Tuesday, 30 September 2014

アルブラ鉄道博物館の入場券付往復乗車券,レティカ鉄道のどの駅からでも30フラン(50%OFF)

購入期限が10日を切ってしまいましたが,詳しい利用条件と購入はこちらから.

ポワロが食べ損なった雷鳥料理が味わえるロンドンのベスト・レストラン

名探偵ポワロシリーズの『猟人荘の怪事件』で,ポワロは赤雷鳥("Red grouse")の料理を楽しみにしていましたが,風邪のために,それを味わう機会を逃してしまいます."The Glorious Twelfth"と言われる赤雷鳥の狩猟解禁(8月12日)以降,この鳥の料理を供するロンドンのレストランのリストがこちらのサイトに掲載されています.その中でも,The Jugged Hareというお店では,射止めてから12時間以内に調理したものを出すそうです.(ただ,ポワロが望んでいたのは,射止めた直後に調理されたものだったようですが.*1) また,スコットランドのエディンバラでは,こちらのレストランなどで味わえるようです.ついでに,エディンバラのレストランでミシェランから星が与えられた店は,こちらで紹介されています.(もっとも,ミシェランの判定なるものが,果たしてあてになるのかどうかは判りかねますが.)

また,フランス語では赤雷鳥は"Lagopède des saules",または,"Lagopède d'Écosse"(前者の亜種)と呼ばれますが,スイスのクリシエ(Crissier)にあるベノワ・ヴィオリエというレストランのメニューにも,この鳥を使った料理があるようです.

ところで,ドラマの中でポワロは,狩猟の終了を待つ間に彼の側に来たアヴェリ夫人に自分の国(ベルギー)では,赤雷鳥の代用として(ヨーロッパ)オオライチョウ("Wood grouse”,フランス語では"Tétras")を使うと言いますが,フランス語ですが,その調理法がマリー・クレールのサイトのこちらのページに掲載されていました.ポワロは,松臭い("piney")と言っていましたが,果たしてどんな香りと味になるのでしょうか.(さすがに,マリー・クレールのサイトに紹介されているものですから,別段問題はないと思いますが.)





*1) "It must be eaten fresh, "while the gun is still smoking", as we say."と彼は言っています.

Monday, 29 September 2014

明30日,ルフトハンザのフランクフルト発の長距離便に欠航あるいは遅延の可能性

本日付Focusの"Lufthansa-Piloten streiken am Dienstag"によると,ルフトハンザのパイロット組合は,明30日,8時から23時までのストライキの実施を表明しました.該当する可能性のあるのは,Airbus A380, Boeing B747, Airbus A330, Airbus A340によって運航されるフランクフルト発の便です.なお,ミュンヒェンやデュッセルドルフなど,他の空港発の便は平常運行される見込みです.

ドイツ外務省が公表している渡航を避けるべき国のリスト

"Reisewarnung"は,渡航を避けるべき国,"Teilreisewarnung"は,立ち入りを避けるべき地域がある国です. また,"Reise- und Sicherheitshinweise"は,安全に旅行したり滞在するための勧告がリンク先ページに掲載されているという意味です.(元のページへはこちらから.)
また,フランス外務省のサイトには,国別の情報が掲載されています.

Sunday, 28 September 2014

エール・フランスのパイロット組合,ストライキの終了を通告

NZZのニュースティッカーによると,本日,AFのパイロット組合SNPLは,会社側にストライキの終了を伝えたとのことです.ただ,交渉は妥結に至っておらず,引き続き行われるそうです.

先ほど届いたニューオブザーバーのニュースレターによると,AFのフライトは火曜日30日から徐々に平常運行に戻るとのことでした.(下のTF1のニュースによると,完全に平常に戻るには,2,3日かかるようです.)

機内で傍若無人に振る舞う乗客の写真が公開されているFacebookのアカウント

Passenger SHAMINGというアカウントです.客室乗務員たちによって投稿された(?),非常識な振る舞いをする航空旅客の写真が公開されています.

ポワロがジャップ警部に勧めたフィレ・ミニョンのレシピをロンドンのレストランで味わうなら

テレビドラマ『名探偵ポワロ』シリーズの『ヒッコリー・ロードの殺人』("Hickory Dickory Dock")の冒頭の部分で,ポワロとジャップ警部が肉屋に入り,警部がポワロに勧められるままに高価なフィレ・ミニョンを購入するシーンがありますが,Le magazine du Mondeにそれを使ったレシピがいくつか紹介されていました.

ドラマの中で,ポワロは警部にフィレ・ミニョンをミディアムに焼いて,ベルン風ソース(la sauce Béarnaise)をかけるという調理法を教えますが,紹介したレシピの中にはベルン風ソースを使ったものはなさそうです.*1) ただ,同じサイトの他のページに,このソースの作り方が紹介されていました.と書いてから,念のため,もう一度調べたところ,Savour.comのサイト(英語)の中でひとつ紹介されていました.こちらのページです.*2)

もっとも,ジャップ警部がこのような複雑な料理に挑戦するとは微塵も考えられないので,ロンドンのレストランでこの料理を出している店を探してみた結果,多くの顧客から高い評価を得ているというHawksmoorという店があることを知りました.(yelp.co.ukで"best filet mignon"というキーワードで検索した結果.)市内に数店舗あるステーキレストランで,例えば,Spitalfields店メニューを見ると,お好みで選べるソースの中にベアルネーズも含まれています.(他の店舗のメニューでも同様.なお,元々フィレ・ミニョンはフランス語ですが,英国では,通常,単にFilet (steak)と呼ばれるようです.*3))こちらのレストランなら,警部もきっと満足されることでしょう.

ところで,肉屋でジャップ警部が最初に求めようとした「首肉」は,"Scrag end"と呼ばれる羊,あるいは子羊の首の部分の肉で,安価で主にスープやシチューに用いられるようです.




*1)冒頭の二人と店員のやりとりは次のとおり:
I don't know about this, Poirot.
But I assure you, Chief Inspector, it is of the quality most fine.
Well, I'm sure, but

Yes, sir? 
Have you got a nice bit of scrag end? 
Scrag end, sir? 
Non, non, non. Chief Inspector the scrag end, it is an animal native to Isleworth.
It does not, I think, habituate elsewhere.
Non, non, non. Might I suggest un morceau de filet mignon, cooked a point, avec la sauce Béarnaise? 

All right, then.
となんだか,二人の会話はとんちんかんのように聞こえます.(特に,ポワロが"scrag end"が何を意味しているのか正しく理解しているのか...)
*2) そこに書かれている説明によると,このレシピ("Filet Mignon With Béarnaise Sauce And Roasted Asparagus")は,ドミニカ共和国のExcellence Punta Cana ResortというホテルのThe Grillというレストランで提供されているメニューのひとつのようです.なお,アントルコットのベアルネーズ・ソースかけというレシピなら,こちらに紹介されています. 
*3) それでも,Hawsmoorの利用客の感想の中に,しばしばfilet mignonという言葉が表れますが.

ルフトハンザとDBのストライキの可能性

現在,ルフトハンザのパイロットの組合VCとドイツ鉄道の機関士の組合DGLが,それぞれ待遇改善を求めて会社側と交渉を続けているようですが,今のところ,妥結の目処はついていないようです.もし,これら二つのドイツの主要交通機関の労使交渉が妥結に至らない場合,空と陸の交通が麻痺してしまう可能性があると26日付シュピーゲルの"Geplatzte Tarifgespräche: Flug- und Bahnreisenden drohen neue Streiks"は伝えています.

近い将来の温室効果ガスの主要排出源は石炭!?

2014年1月29日付電子版シュピーゲルのインフォーグラフによると,気候変動の主要な原因とされる温室効果ガスの排出源は,まもなく石炭になりそうです.そうした状況の出現に,最も大きな役割を果たしつつあるのがエネルギーの大量消費国である中国です.以下,3枚のスライドの内容の簡単な説明です.(記載されている全ての数字の単位は100万トン.)
  1. 大きな円グラフは,中国の石炭消費量の経年変化を示していますが,小さな円グラフに記されているように,1990年から2012年にかけて271.9%の増加を記録したそうです.同じページの右上は,2012年の全世界のエネルギー消費量の比率を示したグラフです.左側の数字は,石油に換算した消費量.
  2. 全世界のCO2の5年毎の排出量を示したものですが,各棒グラフの右端のブルーの部分が石炭起源を表していて,2010年の石炭起源の排出量の全排出量に対する比率は,1971年に比較して6.4%の増加となっています.右上の折れ線グラフは,全世界における石炭需要の増加の様子を示しています.
  3. 左は世界の化石燃料を現在のペースで消費した場合の使用可能年数を表しています.(左から,石炭,天然ガス,原油.)右は,現状の生産ペースが継続した場合の,各国の褐炭及び石炭生産可能年数です.

ペロブスカイト・セルを使った太陽光による水素の生成

人工光合成による酸素の生成技術は,すでに大きな進歩を遂げていますが,燃料電池の製造に必要な水素が,太陽光によって水を分解することによって得られることも可能であることが判っていて,その技術についてのスイス,ローザンヌの連邦工科大学のMichael Grätzel氏を中心とする国際研究チームの報告が"Science"に掲載されています.それによると,ペロブスカイト(ニッケルや鉄など)を使ったソーラー・セルによる水素生成効率は,今のところ,12.3%だそうですが,理論的には20%迄増加させることが可能のようです.

ペロブスカイト・ソーラー・セルによる水素生産の最大の強みは,現在の太陽光発電では生産した電気を蓄えることができないのに対し,生成される水素を蓄える手段がすでに存在しているということです.そして,電気分解に比較して,コストも低いということも挙げられます.さらに,研究者達は,異なる2つのペロブスカイト・ソーラー・セルを組み合わせて,水素と同時に酸素も生成させることにも成功したそうです.つまり,太陽光エネルギーによる水の電気分解が可能になったというわけです.

以上,9月27日付電子版シュピーゲルの"Solarenergie: Billig-Zelle verwandelt Licht in Wasserstoff"より.

Saturday, 27 September 2014

エール・フランスのストライキ,30日迄は継続の見込み

27日付のAir Journalの記事によると,組合側はすでに9月30日までのストライキ続行を告知しているそうです.

なお,利用便の最新の運航情報は,エール・フランスの公式サイトのこちらのページ(英語)でご確認ください.また,7日以内に出発する予定の便の運航情報についてはこちらのページで.(英語)

以前にもお知らせしたように,予約した便がキャンセルされた場合も,そうで無い場合も予約の変更は無料で可能です.(ウェブ上での変更はこちらのページ上のReview/modify your resersavationをクリックしてください.(英語)))

と書いた後で日本語のサイトを見たら,当然ですが,同様の項目がありましたので,ご確認下さい.(【運航情報・時刻表】と【確認・変更】)

ソーシャルメディアにはソーシャルメディアを - 世界のイスラム教徒,TwitterやYoutubeでISに対抗

今,Twitter上で#NotInMyNameで検索すると,世界中のISに反対するイスラム教徒の意見を読むことができます.26日付スイスの有力紙チューリヒ新報の26日付"Muslime gegen den Islamischen Staat"によると,すでに,これ迄に世界中で65,000件ものトゥイートが配信され,25日の木曜日だけでも,16,000件が配信されたそうです.)そのほか,FacebookやYoutubeでも同様の目的で多くの配信が行われています.下に紹介する英国に拠点を置くActive Change FoundationがYoutube上で配信した映像のアクセス数は,すでに225,000回を超えているそうです.なお,この団体の設立者Hanif Qadirさんは,元イスラム過激派の戦闘員だったそうですが,今は,イスラム過激派に反対する活動を行っていて,最近では特にISによる若いイスラム教徒たちの戦闘員へのリクルーティング阻止に力を入れています.



そして,日本でも既に報じられていると思いますが,今回のシリア空爆には,アラブ首長国連邦で初の女性戦闘機パイロットであるMariam al-Mansuri少佐が参加したことも,アメリカなどのニュースメディアが大きく報じています.(チューリヒ新報の関連記事はこちらから.なお,それによると,アメリカ軍の給油機のパイロットたちが,彼女が操縦する戦闘機から最初に連絡を受けたとき,彼らはそれが女性の声によるものだったことに驚き,20秒間応答ができなかったそうです.)ただ,27日付シュピーゲルの"Syrien: Luftangriffe können Vormarsch des IS nicht stoppen"の伝えるところによると,シリアにおけるアメリカなどによる空爆は,今のところISの占領地域拡大を阻止するには至っていないようです.

そういえば,去年の10月21日付のFocusの"Die mysteriösen Sexsklavinnen an der Front des Syrien-Kriegs"が,当時,アサド軍と戦うアル・カイダの兵士の性的欲求を満たすためにチュニジアの女性たちが,そのために志願して前線に赴くケースを報道していました.彼女達のコーランの解釈によると,もし,そうした行為のために戦地に居たために命を失えば,兵士たちと一緒に天国へ行けるのだそうですが,ISの兵士に対してもそうした自らの体を提供する女性たちがいるのでしょうか.そして,彼女達が,今回の空爆対象地域にいたとしたら,場合によっては,イスラムの女性空軍兵士の爆撃により,イスラムの女性が亡くなる事態も起こりうるということになります.ところで,兵士たちの性的欲求を満たすために,女性が戦地へ赴くことは,近代では第一次世界大戦にも英国などでありましたが,もちろん,完全志願制であったことは言う迄もありません.こうした行為は,イスラム教,キリスト教といった宗教の違いにはよらないのかもしれません.もっとも,上記のイスラムの聖典解釈には異なる見解も存在しているそうですが.

PLM 231 K8牽引の特別列車,本日パリ,ランス間を往復

またまた,お知らせが遅くなり申し訳有りませんが,長期間に及ぶ修理が完了し,PLM 231 K8が動態復活しました.そのお披露目として,本日,パリの北駅とランス間でプルマン車と食堂車を含む特別列車を牽引します.詳しくは,MFPNのサイトのこちらのページから.(ことによると,すでに出発してしまったかもしれません.)

Thursday, 25 September 2014

NYMRの秋のSL祭,今週末開催

今年のNYMRのAutumn Steam Galaは,26日から28日迄.詳しくは,NYMRのサイトのこちらのページで.

もちろん,A4パシフィックのSir Nigel Gresleyもその勇姿を披露します.また, ゲストとして,GWRのロコも三両参加するようです.

(今年の8月末に開催されたNNRのSteam Galaの映像がYoutubeのこちらのアカウントにアップされていました.ただ,何故かBGMのみで現地音がありません.)

Wednesday, 24 September 2014

帝国鉄道時代以降の全てのドイツSLのデータを収録したCD

以前,『ドイツSLファンの方へお奨めの書籍 - 01から59までの図面集』というポストを公開しましたが,Eisenbahn JOURNALから,それに加えてタンク機の60形から98形までの図面集と,それらの図面集のもととなった各形式の写真,図面,そして詳細な解説が掲載された全8巻の"Dampflok Report"を含む,まさに帝国鉄道時代以降のすべてのドイツSL(帝国鉄道発足時,編入された旧領邦鉄道のSLおよび狭軌用99形も含む)のデータを1枚のCDに収めた"Dampflokbaureihen 01-99 (CD-ROM) Die Dampflok-Baureihen der DRG, DB, DR"が発売されました.価格は15€.日本迄の送料は9€です.なお,今のところ,このCDはVGBのサイトからのみ購入可能です.

(早速,購入して,内容を確認したところ,まさに至れり尽くせりとはこのこととばかりに,形式番号やその他の運転台側面の表記についての解説("Dampflok Report" 第2巻)や 各統一規格型テンダーの紹介(同第3, 4巻),さらに狭軌用機の形式番号についての解説(同第8巻)なども含めた,ドイツSLに関するあらゆる情報を網羅したデータベースとなっています.)

Tuesday, 23 September 2014

エール・フランス,すべての利用者に旅行の予定を10月1日以降へ延期を勧告

本日,届いたL'EXPRESSのニュースレターによると,明24日,運行が確実視されているのは全体の46%だそうです.そして,エール・フランスは,30日までに出発する便を予約した利用者には,翌日(10月1日)以降に出発を延期するよう勧告しているとのことです.(変更する場合は,もちろん手数料は無料です.)

2016年にはTGVとICEがより便利に

9月23日付のフランス国鉄のプレスリリースによると,2016年に実施が予定されているドイツ,フランス間での高速列車の運行計画は以下のとおり.
  • 2016年春には,パリ,シュトゥットガルト間の所要時間が30分短縮され,3時間10分となります.そして,当該区間の列車本数も,現状の平日4往復から5往復に増加されます.
  • 上記の結果を受け,パリ,ミュンヒェン間も5時間40分で結ばれるようになります.
  • パリ,フランクフルト間も,現状の平日5往復から6往復に増加されます.また,当該区間にはストラスブールを経由する新線が建設されつつあり,開通すると所要時間が現状より15分短縮され,3時間35分となります.なお,これらの6往復のうち,4往復が現状のザールブリュッケン,カイザースラウテルン経由で運行され,残りの2往復がストラスブール経由で運行されるようになります.
  • 以上の結果,フランクフルト,ストラスブール,リヨン,マルセイユを結ぶ列車も含めると,ストラスブールとドイツ南東の2つの商業都市,フランクフルトとマンハイムが毎日3往復の高速列車によって結ばれることになり,ストラスブールとカールスルーヘには毎日7本の高速列車が停車するようになります.
  • 車両についても,2012年に導入が開始された最新型TGV Euroduplexに,同じくICE 3(407系)が加わり,利用者にさらに快適な旅を提供すると同時にエネルギーの一層の削減を可能にします.
上掲の「新線」に設定したリンク先の資料によると,2016年に開業が予定されているのは,Baudrecourt,Vendenheim間の106 kmで,開業するとパリ,ストラスブール間の所要時間は30分短縮され,1時間50分になるそうです.(p2)また,6ページには,新線開業後の所要時間が示されています.(表の右端の列が新線開通後の各区間の所要時間です. )

ところで,上記は欧州東高速幹線鉄道計画の一部を成すもので,すでに紹介した資料の12ページの2006年7月に同プロジェクトが公開した図(下)が示すように,やがてはパリからブダペストまで高速列車での移動が可能になります.(図にはブラチスラバまでしか記載されていませんが.)


このルート,すなわちパリからストラスブール,シュトゥットガルト,ミュンヒェン,ザルツブルグ,ウィーンを経てプラチスラバ,あるいはブタペストへ至るものは,まさに,1921年に運行を開始したオリエント急行(シンプロン・オリエント急行ではないほう)のルートそのものです.(下図の赤い太線)つまり,この路線を走る高速列車は現代版オリエント急行と呼べるでしょう.ただ,全線開通は早くとも2025年以降になるとのことです.

Wikipediaの『オリエント急行』より

スリーコースメニュー2人分が1人分の料金で - ヨーロッパ各地のレストランで28日迄

リール,パリ,ストラスブール,リヨン,マルセイユなどで同時開催.予約はこちらから.(フランス語のみ)

L'EXPRESSの関連記事によると,フランス全国でおよそ1500ものレストランが参加するそうです.英語の公式サイトもありました.それによると,フランスのみならず,ベルギー,スイス,ルクセンブルグ,ドイツ,イタリアのレストランも参加しているようです.

なお,関連して美食の祭典というイベントも26日から28日まで開催されますが,日本では東京と福岡が開催地だそうです. (英語を選んでも,詳細はフランス語でしか表示されません.)

Monday, 22 September 2014

人類が化石燃料を今後30年以上使い続けると,平均気温の上昇幅は2度以上に

そう警告するのは,Global Carbon Budgetの専門家たち.彼らによると,人類は産業革命以降,およそ2兆トンものCO2を排出してきたそうです.そして,現状のペースで化石燃料が使用され,その排出量が維持された場合,30年後には3.2兆トンに達しますが,この量を超えてしまうと,地球の平均気温は2度以上上昇してしまうというのです.そうさせないためには,今後30年間において,少なくとも5%の排出量の削減が必要とExeter大学のPierre Friedlingstein氏は述べています.しかし,専門家たちの報告によると,2014年の温室効果ガスの排出量は2.5%増加しています.また,昨年は360億トンと史上最高の排出量を記録しましたが,さらに,この数字に森林焼失による30億トンもの排出量が加わります.このように,その増加率自体も常に最高記録を更新し続けているのです.

なお,2013年の国別のCO2排出比率は,以下のとおりです.1位の中国は凡そ100億トン,2位のアメリカは凡そその半分,さらに,EU加盟28カ国は35億トンを排出しており,それにインドの排出量を加えると,これらの国だけで世界中で排出された温室効果ガスの凡そ半分を排出したことになります.

1. 中国 29%
2. アメリカ 15%
3. EU 10%
4. インド 7.1%
5. ロシア 5.3%
6. 日本 3.7%
7. ドイツ 2.2%
8. 韓国 1.8%
9. イラン 1.8%
10. サウジ・アラビア 1.5%

WMOは,その報告の中で,1990年から2013年の間に温室効果ガスによる放射強制力が34%増加したと述べています.そして,この先,何の対策も講じられない場合,今世紀末には産業革命当時に比べ地球の平均気温は4度上昇すると,IPCCは予測しています.そのため,現在,さまざまな対策が検討されていますが,決めてとなりそうなものはなかなか見つかりそうにありません.そのひとつ,バイオエネルギーは,食物の安全性や種の多様性保全の観点から問題が提起されていますし,CO2を地中に埋めるとしても,その方法が存在するかどうか,さらに海草類の肥料として用いるといったことも考えられているそうですが,海洋の生態系にどのような影響と及ぼすか,今のところ,全く判っていません.

こちらは,各国の温室効果ガスの排出による気温上昇への関与の比率(1枚目)やの国別累積排出量(2枚目)などを図示したインフォーグラフですが,4枚目の表には気温の上昇において特に責任があるとされる上位20カ国が示されており,表の右側は,もし,これらの国々の人口が同じであると仮定した場合の数値です.それをみると,日本は中国の2倍,そして英国,米国に至っては実に後者の10倍以上気温を上昇させているということになります.(これらのグラフを含むリポート(英語)は,IOPscienceのサイトのこちらに公開されています.)

以上,9月21日付電子版Spiegelの"Treibhausgas-Bilanz: Menschheit darf nur noch 30 Jahre Kohle, Öl und Gas nutzen"からでした.(関連記事:"Uno-Bericht: Klimawandel ändert unsere Welt grundlegend","200-Jahres-Bilanz: Forscher zeigen Rangliste der Klimasünder-Staaten"

画像が示す地球の《肺》の深刻な病状

来年,パリで開催される国連の気候に関する会議の準備会合が,23日,ニューヨークで120以上の国のリーダーたちが参加して行われます.20日付フランスのニューオブザーバーに掲載された12枚の画像が示す地球の森林の深刻な現状.

Sunday, 21 September 2014

Les plus beaux bijoux de l'été prochain, les premières tendances de l'été 2015, Streetstyle à la Fashion Week à Milan, etc.

エール・フランスのスト,26日迄継続の見込み

フランスのニューオブザーバーの21日付電子版"Air France : la grève est reconduite jusqu'au 26 septembre"によるとエール・フランスの労働組合SNPL AF Alpaは,さらに金曜日迄ストライキを続けるようです.

L'EXPRESSのニュースレターに掲載された"Grève: Air France prévoit d'assurer 41% de ses vols lundi"が伝える最新の情報によると,21日に運行された便は通常の38%だったそうです.なお,組合が予定している今後の運行便の割合は41%とのことです.

Focusのウクライナ危機のライブ・ティッカー(ドイツ語)

以前にも紹介したと思いますが,再度,紹介します.アクセスはこちらからどうぞ.

リモコンヘリ(または,Drone)で撮影されたフランスの風景

ベルサイユ宮殿


パリのオペラ座


ヴィランドリー庭園


モン・サン・ミシェル


カルカッソンヌ


さらに他の映像をご覧になりたい場合は,vimeoのサイトへ.

Saturday, 20 September 2014

スコットランド独立を巡る有名人17人の立場

スコットランド独立に賛成,反対の立場を示した英国の有名人が,写真付きでフランスの19日付電子版オブザーバーの"PHOTOS. Écosse indépendante : qui est pour ? Qui est contre ?"に紹介されていました.(コメントに"oui"が含まれている場合が独立に賛成,"non"の場合は反対です.)

EU加盟国内で独立を望む地域

スコットランドの独立を巡る住民投票は反対が賛成を上回る結果となりましたが,その前日,17日付のシュピーゲルの"Streben nach Unabhängigkeit: Europas Rebellen"にEUのメンバーの国内で独立を希望している主な地域を示す地図が掲載されていました.地図上の旗をクリックすると,ドイツ語ですが,その地域についてのデータや解説(Einwohner:人口;Anteil am ... BIP:国内総生産に占める当該地域の総生産の比率)が表示されます.(これを見ると,イタリアは殆ど北半分で,また,イタリア語圏でもあるオーストリアの南チロルでも独立を望む声が聞かれるようです.)

9月28日付電子版Focusの"Katalonier sollen im November überUnabhängigkeit abstimmen"によると,先日,スコットランドで独立の是非を問う住民投票が実施されましたが,次はスペインのカタルーニャ地方で,11月9日に同様の住民投票が予定されているそうです.スペイン政府は,違法として憲法裁判所へ提訴する意向です. カタルーニャの人口は750万人.スペインで最も経済的に豊かな地域なので,政府にとってみれば,その独立は,まさに死活問題になりかねません.

Tuesday, 16 September 2014

レティカ鉄道のノスタルジック・トレイン・ツアーの乗車券が今なら50%オフ

10月4日に運行されるGe 4/6 353(EL)が牽引する列車でのSamedan,Tarasp往復の乗車券が,今なら半額の32.5 CHFで購入可能です.

購入と条件等詳しい情報は,Südostschweiz.chこちらのページから.


車窓から見えるタラスプの城
タラスプの駅から郵便バスで村の入口まで行き,そこから村迄は坂道を昇ります.坂道の入口にて.
エンガディンの典型的な村タラスプの家並
同上
村からタラスプ城までは,また坂道.
遠ざかるタラスプの城.帰路に乗った列車から.
最後は,レティカ鉄道開業125周年を記念して運行されたG 4/5(107+108)重連牽引の特別列車の映像です.(圧巻は,なんといってもFlisur付近のLandwasser viaductの通過シーン.1:20過ぎごろからです.)ところで,スイスの車両の形式名の大文字は機関車の種類を表すもので,Gは狭軌用ということですが,何かの頭文字かと思っていたら,どうやら,そうではなさそうです.(小文字のeは,もちろん電気駆動を表しますが.)

Monday, 15 September 2014

ルフトハンザのパイロット組合,16日9時から17時までストライキ予定

9月15日付電子版Focusの"Neuer Streik der Lufthansa-Piloten am Dienstag"によると,当日,フランクフルト発の40もの長距離便がキャンセルされる見込みです.パイロットの組合VCによるストライキは,今年に入って5度目です.

エール・フランスのストライキ,明16日は60%の便がキャンセルへ

すでに月曜日には,50%から80%の便がキャンセルされるようですが,明日の火曜日は60%がキャンセルされるとのことです.なお,今回のエール・フランスのパイロットのストライキですが,最大の組合SNPLは,今月22日迄継続する意向を発表しています.また,次に大きな組合のSpafやAlterも18日迄継続する意向とのことです.1週間も続くストライキは,1998年以来最長だそうです.以上,9月15日付電子版L'EXPRESSの"Grève des pilotes Air France: 60% de vols annulés mardi"より.

241 P 17牽引列車によるアヴィニョン往復2泊3日のツアー,10月3日から5日にかけて開催

現在,ヨーロッパで唯一運行可能なフレンチマウンテンの241 P 17と行くツアーのご案内です.主催団体はLes Chemins de Fer du Creusot.参加は,5日の日曜日の復路(Avignon→Le Creuset)のみも可能です.時刻表やパンフレットはスタートページから【Programme des voyages ici !】→【Trois jours en Avignon】とお進み下さい.申込はこちらのページからオンラインで可能です.なお,宿泊および食事代は含まれていないようです.また,アヴィニョンからのオプショナルツアーとして,4日にミラマスの駅で開催される鉄道祭を訪れることもできますが,それに合わせて運行されるアヴィニョン中央駅発の241 P 17牽引列車とELのCC6570牽引列車とも別に予約が必要のようです.(オンラインでの予約は,こちらのページの末尾にて可能.)もちろん,アヴィニョンからTERで現地へ向かうことも可能です.いずれにせよ,少なくとも4日にミラマス駅に赴けば,241 P 17もCC6570と会えるものと思われます.(上記のツアーに関するリンク先ページはすべてフランス語版のみです.)

また,Le Creuset,Avignon間で走行中のツアー列車を撮影されたい場合は,上記の時刻表をご参考になさってください.オランジュ,ヴァランスなど,南仏の名所を通過するので美しいショットが期待できるのではないでしょうか.

なお,フランスに現存する他の2両の241形(P 9およびP 30)については,現在,動態復活のための工事中であり,また,スイスで保存されているA 65も大規模な修復工事中のため,当面,運行の予定はありません.

Friday, 12 September 2014

メイヤーロコとフェアリーロコが走るドイツと英国の保存鉄道

(9月9日に公開した「鉄道ファンのための便利メモ(IV)- ドイツの主な変わり種蒸気機関車」の最後の部分を抜粋したものです.)

ちょっと変わった構造のメイヤー式フェアリー式の蒸気機関車が,少なくともドイツおよび英国において,それぞれ以下の路線で運行されています.ただ,原則的に不定期の運行が多いため,予め運行日の確認が必要です.さらに,予定された運行日であっても,お目当てのマシンと出会えない場合(最悪の場合,故障でディーゼル機による代行運転)も往々にしてあるため,その旨ご承知おき下さい.以下,メイヤー式については,ドイツで唯一,動態保存されている形式の750 mm狭軌用99.51-60(B'B' n4vtタイプ,旧ザクセン国鉄IV K)形の運行路線のみ紹介しています.(従って,ドイツ国内のみ.機関車リストで"betriebsfähig"の表記があるものが動態保存機.)そして,フェアリー式については,ドイツには動態保存機が存在しないため,英国ウェールズのFfstiniog鉄道(軌間597 mm)を紹介します.(ドイツにおけるフェアリー式の静態保存機については,確認できた限り,99.16(旧ザクセン国鉄I M)形の2号機(99 162)のみがRollbockmuseum Oberheinsdorf に保存されているようです.)

なお,いずれの路線を訪れるにしても,できるだけ特別なイベントの開催に合わせて訪れることをお薦めします.
  • メイヤー式
- Döllnitztalbahn
  (機関車リストSL列車時刻表+イベント予定

- Preßnitztalbahn
  (機関車リストSL列車時刻表

- Museumsbahn Schönheide
  (機関車リストSL列車時刻表+イベント予定
  • フェアリー式(Welsh Hiland Railswayでは,ガーラット式SLが運行.*1)
- Ffstiniog & Welsh Hiland Railways
  (機関車リストSL列車時刻表直近に運行される機関車

最後に,以下の南西ドイツ放送局制作の"Eisenbahn Romantik"の番組内において,それぞれの形式のSLが紹介されています.ご参考迄に.
  • メイヤー式(Preßnitztalbahn)
- Schmalspurvergnügen zwischen Preßnitztal und Fichtelberg
  • フェアリー式(Ffstiniog Raileway)
- Eine Reise ins Schmalspurparadies Wales (Folge 737)



*1) マレー,メイヤー,フェアリー共に,高圧シリンダで使用した蒸気を低圧シリンダへ送って再利用する複式という構造を採用していますが,ガーラット式は原則として複式ではありません.ところで,ガーラット式機関車の製造元であるベイヤー・ピーコック社では,同方式における両端の走行装置にそれぞれマレー構造を採用するという,スーパーガーラッツ(Super-Garrats)なる機関車も企画したそうですが,実現には至らなかったそうです.(Cf. Wikipedia)素人としては,ガーラット式機関車の両端に,さらにマレー構造を採用すると,カーブでの走行性が低下するのではないかと思い,どちらかというとメイヤー構造にしたほうが良いのではないかと思うのですが...ただ,その場合,複式のため,使用済みの高圧蒸気を低圧蒸気用シリンダへ送る構造がマレー式に比べて複雑化するという難点があることも事実です.

ところで,フェアリー式の機関車の構造ですが,WikipediaのFfestiniog鉄道版とも呼べるFestipediaこちらのページに解説されているように,当初,フェアリーによって考案されたものは,車両の中央にひとつの火室が設置され,そこで発生した熱で車両の両端に設置された2つの独立したボイラー内の水を温めるという構造だったのですが,その構造を採用して最初に製造された'The Progress'号で,それでは両ボイラー内に十分に熱が行き渡らないことが判り,現役のフェアリー機は,すべて2火室,2ボイラーを備えた構造となっています..

Tuesday, 9 September 2014

鉄道ファンのための便利メモ(IV)- ドイツの主な変わり種蒸気機関車

普段,慣れ親しんでいるものと異なる外観,あるいは構造を持つ,言わば《変わり種》蒸気機関車をすべて挙げるとなるとたいへんな作業となるので,取りあえず,ドイツの蒸気機関車の中で,比較的よく知られている以下のものを紹介したいと思います.
  • マレー式
    8動軸を備えたドイツ最大の貨物用タンク機96形(旧バイエルン国鉄 Gt 2 x 4/4)が有名.(なお,別に変わり種というわけではありませんが,マレー式ではなく,通常の配置で最も多い動軸を持った機関車というと,59形(旧ヴュルテンベルグ国鉄のK クラス)という6動軸機(1'F h4v)でした.なお,動輪直径は,国鉄D51形やドイツの主要な貨物用統一規格機などの1,400 mmより50 mmほど小さい1,350 mm.*1)
  • メイヤー式
    狭軌(750 mm)用の99.51-60(旧ザクセン国鉄IV K形).飽和蒸気機関車ですが,車両の両側それぞれにおいて向かい合う2つのシリンダは,後部に設置されたものが高圧用,前部のものが低圧用です.(高圧用,低圧用シリンダの配置順序は,上記のマレー式96形でも同様.)
  • フェアリー式
    狭軌(750 mm)用のザクセン国鉄II K形,狭軌(1,000 mm)用99.16(旧ザクセン国鉄I M形)
  • タービン機
    T 18.10, T 09 001/002
  • 高圧蒸気使用機:
    H 17 206(58.8 bar), H 02 1001(120 bar)
  • フランコ・クロスティ式ボイラー装備機:
    42 90, 50.40
  • 蒸気モーター機:
    19.10 8気筒の4動軸機(1'Do1' h8).2基のシリンダが装着された各動軸に,それらの往復運動が直接伝えられ,それぞれ独立的に駆動させるというもの.動輪直径は,国鉄9600形と同様1,250 mmにも拘らず,最高速度は,少なくとも186 km/h.(写真はこちら.)1両しか製造されなかった19 1001は,戦後,アメリカで廃車にされました.
  • 復水式
    52.18-20(腹水式テンダー及びそれを備えた車両の写真はこちら.)
  • キャプフォワード式
    高速走行時における運転を容易にする目的で,機関車本体を180度回転させ,運転台が先頭に配置した構造の車両.ドイツでは,05 003などに採用されました.05 003の場合,燃料は粉炭で,炭水車から高圧空気によって,ボイラーの下に設置された長い2本のパイプを通して先頭に位置する火室へ運ばれる構造でした.しかし,粉炭によるパイプの目詰まりが頻繁に発生する等,問題が多く,結局1944年末には通常の形状に戻され,1957年9月9日までケルン,ハンブルグ間で長距離急行列車の牽引機を務めましたが,翌年の1958年6月16日に廃車にされています.

それぞれ珍しい車両のため,実機の写真は,あまりウェブ上に公開されていないようです.それらの写真も含め,さらに詳しい情報をご希望の場合は,雑誌"Eisenbahn JOURNAL"の特別号Die Dampflokomotive  - Technik und Funktion, Teil 4 ・Sonderbauarten deutscher Dampflokomotivenをご覧下さい.(本体価格10 €.日本からでも購入可能.)


蒸気機関車ではありませんが,ICEの先祖と言われるシーネンツェッペリンのNゲージ(?)模型.こちらも相当変わってます.トッゲンブルグ鉄道模型博物館にて.



*1) そもそも,こんなムカデのような機関車が,どうしてカーブを曲がれるのかというと,Wikipediaの解説にあるように,第1動軸と第6動軸は左右にずれることができる構造になっていて(ゲルスドルフ式動軸),その他の動軸は台枠に固定されてはいるものの,第3,第4動軸の車輪のフランジが15 mm程短くされているためです.59形は,世界遺産のゼンメリング鉄道や,ハンガリー,ユーゴスラビアなどでも活躍しました.

また,最初に紹介したマレー,メイヤー,フェアリー式は,カーブにおけるスムーズな走行性を確保するためさらにラディカルな方法を採用しています.すなわち,マレー式では,2つの動軸群のうち,高圧蒸気用シリンダーにより駆動する後部動軸群は台枠に固定されていますが,低圧蒸気用シリンダーにより駆動する前部動軸群は台車に取り付けられていて,カーブ通過時,動軸群全体がレールに沿って向きを変えられる構造になっています.さらに,メイヤー,フェアリーでは,前部と後部の各動軸群がそれぞれ独立した別の台車に取り付けられています.そのため,96形の軸配置表記はD'Dですが,99.51-60および99.16では,B'B'となっています.(ドイツ式の軸配置表記,あるいは車両のタイプ表記におけるアポストロフィは,その前の数字やアルファベット文字によって表されている車軸が,カーブ走行の際などに,車体に対して向きを変えられる構造となっていることを示しています.なお,表記において左端が車両の先頭です.)また,単に2両のI K形の後部を向かい合わせてつなげたのみのII K形を除き,マレー,メイヤー,フェアリー式は,飽和式,過熱式に拘らず,すべて高圧用シリンダで使用した蒸気を再び低圧用シリンダで使用する複式です.

Monday, 8 September 2014

ノイエンマルクト蒸気機関車博物館で01形の祭典,9月20,21日開催

(本ポスト内のリンク先で,(英語)の表記がない場合は,すべてドイツ語のページです.)

開催日が目前と迫っていながらお知らせが遅れてしまい恐縮ですが,下記の01形の動態保存機が一堂に会する催しです.両日共に30分おきにシーフェ・エーベネ区間を往復する重連牽引(あるいは推進牽引)の特別列車の運行(ということは,01重連が再び復活?時刻表はこちらから.また,博物館とお薦め撮影場所を結ぶバスも運行されます),同じく参加機関車のパレード(両日共に16時開始),さらに初日の土曜日は18時より開催を記念したさまざまなアトラクションなどの実施が予定されています.詳しい情報は同博物館のこちらのページにて.また,ノイエンマルクト(Neuenmarkt-Wirsberg)を鉄道で訪れる場合は,DBのサイト(英語)で着発列車と時刻をご確認ください.
  • 01 1075 (012 075-8) aus Rotterdam – Stoom Stichting Nederland
    (UEFの01 1066同様,重油燃焼式の三気筒機.2470 PSiを誇るドイツの急行旅客用機としては最強のマシン.はるばるオランダからの参加です.なお,リンク先はオランダ語のサイト.)
  • 01 118 aus Frankfurt – Historische Eisenbahn Frankfurt
    (大きなヴァグナー式除煙板を備えた,オリジナルに最も近い形状を留めた二気筒機.)
  • 01 150 aus Heilbronn – Stiftung Deutsche Eisenbahn
    (去年の5月に動態復活した,おなじみのヴィッテ式除煙板付き,エプロンカバー無しの戦後のDB仕様機.ハイルブロンからの参加ということは,ハイルブロンの南ドイツ鉄道博物館が新たなねぐらになったようです.確かに,同博物館のサイトのスタートページのスライドショーに現れるようになりました.)
  • 01 202 aus der Schweiz – Verein Pacific 01 202
    (こちらもヴィッテ式除煙板付き,戦後のDB仕様機.)
  • 01 533 aus Ampflwang – ÖGEG Österreichische Gesellschaft für Eisenbahngeschichte
    (下の写真でご紹介している東独国鉄によって60年代に改造された01.5と呼ばれるタイプ.旧ナンバーは01 116.セルフチェックディジット付のEDV番号の製造番号の始めが0の場合は重油燃焼機,1の場合は石炭燃焼機ですが,基本的に519号機からは全て重油燃焼機.)
  • 01 0509-8 aus Jöhstadt – Pressnitztalbahn
    (同上.旧ナンバーは01 143.)
UEF01 1066については,現在,運行不能のため,展示はなさそうです.また,スイスのパシフィック協会によって,この催しに合わせて4泊5日のツアーが実施されます.詳しい情報はこちらのフライヤーをご覧下さい.

なお,同博物館の年間予定表によると,SL列車のシーフェ・エーベネ区間の走行が10月3日にも予定されているようですが,今のところ,牽引機についての情報は公開されておりません.ただ,下の写真に見られるように,6月の五旬節の運行の際には主務機が01.5,後補機が52.80だったので恐らく2両による牽引推進か,重連牽引になるのではないでしょうか.さらに,鉄道とビールがお好きな方には,ビールの町クルムバッハのビール博物館へのツアーも企画されています.開催日についてはこちらをご覧下さい.(クルムバッハの観光情報はこちらから.(英語))

6月の運行の際の主務機,東独国鉄による改造機01 0509-8(二気筒重油燃焼機)2400 PSiという,01ファミリーの中では三気筒重油燃焼機012に次ぐ高出力タイプのため,各鉄道愛好団体が主催するツアーで特別列車の主務機を務めることも多い.
ノイエンマルクトで出発を待つ特別列車.後補機も東独国鉄の改造機52 8079-7(二気筒石炭燃焼機)
ノイエンマルクトを出発してシーフェ・エーベネへ向かう特別列車
最後尾でしっかりプッシュする強力機52.80.(ベースは戦時用52形.そのため,軸重も15 tと軽く,ほぼどんな線区でも運行可能なマシン.おしりが切れてしまいましたが,テンダーは52形の特徴のひとつ浴槽形の2' 2' T 30.煙突の前には東独国鉄の改造機の特徴のひとつ,IfS型混合予熱器が設置されています.)
強力な二機の連携でシーフェ・エーベネも難なく通過
こちらは,別のイベントの際に撮影したフランクフルト保存鉄道協会の01 118.フランクフルト近郊,ケーニッヒシュタイン(Königstein)付近.
同上
車窓より.(炭水車の後部には,「架線下では補給は行わないこと」と書かれた黄色いステッカーが見えます.)
復路はバック牽引.以下の2枚も含め,ケーニッヒシュタイン付近.
当日,二機のSLに混じって特別列車を牽引した,懐かしい塗装の218 105-5.周囲の緑に良く合います.(戦後,東西のドイツ国鉄でEDV番号が導入されましたが,西ドイツ国鉄(DB)ではディーゼル機の1桁目は2,東ドイツ国鉄(DR)では1が付けられました.電気機関車では,その逆でした.)
01 118やDL218と交代で特別列車を牽引した52形 4867号機(未改造).
バック牽引を行う52 4867.戦時用機として開発されたオリジナルの武骨な形状をよく留めています.テンダーは,もちろん浴槽形の2' 2' T 30.シリンダから煙室に伸びる角形の排気管とシリンダハウスの上部に設置されている箱形のヴィンタートゥール式圧力均等器が,ベースとなった50形との最も大きな差異のひとつ.
ケーニッヒシュタイン駅にて.
6700両以上も製造された戦時用機52形.開発時の想定耐用年数は10年.しかし,今でも,ドイツはもちろん,外国でも現役機が多数存在するタフなマシンです.ケーニッヒシュタイン駅にて.
ケーニッヒシュタイン駅にて.

こうした催しの開催を知るたびに,つくづくドイツという国は(あるいは,スイスやオーストリア,もちろん英国も含めて),本当に物持ちが良いと思います.それに比べて,日本人の,過去の遺物に対する姿勢はなんとにあっさりしていることでしょう.そのひとつの理由に,少なくとも工業の分野に限った場合,これ迄使用してきた技術の殆どが,基本的には外国で開発されたもの,つまり出来合のものであり,それを輸入したに過ぎないからかも知れません.改良やローカライズ,それに応用などは得意ですが,ゼロから創造することは,何故か殆どと言ってよいほどありません.*1) 言うまでもなく,それは蒸気機関車の技術についても同様です.ここで,James Wattの蒸気機関の発明まで歴史を遡ることはしませんが,例えば,1880年代以降,世界中の蒸気機関車において採用されたシリンダ弁の制御装置を開発したのは,ベルギー人のEgide Walschaertsとドイツ人のEdmund Heusinger von Waldeggであり,その後の蒸気機関車の発達の歴史を変えたと言っても過言ではない過熱式蒸気機関車の誕生は,過熱蒸気の効果を発見したドイツ人のWilhelm Schmidと,当時,プロイセン国鉄に於ける動力車両開発局長だったRobert Garbeの共同研究の結果でした.カーブ走行のために動軸を線路に対し,直角方向左右に移動させる方法を発明したのは,オーストリア人のKarl Gölsdorf,また,先輪軸や従輪軸をカーブに沿って向きを変えさせる仕組みを発明したのもドイツ人のRichard von Helmholtz,同じくFriedrich Wilhelm Eckhardtやアメリカ人のLevi Bissell,そして,英国人のWilliam Bridges Adamsたちです.ドイツ帝国鉄道(DRG)時代の統一規格機に於いて標準装備となった圧縮空気を使ったブレーキや予熱器などを開発したのはドイツ人のGeorg Knorr.さらに,一度使用した高圧蒸気を再び別の低圧蒸気用シリンダで使用するという仕組みを考案したのは,マレー式機関車の名前の由来となったスイス人のAnatolie Mallet,それに似たメイヤー式はフランス人のJean Jacques Meyerが考案したものでした.その他,使用された例は少ないもののフランコ・クロスティ式ボイラーを考案したのは,イタリア人のAttilio FrancoとPiero Crosti等々,挙げればきりがありませんが,陸蒸気(おかじょうき)の製造に必要な技術のすべては外国で創り出されたものなのです.なんでも,一から自分で創り出したものでないものには,それほど愛着は沸きませんし,従って,それが消えても未練もたいして残りませんしね.そう考えるのは,単純すぎるでしょうか...そういえば,ドイツでは,41 018 (042 018-2) がバイエルン州の歴史的技術記念物(technisches Denkmal des Freistaates Bayern)に指定されていますが,動態保存されている日本の蒸気機関車が同様の(例えば有形文化財などの)指定を受けることなど考えられるでしょうか.

スイスのブルックで開かれた国鉄車両保存館のオープンハウスにて.フランス国鉄のミカド機141 R 1244のエプロンの上で大好きなオパが構えるカメラの前でポーズをとる,ヨーロッパ(あるいは,少なくともスイス)の鉄道ファン界の未来を担ってくれそうな二人の男の子.



*1) ことによると,それは,絶えず自然災害の脅威にさらされる環境に生活する定住農耕民族として,自分た ちが生きる環境,さらに言えば世界を変えることに至って消極的な姿勢を身につけてしまったせいかも知れません.そして,従来の方法では対応しきれない程の 環境の変化に見舞われたとき,その状況から逃れるために,他所から出来合の知恵や技術を借りることしかできない.こうした行動は,日本人の所謂《甘え》の心理の表れの一つなのかも知れません.

ただ,何でも他所から出来合のものを借りてくる(あるいは押し付けられる)のに慣れてしまうと,例えば,福島の原子力発電所で起きた事故の際のように,対応に右往左往してしまうこともあるようです.

Sunday, 7 September 2014

スイス東部で運行を開始した普通列車用新型車両RABe 526.7

スイス連邦鉄道とMThBが地域内の短距離輸送を目的に合同で設立したThurbo社(恐らくThurgauとBodensee (Region)をつなげた造語)により,ザンクト・ガレン州でも昨年2013年12月からシュタッドラー社製の普通列車用車両RABe 526.7の運行が開始されました.(Stadler社のGTWと呼ばれる車両,同ページ上にスイス国鉄用車両についての英語版PDFページが公開されています.)編成と車軸配置が異なるRABe 2/6(駆動車を含め3両編成/2' Bo 2')と同じく2/8(駆動車を含めて4両編成/2' Bo 2' 2')という2つのヴァリアントを見かけますが,ザンクト・ガレン州とグラウビュンデン州のクールを結ぶ列車には後者が用いられています.なお,上掲のStadler社のサイトやPICOのサイトでご覧になれるように,2本の固定動軸を持った駆動車を除く各車両には,それぞれ1つの台車しか装着されていないという珍しい構造です.以下,上の2枚はRABe 2/8,3枚目はRABe 2/6です.(ザンクト・ガレン州のS-Bahnについての情報はこちらのサイトにて確認できます.(ドイツ語).さらにWikipediaのこちらのページでも紹介されていますが,オランダ語版のみのようです.なお,スイス国鉄の車両番号についてはWikipediaのこちらのページを参照下さい.)

ZVVの宣伝用のラッピング塗装のRABe 2/8.(779-4)マイエンフェルト,バード・ラガーツ間にて.
通常の塗装のRABe 2/8.サルガンスにて(769-5)
ロールシャッハ・ハーフェンで見かけたRABe 2/6(751-3,702-6)
座席のない駆動車の通路から見たRABe 526.7の内部.短距離普通列車用のため,ヨーロッパの標準軌用車両としては珍しく,2等車内では日本の新幹線と同じ3列+2列の座席配列.(何となく,低床式路面電車のメインライン走行用バージョンのような雰囲気.)なお,出入り口付近(写真中央奥)に設置されたモニターには,主要駅到着前に乗り換え列車に関する情報(各列車の行き先,出発時刻,番線など)が表示され,たいへん便利.同様のモニターは,RegioExpressとして運行されている,同じくStadlerのRABe 511 Dosto(Kiss)にも設置されています.(下の写真)(確か,オーストリア国鉄のRailJetの車内でも似たようなサービスが提供されていたと思います.)
マイエンフェルト,バード・ラガーツ間にて

以下の写真は,Thurboと郵便バスに乗って訪れたボーデン湖畔のナポレオン博物館で撮影したものです.
博物館本館
入口付近の花壇と噴水
帰りに乗ったRABe 511.ロールシャッハ・ハーフェンにて.

この後,初めて新幹線のN700に乗った感想を書いたのですが,話が,本題とは殆ど関係ない方向へ発展してしまったので折りたたんでおきます.

Friday, 5 September 2014

ちらっと見かけたオールドタイマー

6月のある日曜日,滞在先の村で開かれた旧型自動車によるレースに参加したもののうち数台を撮影した写真です.(レースと言っても一斉に走る訳ではなく,一台ずつ指定されたコースを走ってタイムを競うというもの.)自動車のことは全くと言ってよいほど判らないので,メーカー名及び車種以外の説明は割愛させていただきます.(より詳しいデータをお知りになりたい場合は,こちらのリストをご覧下さい.各車のプレート上の赤い○の中の番号が,リストに記載されているStartnummerです.)

Burlington Arrow
Idem.
Citroen 11 BL(テレビドラマ名探偵ポワロの『ゴルフ場殺人事件』や『青列車の秘密』にこのような車が登場していました.なお,同TVシリーズ各話に登場する自動車については,こちらのサイトをご覧下さい.)
Idem.
Idem.
MG TF
Idem.
Bentley LeMans Eight 1941年モデル
Idem.
Idem.
Idem.
Idem.
これは,どこのメーカーでしょうか?
レースが開催された村の全景