,アルジェリアではテロリストの掃討オペレーションが実施されている最中であり,そうした状況下で発生したとのこと.

http://videos.arte.tv/fr/videos/arte-journal--7247600.html

Saturday, 5 January 2013

オーストリア鉄道開業175周年記念特別列車の旅(ビデオ)

昨年,ブレゲンツからウィーンを経てパッサウまで,オーストリアを縦横に巡った8日間の特別列車の記録.美しい自然とウィーナーヴァルツを背景に,20台もの蒸気機関車が特別列車を牽引しました.ゼンメリング線を始めとして,通過した各地の,オーストリアの鉄道史にとって重要な歴史的エピソードも交えた構成はとても分かり易く,88分にも及ぶ作品ですが,飽きさせません.ドイツ南西放送(SWR)制作.
なお,番組の最後で,転車台に乗った01 533がたっぷりと映されていましたが,このシーンが撮影されたアンプフルヴァンク機関車公園(LOKPARK AMPFLWANG)へのリンクは,こちらです.この施設は,オーストリアで最も多くの機関車を保存しており,その数は凡そ100台にのぼるそうです.

Saturday, 29 December 2012

ランツフートの結婚式 (Landshuter Hochzeit)

ドイツの作家,ハンス・カロッサ(Hans Carossa)が,そのギムナジウム時代を過ごしたランツフート(Landshut)で4年に一度開催される催しですが,2013年が前回の開催から4年目に当たります.今回の開催期間は,6月28日から7月22日までのおよそ一ヶ月間.トルコの脅威に対するキリスト教国の同盟を強固にする目的で,中世の末期1475年に行われたという,当時のバイエルン公の子息とポーランド王女の結婚式が再現され,その他,馬上槍試合などの様々な出し物が披露されます.カロッサの『若き医師の日々』では,主人公(カロッサ)が旧友たちとこのイベントを見物に出かけるシーンが描かれています.

公式サイト(英語)はこちら

プログラムのダウンロードはこちらです.(ドイツ語のみ)

なお,催しの舞台であるランツフートはもちろん,近隣の観光地のホテルのほとんどは開催期間中,すでに予約で一杯のようです.(7月1日にランツフートを訪れたとき,Goldene Sonneという宿屋の前を通りかかりましたが,入口に"Suchen Sie ein Zimmer, helfen wir Ihnen dabei."などと書かれた札が掛かっていました.「部屋をお探しならお手伝いいたします.」と言った意味でしょうが,果たして空き部屋があるかなど詳細は不明です.)

以下,ランツフートを訪れた折に撮影したスナップです.

目抜き通りの両側には見物席が設けられていて,すべて指定席.イベントごとに観覧券を購入します.向かって左から二番目の建物は市庁舎.中に案内所があります.

ギムナジウムの卒業式の後,カロッサが仲間たちと塔に昇った聖マルティン教会.

ハンス・カロッサ記念ギムナジウム
炎天下のパフォーマンス,本当にお疲れ様です.

Bachfest 2013 in Leipzig

バッハの代表的なオラトリオ作品を結びつけている,神学的,演出手法的,作曲技法的関連に焦点をあてた構成の音楽祭.2013年6月14日から23日までの開催期間中,バッハはもちろん,それ以外の作曲者の作品を通じて,生誕,受難,昇天というキリストの生涯が再現されます.

公式サイトは,こちらです.

プログラム(独/英)のダウンロードはこちらから.

Wednesday, 12 December 2012

ノルウェイ,エネルギー政策評価で世界第一位

スイスの日刊紙Neue Zürcher Zeitung電子版の記事Norwegens Strategie überzeugtによると,世界経済フォーラム(World Economic Forum)が公表した«Global Energy Architecture Performance Index Report 2013»のエネルギー政策のランキングにおいて,ノルウェイが105カ国中1位だったそうです.日本は25位,アメリカは55位でした.

このランキングは,評価対象となった国を,経済の成長および発展.環境への考慮,エネルギー安全保障など16項目で評価し,その結果に基づいたものです.例えば,経済成長の分野においては,物価,税,公的助成金,貿易収支などが評価対象とされています.

ノルウェイが第一位とされた理由は,複数の異なるエネルギーソースから安定した供給を得ていることに加えて,環境への影響が低く抑えられていることなどが挙げられています.

低いランキングに置かれているのは,環境保護という点で問題があるとされる新興国で,例えば,ブリックスに属する南アフリカ(59位),インド(62),中国(74)など.同じくブリックスに属するブラジル(21)やロシア(25)には,比較的高い順位が与えられています.

以下,一位から十位の国です.

  1. ノルウェイ
  2. スウェーデン
  3. フランス
  4. スイス
  5. ニュージーランド
  6. コロンビア
  7. ラトビア
  8. デンマーク
  9. スペイン
  10. イギリス

Tuesday, 11 December 2012

リヨン,第14回「光の祭典」

フランス第二の都市リヨンで,毎年この時期に開催されるおなじみの行事のウェブアルバムが,LEXPRESS誌電子版に掲載されていました.

ル・モンド版は,こちらです.

ロッキーマウンテンの蒸気列車

12月8日付電子版シュピーゲル誌のWestern-Romantik auf Schienen: Volldampf durch die Rocky Mountainsより.

アメリカのコロラド州デュランゴ(Durango)から,昔ゴールドラッシュで沸いたシルバートン(Silverton)までの41マイルの狭軌の上を,のんびりゆったり走る蒸気列車があるそうです.

ウェブアルバムは,こちらから.標高3000 mに敷かれた線路を進む列車の姿は,圧巻です.

そして,運行する鉄道会社Durango Trainのサイトは,こちらです.また,往事の面影を伝えるデュランゴホテルのサイトは,こちらから.

850歳を迎えるノートルダム大聖堂の写真

12月10日付のシュピーゲル誌電子版の記事Jubiläum von Notre-Dame: Paris feiert die "Schöne von der Seine"に,こちらのオンラインアルバムが掲載されていました.

Friday, 7 December 2012

人工衛星SUOMIが捉えた夜の地球

フランスの日刊紙ル・モンドの12月6日付ニュースレターの記事VOL DE NUIT – La NASA dévoile des clichés de la Terre illuminée dans la nuitに掲載された美しいビデオ映像です.


なお,記事の解説によると,大勢の人が住んでいる地域において,光が見えない箇所がありますが,そこには当然電気が通っていません.国際エネルギー機関によると,2011年現在,地球上には,およそ13億人もの人が電気無しで暮らしているそうですが,New York Timesのブログ,Dot Earthによると,その13億人とは,アフリカに暮らす人の60%,そして,アジアに暮らす人の20%だそうです.特に,印象深いのは,日本と同じショットに写っている朝鮮半島です.まばゆい光が溢れる南に比べ,北は暗闇の中に沈んでいます.ところで,記事のタイトルの"Vol de Nuit"ですが,サンテグジュペリファンならお気づきのとおり,彼の作品「夜間飛行」にかけているようです.

オスカー・ニーマイヤー氏の作品巡り

104歳で亡くなられた,ブラジルの世界的建築家オスカー・ニーマイヤー氏の作品のウェブアルバムが,12月7日付LEXPRESSの電子版に掲載されています.アルバムの閲覧は,こちらから.

Tuesday, 4 December 2012

オリエント・シルクロード・エクスプレスの旅

etravel.ch*1)が募集中の,カザフスタンのタシケントや,ウズベキスタンのサマルカンドやブハラ,そしてトゥルクメスタンのアシュガバート他を豪華列車に乗って14日間(2013年3月28日-4月10日)で巡る旅.参加は,二名からで,最も安いカテゴリーの値段は,9230スイスフラン(二名分,およそ82万円).チューリヒから列車の出発地アルマティまでの往復の航空券とビザの取得料も含んだ値段です.主催は,ドイツの旅行会社で,旅行中に使用できる言語は,フランス語かドイツ語.(別に,英語でも,十分に対応してくれるとは思いますが.)参加するには,ビザの関係で,恐らく,最低限スイスに住んでいる必要があると思われます.仮に,日本に住んでいても参加できるとしたら,自分でビザを取得することになると思いますが,詳細は,etravel.chへお問い合わせください.


*1) 閲覧するには,etravel.ch,または,eboutic.chに会員登録してある必要があります.

気候変動対策における日本の順位 58カ国中47位

スイス放送(DRS)のニュースサイトの12月3日付記事Schweiz beim Klimaschutz vorneより.

ドイツの民間の環境保護団体German Watchは,毎年,各国の気候変動対策のパフォーマンスの順位を公表していますが,先日,その最新版が,ドーハでの国連気候変動会議の開催に合わせて公表されました.この順位は,気候変動に影響を及ぼす物質の排出量が多い58カ国を,それらの排出量と傾向,再生可能エネルギーの普及率,さらにエネルギー政策などの項目を検証し,それぞれの評価を指数(Climate Change Performance Index)に置き換え,その指数を降順に並べたものです.(英語版報告書へのリンクはこちらです.)

今回の報告書によると,1位から3位までは該当国無し.つまり,この団体によると,検証対象国のすべてにおいて,十分な気候変動対策が採られていないというのです.それでも,順位の高い国をみてみると,やはり,デンマーク(4位=最高位),スエーデン(5位),スイス(7位),ドイツ(8位)など,ヨーロッパの国が目立ちます.特に前者は,排出量が確実に減少し続けていることや,関連の法整備が進んでいるとのことで,German Watchから高い評価を得ています.

そして,日本の順位はというと,昨年の43位から4位下がって47位.因みに,今年の43位は,アメリカになっています.中国は54位,ロシアは56位,最下位の61位は,サウジ・アラビアです.なお,ヨーロッパの国の中では,オランダが49位と,やや意外な感があります.また,カナダも58位と最下位から数えて4番目に位置付けられています.

Monday, 3 December 2012

カップルで暮らす男女の失業率が低い理由

先日ご紹介した11月28日付のブログポストLe couple, meilleur rempart contre le chômage ?が伝える,国立統計研究所(Insee)の仮説です.

まず,男性の場合,三つの理由が考えられると言っています.
  1. 高学歴の男性の方が,パートナーを見つけ易い.別の言い方をすると, 学歴の高い男性のほうが,女性に人気がある.そして,彼らの方が,比較的仕事も見つけ易い.
  2. パートナーと暮らしている男性の場合,子供を持っている確率が高い.そうなると,家族を養うためという,就職に対しての強い動機付けができる.
  3. 身体的になんらかのハンディを負っている男性は,そうでない男性に比べて,パートナー探しにおいても,就職においても不利.
ということだそうです.一方,女性については,パートナーと暮らす女性は,特に子供が居る場合は,専業主婦志向が高い.つまり,就労を希望していない.そのため,彼女たちは,自然と統計の母集団から排除されるため,全体の失業率は低く抑えられるのではなかろうかということだそうです.

Saturday, 1 December 2012

脱経済成長型社会とは

Arte+7で11月24日に放送された"Yourope"において,ヨーロッパ各地における脱経済成長型のライフスタイルの実践を試みる人々の姿がリポートされていました.以下,番組から得た情報をまとめてみました.

まず,番組の紹介文から.

ドイツ,バーデン・ビュルテンベルグ州の新しい知事ビンフリード・クレッチマン氏は,いずれ,自動車の生産量が減少するだろうと語ったそうですが,それは,経済成長との決別を意味する言葉でした.私たちは,経済成長無しでも生きられし,また,環境や生活の質などにおいて,それによる好ましい影響もあるという考えがあります.こうした,"Post-growth economy"=《経済成長後の経済》と呼ばれる考えは(フランスでは," décroissance",イタリアでは,"decrescia",英国では,"degrowth*),ヨーロッパを始め,世界各地でその賛同者を増やしています.彼らは,無限の経済成長は,有限の資源とは相容れず,また,人間の尊厳もグローバリゼーションの犠牲になっており,経済の論理を地域主体に戻す,ディグロバリゼーション("deglobalization"=《脱グロバリゼーション》)が必要と主張しています.そうした考えを具体化する試みをレポートします.

次に,番組内容から,脱成長型の生き方を知るために役立ちそうなヒントをいくつか.

国際脱成長会議
第三回目が,今年の9月にイタリアのベニスで開催されました.公式サイトは,こちらです.

脱成長型のライフスタイルを提案したり,実践している団体や地方自治体
  • cambiamo.org:イタリアのパビアに本部を持つ.主な活動は,地元の農家の余剰生産物を,既存の流通システムを通さずに消費者へ提供.自転車による発電で電力を賄ってのコンサートの開催など.
  • Transition Town:英国の団体.日本にも,いくつか関連団体がある模様.
  • Totnes:英国.公立のリサイクルセンターの運営など,町が一丸となって脱成長を実践している.地元のKing Edward VI Collegeでは,環境教育が盛ん.
  • Bristol:英国.ブリストル・パウンドという地域通貨を発行.
  • Earth Heritage:英国.
  • Murks-nein-danke.de:ベルリン在住のStefan Schriddeさんが立ち上げたブログ.Schriddeさんは,修理して長い期間使い続ける事ができる製品を使うことを提唱.
  • Repair Café:オランダ.オランダに50箇所がオープン.ボランティアによる機器の修理が行われている.まもなく,英国に第1号店がオープン予定.
  • La Décroissance:フランス,リヨンで発行されている新聞.

コロラド州ロングモント市,住民投票で水圧破砕によるシェールガス採掘に"No"

フランスの新聞Le Mondeの11月29日付電子版の記事"Graine de révolte au pays du gaz de schiste"によると,アメリカ大統領選挙が行われた11月6日には,アメリカ各地で住民投票が行われましたが,コロラド州ロングモント市(Longmont,人口8万)では,水圧破砕によるシェールガス採掘の禁止が住民投票にかけられました.結果は,59%対41%で,禁止と決定.

水圧破砕は,現在,シェールガスを採掘することができる唯一の方法ですが,岩盤を破砕するために高圧で地中に注入される多量に水に混ぜられた化学物質が地下水脈を汚染し,また,空中に多量のメタンガスをまき散らすため,フランスなどではすでに禁止されています.

ロングモント市では,複数のガス会社が,50万ドルの費用をかけてキャンペーンを行い,住民たちに対し,雇用の創出などの効果を掲げ,シェールガス採掘の禁止を住民投票にかけないように説得に務めましたが,彼らの目論みは失敗に終りました.

この結果を受けて,ガス会社は,取得済みの採掘権が侵害されるとして,法的な手続きをとる構えを見せています.また,ジョン・ヒッケンルーパー(John Hickenlooper)コロラド州知事も,採掘を管理する権限を持つのは州であり,ロングモント市を訴えると言っています.なお,同知事は,2010年の州知事選挙の際,ガス会社から76441ドルの寄付を受け取っていることが知られています.

ロングモント市における今回の住民投票は,2011年から始まった,シェールガス採掘の反対派の市民たちの活動の結果でした. 発端は,市内の中学校と水浴客で賑わう湖のそばで採掘が計画されたため,水圧破砕によるシェールガス採掘の環境への影響についてコロラド大学で研究が行われ,その結果,採掘現場から半径0.5マイル(805メートル)以内の住民は,基準値の5倍もの有害物質にさらされることが判明したことでした.その結果が,公開されるやいなや,たちまち8200もの署名が集まり,住民投票にかけられることになったのです.ロングモント市の住民投票の結果を受け,今や,雨後のタケノコのように採掘施設が建設されつつある近隣の地方自治体でも同様の動きが起こり始めています.

ところで,シェールガス採掘に対する反対の動きは,ロングモントに始まった訳ではありません.すでに,反対のキャンペーンのための映像が制作されており,例えば,Josh Foxは,ドキュメンタリー映画"GASLAND"のなかで,ペンシルバニア州ディモックにおいて,ガスの採掘が開始された後,水道から出る水が炎に包まれる様子を紹介しています.

また,マット・デイモンが主人公を演じる映画"Promised Land"も水圧破砕法の問題を描いています.



環境保護団体のSierra Clubなどは,2020年には,エネルギーにおける輸入依存からの脱却を政策目標に掲げるオバマ政権に対し,水圧破砕の実施について,より厳格な制限を設けるよう促して行くと言っています.

Friday, 30 November 2012

ユーロ圏諸国,統一通貨導入以来最高の失業率を記録

今や,世界の常識になっていますが,スイス放送のニュースサイトに最新の数字が掲載されていたので,メモしておきます.

記事のタイトルは,Rekordarbeitslosigkeit in der Eurozoneです.日付は,11月30日.テレビのニュースで取り上げられたトピックだったようです.

それによると,ユーロ圏17カ国における失業率は,11.7%.失業者数は,1870万人だそうです.

Eurostat(欧州連合の統計機関)によると,先月の失業率は,11.6%だったので,0.1%の増加です.スペインにおいては,26.2%.そして,ポルトガルにおいては,6人に1人が失業者です.

特に,若者の失業率が高いようで,先月10月の統計では,ユーロ圏における25歳以下の失業者数は,360万人で,23.9%.イタリアでは,36.5%.そして,債務問題の中心にあるギリシャとスペインに至っては,50%以上です.

専門家たちは,こうした状況はさらに悪化するだろうと言っています.

上記各国に比べて,ドイツは,5.4%.失業率が低い国のうちのひとつとして紹介されています.それより低い失業率を示しているのが,オーストリア(4.3%),リュクセンブルグ(5.1%),そして,死んでもユーロ圏なんかに入るものかと言っているスイスはどうかと言うと,先月10月末の数字は2.9%だったそうです.

欧州連合全体失業者数は,2590万人率に換算すると10.7%(先月は,10.6%)だそうです.

以上が,ニュースの内容ですが,以前,ご紹介した失敗指数(Failed States Index 2012)の番付でいうと,失業率が少ないというオーストリア,リュクセンブルグ,スイスは,それぞれ168番目,172番目,174番目で,皆Sustainableというクラスに入っています.ちなみにドイツは,その次のクラスVery Stableに入っています.(失敗指数が一番小さな国,唯一Very Sustainableというクラスに入っているフィンランドは177番目です.

ドイツ鉄道,来年からクリーン電力三倍増へ

ドイツのSPIEGEL誌の今日付ニュースレターに掲載された"Ökostrom: Bahnfahren soll grüner werden"という記事から.

ドイツ鉄道(Deutsche Bahn)によると,来年の4月から,多くの旅客列車が,100%クリーン電力で,つまり,C02排出無しの発電で得られた電力で運行されるようになるとのことです.

対象となるのは長距離旅客列車で,近距離旅客列車や貨物列車は対象にはなっていません. これにより増加するコストについては,凡そ500万人いるというバーンカード*1)の所持者には負担は求められませんが,それ以外の乗客は,1ユーロ余計に支払い,環境プラス乗車券("Umwelt-Plus-Ticket")という乗車券を購入することで,ドイツ鉄道の環境保護の取り組みに協力することができます.

なお,このように,クリーン電力を増加させた結果の削減されるCO2の量ですが,1人の乗客を1 Km輸送した場合,現在は,42グラムですが,それが,14グラムに低下します.同じ条件で比較した場合,長距離バスでは30グラム,自動車では136グラム,飛行機では180グラムのCO2が,それぞれ排出されています.

ところで,ドイツ鉄道において,列車によって利用される電力の比率ですが,長距離旅客列車が22%,近距離旅客列車が45%,そして,貨物列車が33%となっています.そして,これらすべてにおいて,再生可能エネルギーが占める割合は,22%.ドイツ全体の電力消費量における再生可能エネルギーの割合は,25%とのことなので,それに比較すれば,まだ努力する余地があると言われているようです.

以上が,記事の内容ですが,さすがは,環境先進国ドイツだけのことはありますね.ところで,先日,ARTE+7で配信されていたドキュメンタリー映画『愛すべき天使たち』("7 oder warum ich auf der Welt bin") の中で,インタビューを受けたうちの一人,ベルリン在住のヨナタン君ですが,10歳という年齢にしては,びっくりするほど,しっかりとした人間観や世界観,そして,環境に対する考えをもっていて,ドイツの環境教育の成果なのか,それとも親御さんを含めた周囲の大人たちの影響なのか,それとも,その両方なのか,すくなくとも,ドイツと日本とでは,表面のみならず,相当奥深いところまで違っているのだなとつくづく思い知らされました.


*1) 一定の額を支払うと,支払われた額に応じた割引がなされる制度.スイス国鉄のHalb Tax Abonnementなどと似ている.

Thursday, 29 November 2012

スペイン,核のゴミ行方不明

ドイツの電子版SPIEGEL誌の11月28日付の記事Spanisches AKW verschlampt Atommüllによると,スペインのAscó所在の原子力発電所から出された放射性廃棄物のうち,233ユニットの所在の記録が紛失し,どこに貯蔵されているか不明だそうです.当局は,すでに捜査を開始していますが,当該原子力発電所の所有者は,2007年にも,放射能で汚染されている蒸気を空気中に発散させた罪に問われ,1540万ユーロの罰金を払っています.

以上が記事の要約ですが,記事が掲載されているページに,今年の8月に公開された,世界の原子力発電の状況を表したグラフへのリンクが貼られていました.改めて見てみると,日本は,原子力による発電量では,米国,フランス,ロシアに続き,世界第三位なのですね.

グアンタナモ刑務所の閉鎖を提案するアメリカ上院情報委員会の報告書

電子版Le Monde紙の11月29日付の記事Un rapport officiel propose la fermeture de Guantanamoによると,上院情報委員会(Senate Committee on Intelligence)の委員長Dianne Fenstein氏は,その報告書の中で,米国本土に,グアンタナモ 刑務所の代わりとなる施設は存在していると述べたそうです.なお,この記事は,The New York Timesの11月25日付の社説Close Guantánamo Prisonを基に書かれたものです.

Wednesday, 28 November 2012

カップルで暮らす男女の失業率は低い!?

Le MondeのBlogの11月28日付ポストLe couple, meilleur rempart contre le chômage ?より.

フランス統計研究所が11月28日に発表した統計によると,30歳から54歳の独身男性の失業率は,13%,同じく女性の失業率は,12%でした.しかし,カップルの男女の失業率は,男性では5%以下,女性では6%以下だったそうです. 統計研究所は,明確な理由は判明していないとしながらも,いくつかの仮説を提示しています.その紹介は,また,別の機会に.

リヨンで,第二回イスラム教・キリスト教宗教者会議開催

アルジェリアのフランス語版日刊紙El Watanの11月28日付記事"Les croyants font rempart face aux tentations extrémistes"によると,フランスのリヨンにおいて,第二回のイスラム教とキリスト教の宗教者会議が12月1日と2日の両日に開催されるそうです.

今回は,「政治において強まっている外国人排斥の傾向,また,宗教における原理主義の高まりへの対応」について,両宗教の宗教者の間で意見交換や議論がなされるとのことです.個人的に,結果が報道されるのを楽しみにしています.

Tuesday, 27 November 2012

タイタニックが衝突した氷山の写真

LEXPRESS.fr Cultureの11月27日付の記事La photo de l'iceberg qui coula le Titanic vendue aux enchèresから.

記事の冒頭に掲載されているのは,タイタニック号が衝突した氷山の写真.事故の二日前,たまたま通りかかった別の船エトニアン号の船長によって撮影されたものだそうです.この写真は,来月,アメリカで競売にかけられるそうですが,8000から10000ドルの値段がつきそうとのこと.

そして,タイタニック号の遺留品の画像は,こちらから.

Monday, 26 November 2012

イスラエル,防衛大臣辞任表明

11月26日付スイス放送(SF)のニュースサイトの記事"Israels Verteidigungsminister verlässt die Politik"より.

イスラエルの防衛相を務めるエフード・バラク氏(70歳)は,来年1月の選挙には立候補せず,政界を去るつもりでいることを記者団に伝えたそうです.今回のガザにおけるハマスとの戦闘終了後,世論調査では,バラク氏の人気は高かったそうですが...政界を去った後は,家族のために時間を使いたいそうです.

中国,地下礼拝を続ける数百万人のクリスチャン

11月25日付電子版SPIEGEL誌の記事"Gebete im Untergrund"より.

ティアンランさん(仮名,男性36歳)は, シューさん(仮名,女性31歳)と初めて会ったとき,何か特別なことが自分のうちに起きたように感じました.後に,彼は,そのとき神を見たと語っています.シューさんは,ティアンランさんの口から右の頬へと伸びる傷跡が印象に残りました.

二人は,ウェブ上のデーティングサイトで知り合い,その後,レストランで会ったとき,ティアンランさんは,ナイフによって顔が傷つけられた夜のことを語り,シューさんは,神について語ったといいます.

彼は,彼女が,他の女性より優しい心を持っているように感じました.彼女の印象は,自然で,彼女が生きている世界は,安らぎで満ちているように思えました.彼は,それまで,宗教と関係を持った事はほとんどありませんでしたが,シューさんと出会ったことで,クリスチャン達は,皆彼女のようなのだろうかと思うようになりました.

中国では,文化大革命以後,キリスト教は共産党により敵対視されるようになりました.そして,60年代の終頃から共産党は,キリスト教会を党のプロパガンダのための装置にしようとしました.そうした党の方針に従わなかった教職者たちは,追放され,中には強制労働を科せられた人もいました.一方,クリスチャン達は,隠れて信仰を守りました.

現在,中国では,多くの人がキリスト教会の信者になっています.1949年,毛沢東により,中華人民共和国の誕生が宣言された時点で,中国のクリスチャンの数は,およそ100万人程度だったと言われますが,今日,その数は,非公式ながら1億を超えていると考えられています.

なぜ,クリスチャンになる人が増えているのか,その理由として,多くの人は,社会にはびこる,人同士の互いに対する無関心を挙げています.急速に変化し続ける社会は,人々に疎外感をつのらせ,その結果,生まれた空虚感を満たす手段を共産党は持ち合わせていないというのです.共産党の政策は,このような社会の変化に付いて行けていないのです.

ティアンランさんは,高給を得ているインテリア・デザイナーです.彼は,身長も高く,魅力的で,結婚相手を見つけるのも容易いことだろうと思われますが,生涯を共にする相手と出会うことはありませんでした.彼が,これまでに出会った女性は,皆,品物の値段はよく知っていたが,本当に大切なものの価値が分かる女性はいなかったと言います.

彼によると,こうしたことは,女性に限ったことではなく,国全体がそうなっているそうです.彼は,多くの利益を得るために,ミルクに,人体に有害な化学物質を混ぜた企業のことを知ったとき,衝撃を受けました. そして,繰り返し報道される共産党トップたちの汚職にうんざりもし,政府の福祉制度改革への取り組みも遅いと感じています.

シューさんと出会う数週間前,彼は,広州において発生した事故についての報道を目にしました.その事故とは,少女が車にひき逃げされたというものでした.重傷を負って,路上に横たわる少女を助けに来る人はおらず,彼女は,再びトラックに轢かれ,そのあとで,ようやく一人の女性が彼女を病院まで運んでくれたというのです.このニュースを見ていた彼は,テレビのスイッチを切りました.その二日後,彼は,少女が亡くなった事を新聞の記事を通じて知りました.

こうした出来事は,今日の中国では枚挙にいとまがありません.社会のモラルの低下は,政府によって,最優先に対策が講じられるべき問題だと,雑誌"Study Times"は,その記事の中で主張しましたが,インターネット上で検閲された結果,取り下げが命じられました.

シューさんは,18歳になる直前,ある教師から共産党に入るように勧められました.こうした勧誘は,クラスで最も優秀な生徒にのみなされるもので,党は,各世代においてもっとも優秀な人材を党員に加える方針でした.彼女は,名誉あることと思い,承諾しました.その後,彼女は,党の教育機関で,他の選ばれた学生たちと一緒に,「党は,公平,統一,そして異民族間の相互扶助を支持する」といった,共産党の憲法のフレーズを教えられました.しかし,彼女は,違和感を感ぜざるを得ませんでした.公平,兄弟愛といったものは,そのクラスには存在していないと思いました.やがて,党は,彼女の行動についても細かく指示を与えるようになりました.

それから,13年程過ぎた今, シューさんは,「共産主義者は,人間は生まれながらにして善人であり,働いて人生の目標に到達することで幸福を得る事ができると言っています.しかし,それは誤っています.人は,決して満足する事はなく,迷い続けるのです.共産主義の教えは,誤った人間理解に基づいています.」と言います.

高層ビルの9階にある,広い事務所.その壁の一つには十字架が掛けられていて,本棚には,天使の置物が置かれています.移動式の壁によって隔てられている,以前の社長室だったところは,子供たちが聖書について学ぶ場所です.毎日曜日,この仮の教会には,ティアンランさんとシューさんを含め,80名ほどの教会員が集まってきます.彼らは,ここで,新しい人間として生まれ変わったといいます.

シューさんと知り合って以来,ティアンランさんは,毎日曜日,教会に通いました.彼は,牧師の説教を聴き,また,教会員たちがお互いに温かく接しているのを見ました.そんなある日,彼は,ひとつのことに気がつきました.それは,仕事の仲間には,いつも高価な贈り物をしているのに,自分の家族には何も贈ったことはないということでした.大切な人たちをなえがしろにしている自分も,結局は,自分が批判していた冷たい社会の一員だったということに気がついたのです.

シューさんは,教会に通い始めたころ,七つの罪についての説教を聴きました.彼女は,ぞれまでの自分の人生を振り返りました.「人は,生まれながらにして罪深いものであり,神によって救われる必要があるのです.」という牧師の言葉を聴いて,家に走って戻って泣いたそうです.そして,彼女は祈りました.

それからほどなくして,ティアンランさんは,洗礼を受けました.シューさんは,共産党への寄付を止めました.そして,数ヶ月後,二人は,結婚したのです.

[中略]

このように,中国では,ほとんどのクリスチャン達は,隠れて礼拝を行っています.北京だけでも,3000もの地下教会が存在するといわれています.国家によって認可された教会もあるのですが,統制が厳しいので,集うクリスチャンは極めて少数です.例えば,カトリック教会などでは,ローマ法王の権威が認められておらず,教会の最高権威は,共産党に帰属するとされます.

憲法上,宗教の自由は保障されてはいるものの,実際は,それにはほど遠い状況です.一年半以上にわたり,宗教の自由を要求し続けているシォウワン教会(Shouwang Church*1))は,北京の広場で礼拝を行おうとしますが,毎回,当局に制止され,参加者は一晩拘束されますが,彼らは,留置場で礼拝をしているそうです.

このような状況に置かれているクリスチャン達は, 彼らの信仰が認められていないこと,安全も保障されず,仮の会堂で礼拝をせざるを得ないことに対して不満を持っています.

少し前に,シューさん達の通う教会を一人の警官が訪ねて来て,いろいろと質問をして帰って行きました.そのとき,彼女は,自分たちが築いた教会が,近いうちに閉鎖を余儀なくされるかもしれないと感じたそうです.しかし,彼女は,恐れません.「もし,私たちが逮捕されることがあったら,それは,神様が望まれたことです.そして,神様は,解決策も与えてくださいます.」と彼女は言います.

ティアンランさんは,シューさんのお腹を撫でました.来年の春,二人に息子が生まれるそうです.彼らは,自分たちの子供が,自由に信仰を持つことができる中国の実現を待ち望んでいます.


*1) 守堂と書くようです.ウェブサイトもあります.

Sunday, 25 November 2012

フランス,路面電車導入ブームにかげり

11月23日付M le magazine du Mondeの記事Le tram en bout de courseによると,2012年の年末は,フランス各地で路面電車の路線開業が目白押しだったそうです.具体的には,11月17日にはリヨン,12月8日にはディジョンにおいてそれぞれ開通し,同月12日にはル・アーブルの路面電車の路線網が延長されました.また,イル・ド・フランスでは,セーヌ・サン・ドゥニで,既存のT1線が,11月15日からオ・ドゥ・セーヌ県のアスニェールまで延長され,オ・ドゥ・セーヌ県内を走るT2線が,同月19日からヴァル・ドワーズ県のブゾンまで延長されました.そして,パリのT3線が,12月15日から,それまでのラ・ポルト・ディブリからラ・ ポルト・ドゥ・シャペルまで延長されることになっています.

政府系機関であるCetu(Centre d'études sur les réseaux, les transports et l'urbanisme)によると,2000年以降,路面電車を導入した都市の数は2倍,営業キロ数は3倍,そして,乗客数は4倍になったといいます.しかし,導入の費用が高額の路面電車の導入には,予算の面からそろそろブレーキがかかりはじめています.因みに,路面電車の路線整備には,1キロあたり,2500から3000万ユーロかかりますが,これは,パリのメトロの建設費用に比べれば1/5ですが,バスの路線に比べると3倍のコストです.フランスの会計検査院(la Cour des comptes)は,この点について,関係自治体に対し注意を促し続けています.例えば,2010年には,パリのT3線のコストが過小に見積もられていた点を指摘し,さらに,2012年には,パ・ドゥ・カレ県のリエヴァンとエナン・ボモンを結ぶ路線について,その建設の妥当性に疑義を表明しています.しかし,地方議会の議員の多くは,選挙を2年以内に控えて,得票率のアップにもつながる路面電車の導入に意欲を示し続けていることも事実です.

Certuのヴァルネゾン・ルヴォル氏は,地方自治体の中には,高コストの路面電車より専用レーンを走るバスの導入を優先せざるを得ないところが出てきたといいます,例えば,ストラスブールでは,国鉄の線路に乗り入れて空港迄行くの出来る路線が計画されていましたが,現在,その計画は中断しています.というのは,同路線の建設にはトンネルを掘る必要があるので,その費用が高くつくからです.メッツ,シャンベリ,ベルフォールでは,導入計画自体が撤回されました.代わりに,メッツでは,専用レーンを走行するバスの導入が計画されていて,2013年には開業予定です.また,ベルフォールでは,交通機関の組合の代表クリスチャン・プルースト氏は,路面電車の導入に反対の立場をとっており,同氏によると,路面電車を導入するより,バス路線,自転車,また,カーシェアリングを充実させるべきであり,そのほうが,より経済的であり効率的なのだそうです.

2年前のヨーロッパの高速鉄道車両写真集

Hochgeschwindigkeitszüge: Höchste Eisenbahn

電子版シュピーゲル誌上に2010年7月に掲載されたウェブ写真集です.紹介されている車両は,以下のとおり.

  1. Bombardier社のZefiro:最高速度380 km/h.
  2. Alstom社のAGV: 最高速度360 km/h.
  3. Thalys:最高速度300 km/h.
  4. Siemens社のICE-T
  5. Alstom社のAGV
  6. TGV,ICE 3 MF
  7. ICE 3,Thalys
  8. ICE 3
  9. ICE 1
  10. ICE 3?
  11. ICE 3

グラウビュンデンと南チロルを結ぶStairways to Heaven

アルプスに散在する中世の城や教会を巡る観光ルート,スイスの東端グラウビュンデン州と南チロルを結ぶStairways to Heavenのサイトは,こちらです.