Wednesday 24 June 2009

旅先にて(6)土地の新聞より

数日前の記事ですが、いくつかご紹介します。

最初は、14歳の男子中学生が、川に飛び込み、溺れていた10歳の女の子を助けたという話題。場所は、Aare川の畔、Flumenthalという、比較的多く人が訪れるところだそうで、地図を見ると、Solothurnという都市に近く、BaselとBernのほぼ中間です。

14歳のドミアノさんが、友人たちと一緒に日光浴をするため、芝生を上にタオルを広げようとしようとしたとたん、女の子の叫び声を聞きました。彼女は、母親と一緒にこの場所に来ていたのですが、母親が友人と話しをしている間に、川に入り、石につまづき、急な川の流れに巻き込まれていたのです。もちろん、母親はすぐに気づき、川に入って助けようとしたのですが、自らも溺れかけ、自力で岸に戻るのがやっとだったそうです。

ドミアノさんは、警察に通報するとともに、川に沿って女の子を追いかけ、そして自ら川に飛び込み、彼女を救出しました。彼自身、サッカーは好きだけれども、泳ぎはそれほど得意でもないとのことですが、当時、水温もかなり低かった模様で、警察によると、もし彼の行為がなければ彼女は助からなかっただろうとのこと。

(6月19日付電子版『Solothurner Tagblatt』に掲載された「Das ist der junge Lebensretter」より)

(なお、上記新聞のサイトに、ドミアノさんの写真が載っています。例えば、「Lebensretter」、あるいは「Flumenthal」で検索すると記事が表示されますので、ご興味があれば。正直に言って、「この人、本当に14歳なのかな」と思うほど、しっかりした顔つきの好青年です。)

次は、地球温暖化に関する話題。

ご多聞にもれず、当地での関心も強く、とりわけ深刻な結果として、この10年間でスイスの氷河全体の8分の1が解けてしまったことが、6月23日付の『Blickabend』に紹介されていました。

(「Rekordschmerlze」より)

最後は、歴史に関するお話です。

先日の6月18日ですが、1940年のこの日、ロンドンの亡命政権におけるド・ゴール将軍は、亡命先からラジオを通じてフランス人に、ドイツ軍の侵攻に対しての抵抗を呼びかけたそうです。放送は、その日の夜19時に流れ、フランスの歴史に残る演説のうちのひとつに数えられているそうです。

でも、確か、ド・ゴール将軍も日本人のことを「エコノミック アニマル」と呼んだというようなことを、どこかで聞いたような記憶があります。(Web上で探しても、確たる記録はありませんでしたが。)この「エコノミック アニマル」という言葉は、もともと、当時のパキスタンの首相ブット氏が、(本当かどうか知りませんが)日本を褒める意味で用いたことばだったとか。しかし、今でも日本人をanimal économiqueと称する人たちが、フランス人の中にもいます。(例えば、日本の戦後史に関する記述などで。)

もともと唯一の創造神を信じるキリスト教文明においては、人間と他の被造物(つまり、人間以外の動物たちや自然)との間には厳然たる区分けが存在しています。人間には、他の被造物を管理するという義務が負わされているのと同時に、それらを利用することが許されています。その点、日本の神道(幕末以降相当キリスト教の影響を受け、本来持っていなかった創造神や死後の審判といった思想を取り入れましたが)においては、人も神も自然(つまり動物なども)、皆イザナギとイザナミの二柱の神より生まれ出でており、さらに、イザナギ、イザナミももとをたどれば、天之御中主神(あめのみなかぬしのかみ)、高御産霊神(たかむすびのかみ)、そして神産霊神(かみむすびのかみ)から生まれ出でているわけですから、皆家族親戚のようなもので、すでに述べたような西洋的な人間と動物がまったく異なる被造物であるといった考え方は基本的にはありません。

ようするに、西洋人が人間を動物の範疇に含めるということは、ちょっと問題があるように思えるのです。歴史を見ると、西洋において人間の虐殺が行われる場合、虐殺の対象はすべて人間の範疇からはずされています。つまり、西洋人にとって組織的に殺戮を行う場合、その対象となる人たちは、キリスト教が定義する人間ではないことが必要なのです。例えば、悪魔と契約を結んだ魔女のように。(フランスで迫害をうけたユグノーたちも同様です。)そして、ナチスによって殺害されたユダヤ人たちなど。後者は、キリストを殺したために呪われた人種であり、そのほかありとあらゆる理由によって人間以外の存在とされてしまいました。

最近では、キューバのグアンタナモ収容所で虐待を受けた人たち、あるいはまた原爆が投下されたときの日本人も、上記の意味で、アメリカ人から人間に害をなす人間以外の存在と見做されてしまったのでしょう。

仮に自分より劣った存在であったとしても、人間の範疇(つまり、自分たちと同様に神から造られた本来の人間)に含まれている場合は、そうした劣った存在を教え導く姿勢も西洋文化には見られます。でも、一旦、それらの存在が人間と見做されなくなった場合、想像を超える規模の悲劇が人間の手によってもたらされてしまったのです。もちろん、今は(すくなくともヨーロッパは)、そうした危険に気づいていると思いますが。

少し、深刻な方向に話を持っていってしまいましたが、明日からマルセイユの友人を訪ねて南仏に出かけます。天候が心配ですが、また、折に触れて現地の模様をご報告させていただきます。

旅先にて(5)

自分のブログに例の奇妙なウサギ人間の写真を載せたことを、世話になっている家の奥様(何を隠そう、留学時代以来、こちらで私の親代わりになってくださっている方ですが)に伝えると、「あんなへんてこりんなものより、もっと気の利いたものの写真を載せたら」とのご提案を頂いたので、他のオブジェの写真も何枚かご覧に入れたいと存じます。とりあえずは、当たり障りのなさそうなものから。下は、村にある2軒の高級ホテルの近くの公園です。

次から、陳列されている作品ですが、いずれにしてもどこかしら奇妙であることには間違いないような気がします...

最初は、上の写真に写っている教会の向かって右側の芝生の上に置かれたオブジェです。上からぶら下がっているのは、ご存知ミケランジェロのダビデ像、そして、その下で一生懸命にそれを避けようとしているように見えるのがミロのビーナスです。(はるか遠くに見える村のプロテスタント教会の尖塔が、ダビデをつついているように撮影しようとしたのですが、やめました。 )

次は、村にある2軒の高級ホテルのひとつの近くで撮影したもの。道路の奥の右側がそのホテルです。道路に停車中の自動車が何で出来ているかお分かりになりますか。
実は、このように大理石でできております。原寸大のキャデラックだそうです。下に「乗車禁止」と書いてありますが、乗ろうにもドアが開かないことには...木刀みたいな自動車です。そして、その下は、本物のポルシェ。上記の高級ホテルの前に止まっています。そしてそれを眺めているのは、首から上が煙突だったりする一群の彫像。
次は、多少スイスらしい雰囲気の、木彫りの牛だか、馬だかの行列です。

そして、その下は炭鉱などで用いられるトロッコに人の顔が詰まっているという作品。なんとなく石田徹也さんの絵を思い出したので、撮影しました。

最後は、円空か、木喰(もくじき)上人の手による仏像さながらのリスの彫像です。(こちらは、別に今回のトリエンナーレの出品作ではありません。が思わず手を合わせたくなるような、どこかしらありがたい厳かさを感じてしまいます。)

Sunday 21 June 2009

旅先にて(4)

仏検を受験された皆様、ご苦労様でした。いうまでもありませんが、今晩はとりあえずテストのことは忘れ、十分に休養なさってください。

さて、私のほうはといいますと、天候にはさほど恵まれてはいないものの、お蔭様で引き続きのんびりさせていただいております。昨日は、バーゼルにある友人の妻君の実家を友人の家族と訪ねました。昼食後、こちらへ戻る友人家族を見送り、妻君のご母堂と久しぶりにバーゼルの町を散歩しました。まずは、現在開催中のヴァン・ゴッホ展を観に美術館へ。これまであまりゴッホには興味をもたなかったのですが、折角来ているからにはと訪れてみましたが、なかなか見ごたえのある展覧会で、ゴッホの人生の流れとそれに伴う画風の変遷がとても分かりやすく示されていました。帰りは、バーゼルからの直通の急行でしたが、たまたま、同じ列車に上記友人夫妻の長男Flurin君(19歳)が乗り会わせていました。前回、訪れたときまでは、ずっとドイツ語で話していたのに、何故か、今回は私とはフランス語で話してくれます。大きくなって、異国人に対するスイス人らしい配慮が身についてきたんだなと嬉しく思いました。おしめをしているころから知っている子が、ブロンドの背が高いbeau garçonに成長していて、歳月の過ぎるのを本当に早く感じます。

ところで、以前の報告の中で、今回のトリエンナーレではウサギのオブジェが公衆トイレの上に乗ったりしていると書きましたが、見れば見るほど奇妙な風景なので、写真を載せます。宿泊先のダイニングから見える風景です。画像のほぼ中央に見える円形の建物が公衆トイレです。
こちらの人はBarbie Hase(バービー人形ならぬ、バービーウサギ)と呼んでいますが、下がアップの画像です。確かに首から下は女性のようです。奇妙なウサギ人間がトイレの上にしゃがみこんでいて、「ウサん臭いということなのか」と思ったりするのは日本人の私くらいのものでしょうけど...
最後に雨空の下の宿泊先の裏庭です。聊かの風情が感じられたもので。

Friday 19 June 2009

Simpei君へ

コメントどうもありがとうございます。今日は、また雨です。天気任せののんき旅なもので、別に構わないのですが、それでもあまり雨が続くとさすがに参ります。明日は友人夫妻の奥さんの実家があるバーゼルへ彼らと一緒に行き、現地の美術館で現在開催中のバン・ゴッホ展を観に行こうと思っています。帰国したら、またいつか、ゆっくりとお話をさせてください。勉強がんばって。そして、くれぐれもお体を大切に。

旅先にて(3)

こちらの報道から得たものではありませんが、昨日の小旅行の道中、些細なことですが、ひとつ気がついたことがあったのでご報告します。
逗留先に戻る列車を待っていたLandquartという駅で、別のホームに入線してきた列車のある車両の出入り口近くに設置された、行く先等を示す電光掲示板に、「ESPACE SILENCE」と表示されているのも見つけました。他の車両の電光掲示板にはこの表示はありませんでした。
はて、なんだろうとスイス国鉄のサイトを見ると、当該車両では以下の行為は禁止とのこと。
・会話(小声で行う場合も含む)・音楽やラジオを聴くこと(ヘッドフォンを装着する場合も含む)・PCにおける音声や動画の再生・電話での通話
そういえば、フランスのTGVの車両にも、ZENとZAPという2つの区分が設けられていることを思い出しました。前者は、スイス国鉄における「ESPACE SILENCE」に近いもので、後者はその逆に会話、歓談、トランプなどのゲーム等が許されていて、ようするに「騒々しいお客様専用車両」ということです。ただ、TGVのZENでは、ヘッドフォンでの音楽鑑賞は許されているようですし、少し規制がゆるいようです。
ただ、このスイス国鉄の「静粛車両」ですが、必ずしも期待どおりではないといった書き込みが土地のWEB上の掲示板にありました。完璧ということは、ありえないようです。

旅先にて(2)

仏検を受験される皆様は、いよいよ試験日が近づいてきましたね。緊張の中、日々をお過ごしになっている皆さんに比べ、一人のんびりさせていただき、申し訳ありません。
なお、先に投稿した時事用語のヒントですが、最初の投稿後、いくつか加えましたので、眺めなおしてみてください。
さて、昨日ですが、良い天気だったので、滞在場所から電車とバス乗り継ぎ、Müstair(ミュスタイア)という、スイスの東端に近い村を訪れました。なんでも、そこのベネディクト会ザンクト・ヨハン(女子)修道院は世界遺産に登録されているそうです。いくつか写真をとりましたので、掲載します。

上記修道院の教会の中を見せてもらい、墓地を含むその庭から出ようとすると、いきなり近くのベンチに座っていた男の子から「こんにちは」と声をかけられました。びっくりして「日本語が話せるの?」と聞くと、それだけしっているとのこと。さらに、一緒にいたもうひとりの男の子から、さようならは、日本語でなんていうのかたずねられたので、教えてあげました。余程多くの日本人が訪れるのでしょうね。(昨日はたまたま会いませんでしたが。)




ところで、現在滞在中のBad Ragazですが、彫刻のトリエンナーレが開催されています。今回で、4回目とのことです。というわけで村のいたるところにさまざまなオブジェが展示されていて(公衆トイレの上に大きなうさぎが座っていたり)、少々不思議な世界が展開しています。

上の二枚は、どちらも駅から逗留先の家に至る村のメイン・ストリートを歩いていて目にした風景です。右側は、集合住宅の庭に配置されたオブジェ、そして右側はジャコメッティを思い起こさせる長細い人の彫像が、向こう側の歩道を眺めるように並び立つ様子です。真ん中の人影は、何を隠そう私自身のものであります。

Thursday 18 June 2009

旅先にて(1)

お伝えいたしましたように、15日から1ヶ月程の予定で、留守にしております。その間、恐らく新たな投稿はできないと思いますが、とりあえずご報告までに滞在先の付近で撮影した写真を載せさせていただきます。(こちらにいながら、現地の話題について投稿ができないというのもおかしな話ですが、ご容赦ねがいます。)

スイスというと、連なる山々や巨大な氷河など、なんとなく雄大な光景を思い浮かばれると思いますが、このあたりで目にするのは、スイスといわれるとそうかもしれないと思われる程度のこじんまりまとまった風景です。なお、滞在しているのは、Bad Ragaz(バード・ラガーズ)という温泉地で、歩いて行ける程度の距離のところに『アルプスのハイジ』の中で、病弱のクララが暮らしていたMaienfeld(マイエンフェルト)の村があります。これらの写真は、そのマイエンフェルトで撮影したものです。

Sunday 14 June 2009

仏検1級時事用語のヒント

仏検1級受験者の皆様

対策講座の受講、たいへんお疲れ様でした。また、隔週の講座を受講され同様に1級を目指されているY様、たいへんお疲れ様でした。

ご参考までに以下にいくつか(出題されそうな?)時事用語をご紹介いたします。


・豚(A/H1N1型)インフルエンザ grippe porcine

・冤罪 fausse acusation

・核(兵器)の拡散 prolifération nucléaire

・核実験 essai nuclaire

・大陸間弾道ミサイル missile balistique intercontinental

・核弾頭 tête nucléaire

・EMS細胞 cellule souche embryonnaire

・地上デジタル放送 télévision numérique terrestre

・(司法における)DNA鑑定 test ADN judiciaire

・エンドユーザ(末端顧客) utilisateur final

・(Windowsのような)基本OS système d'exploitation

・USBメモリ clé USB

・デジタルコンテンツの違法コピー piratage numérique

・知的財産権 propriété intellectuelle

・ハッブル宇宙望遠鏡 téléscope spatial Hubble

・国連安全保障会議常任(非常任)理事国 membre (non) permanent du Conseil de Sécurité de l'ONU

・合計特殊出生率 taux de fécondité

・臓器移植法案 projet de loi transplantation d'organes
(「臓器移植」については、過去に出題されたような気がしますが)


とりあえずは、このあたりで。また、もし皆様のなかで、他の言葉を思いつかれた場合は、お手数ですがコメント欄へのご記入をお願いいたします。

Good Luck to everyone!

Friday 12 June 2009

経済危機に強い旧東ドイツ?

6月11日付『Le Monde』誌より

6月9日公表されたドイツ政府の報告によると、旧東ドイツに属していた州のほうが、他の州(旧西ドイツ諸州)よりも今回の世界的経済危機の影響が少ないことがわかったそうです。
例えば、2009年の第一四半期における加工業の業績について言えば、西側が-21.1%だったのに対し、東側は、-16.1%でした。そして、2009年の国内総生産の見通しも、西側の-6%に対し東側は-5%となっています。

もちろん、旧東ドイツ諸州の比較的好調な経済は、危機の影響を受けにくい環境技術や先端技術産業関連の企業が多く存在していることにも一因はあるでしょう。しかし、記事によると、むしろ旧東ドイツ諸州の構造的な問題が、皮肉にも今回の危機に対する抵抗力を与える結果になっているというのです。

具体的には、旧東ドイツ諸州は、旧西ドイツ諸州に比べ、工業の発展においてははるかに遅れをとっています。そして、存在する企業というと、大企業というよりは、むしろ中小企業が多く、それらの輸出依存度は極めて低いのです。

つまり、旧東ドイツ諸州の経済は、基本的に内需によって回っているということがその"強さ"の原因というわけです。ただ、当該地域の経済が、いまだに政府からの支援を受けていることも忘れてはいけません。

さらに、ベルリンの壁の崩壊から20年を経た今日でも、東側の国内総生産は、西側のそれの71%にしか及ばす、また、5月の失業率も13.2%と、西側の7%のほぼ2倍です。東側の失業率のさらなる増加を危惧する専門家たちもいます。そして、西側に比べ、もともと旧共産圏諸国とつながりの深い東側において、今後、前者における経済危機の影響を受けやすいということも指摘されています。

ドイツ政府は、その支援政策が期限を迎える2019年までには、旧東ドイツ諸州の経済水準が、西側諸州のうちそれが最も低い州の水準にまで引き上げられることを期待しているとのことです。

(「L'ex-Allemagne de l'Est résiste mieux à la crise que l'Ouest」より)

美女とベットの上の野獣?

次にやはり、同じ6月11日付電子版『Spiegel』誌に掲載されていた、少々変わった話題をご紹介しましょう。

(もともと『The Times』に掲載された記事とのことです。)

所は、マグネチック・アイランド(クイーンズランドの東海岸沖:グレートバリアリーフの側)。オーストラリアの南部から休暇で現地を訪れていた3人の若い女性観光客が、ホテルの部屋でなんと一頭のコアラと遭遇。しかも、彼は部屋の中のベッドにひとつずつ上ってそれぞれの快適さ(?)を比較した上で、最終的に青とピンクの花柄のベッドの上に横たわり、うたたねをはじめたとのこと。どうやら、それが一番寝心地が良いベッドだったようです。

『The Times』によると、どうやら近くの木から下りた際に、誤ってホテルのテラスに入り込み、そのままこの部屋にまで入ってきてしまった様子とのこと。

彼女たちは、その様子を面白がって観ていましたが、やがて付近のコアラ・ツアーガイドに通報。このコアラ君は若いオスで、その写真を見せられたツアーガイドのリーダーは、以前生れた際に自分が発見したものと同じ個体であると特定、よく元気で生きていたものだと久しぶりの再会に感動していたそうです。

事件の舞台となったマグネチック・アイランドにはコアラたちの餌となるユーカリが生い茂り、現在200頭ほどが生息しているそうです。

しかし、寝心地の良いベッドを選ぶとは恐れ入りました。そのうち、家具センターにでも迷い込んできたら、数があるだけに相当時間をかけて選ぶでしょうね。もっとも寝心地の良いベッドを。コアラのお墨付きのベッドです。

(「Touristinnen finden Koala im Hotelbett」より)

ドイツ日本人学校におけるA型インフルエンザ感染(続報)

6月11日付電子版『Spiegel』誌にデュッセルドルフ日本人学校におけるA型インフルエンザ感染の続報が掲載されていました。(日本のメディアも伝えていますが。)

すでに30人を超える感染者が児童・生徒の中に確認されており、彼らの家族も検査を受けているとのことです。

これらの日本人(32人の感染者)を含めると、ドイツ中で100人を超える感染者が現在確認されています。

(「Massentest auf H1N1- Viren in japanischer Schule」より)

Thursday 11 June 2009

ドイツ日本人学校におけるA型インフルエンザ感染

6月10付電子版『Spiegel』において少々気になった記事があったので、お知らせしておきます。

「Fast 30 japanische Kinder in Düsseldorf erkrankt」

例に漏れず、ドイツでもA型インフルエンザの感染者は増加していますが、昨日の水曜日、ノルトライン―ヴェストファレン州(州都:デゥッセルドルフ)において、新たに40人の感染者が報告され、そのうち26人が、デゥッセルドルフ日本人学校の生徒とのことでした。(学校のHPによると27名)当該校においては、すでに前日の火曜日に2人の生徒の感染が確認されており、この生徒達から周囲に広がったものと思われると市当局の説明がありました。この日本人学校には、560名もの生徒が通っていますが、7月19日まで閉鎖されるとのことです。

なお、現時点におけるドイツ全体の感染者数は100人以上にのぼっています。

この学校には以前の私が教わった先生も赴任されていたことがあり、フランス留学中、お宅でお正月を過ごさせていただいたことがありました。

感染した生徒の方々が一日も早く完治されますよう祈ります。

Tuesday 9 June 2009

赤白混合によるロゼワイン非認可へ

敬愛するTさんへ

フランス文化通、そして何よりもフランス・ワインに精通され、フランスを愛してやまないTさんにとって朗報です。

以前、ことによると欧州連合加盟各国において(当然フランスも含めてですが)、白ワインと赤ワインを混ぜることによる”ロゼワイン”の製造が解禁されるかもしれないとお伝えしましたが、どうやら、先日の欧州議会選挙で保守派が優勢となり、そのせいもあって上記の方法によるロゼワインの製造が欧州連合域内においては認可されないことになりそうです。つまり、これまでどおりの製法で製造されたロゼワインのみが欧州原産のロゼということになります。

この法案の採決は6月19日に予定されているそうですが、現在、フランスはもちろん、ギリシャ、ドイツ、ハンガリー、イタリアが当該法案に反対しており、そのため成立に必要な過半数には達しないことが確実になったようです。

米国やオーストラリアなどでは、赤白混合によるロゼワインの製造が認められているそうですが、やはり文化や伝統を大切にするお国柄ですね。(フランスのワイン製造業者曰く、こうした製法は”異端”とのこと。)

なお、現在、フランスにおけるロゼワインの輸出量は、年間2000万本、赤ワインは31億2千万本、そして白ワインは12億2千万本とのことです。

(2009年6月8日付電子版『LePoint』「Les producteurs de vin rosé crient victoire」より)