Sunday 28 September 2014

ポワロがジャップ警部に勧めたフィレ・ミニョンのレシピをロンドンのレストランで味わうなら

テレビドラマ『名探偵ポワロ』シリーズの『ヒッコリー・ロードの殺人』("Hickory Dickory Dock")の冒頭の部分で,ポワロとジャップ警部が肉屋に入り,警部がポワロに勧められるままに高価なフィレ・ミニョンを購入するシーンがありますが,Le magazine du Mondeにそれを使ったレシピがいくつか紹介されていました.

ドラマの中で,ポワロは警部にフィレ・ミニョンをミディアムに焼いて,ベルン風ソース(la sauce Béarnaise)をかけるという調理法を教えますが,紹介したレシピの中にはベルン風ソースを使ったものはなさそうです.*1) ただ,同じサイトの他のページに,このソースの作り方が紹介されていました.と書いてから,念のため,もう一度調べたところ,Savour.comのサイト(英語)の中でひとつ紹介されていました.こちらのページです.*2)

もっとも,ジャップ警部がこのような複雑な料理に挑戦するとは微塵も考えられないので,ロンドンのレストランでこの料理を出している店を探してみた結果,多くの顧客から高い評価を得ているというHawksmoorという店があることを知りました.(yelp.co.ukで"best filet mignon"というキーワードで検索した結果.)市内に数店舗あるステーキレストランで,例えば,Spitalfields店メニューを見ると,お好みで選べるソースの中にベアルネーズも含まれています.(他の店舗のメニューでも同様.なお,元々フィレ・ミニョンはフランス語ですが,英国では,通常,単にFilet (steak)と呼ばれるようです.*3))こちらのレストランなら,警部もきっと満足されることでしょう.

ところで,肉屋でジャップ警部が最初に求めようとした「首肉」は,"Scrag end"と呼ばれる羊,あるいは子羊の首の部分の肉で,安価で主にスープやシチューに用いられるようです.




*1)冒頭の二人と店員のやりとりは次のとおり:
I don't know about this, Poirot.
But I assure you, Chief Inspector, it is of the quality most fine.
Well, I'm sure, but

Yes, sir? 
Have you got a nice bit of scrag end? 
Scrag end, sir? 
Non, non, non. Chief Inspector the scrag end, it is an animal native to Isleworth.
It does not, I think, habituate elsewhere.
Non, non, non. Might I suggest un morceau de filet mignon, cooked a point, avec la sauce Béarnaise? 

All right, then.
となんだか,二人の会話はとんちんかんのように聞こえます.(特に,ポワロが"scrag end"が何を意味しているのか正しく理解しているのか...)
*2) そこに書かれている説明によると,このレシピ("Filet Mignon With Béarnaise Sauce And Roasted Asparagus")は,ドミニカ共和国のExcellence Punta Cana ResortというホテルのThe Grillというレストランで提供されているメニューのひとつのようです.なお,アントルコットのベアルネーズ・ソースかけというレシピなら,こちらに紹介されています. 
*3) それでも,Hawsmoorの利用客の感想の中に,しばしばfilet mignonという言葉が表れますが.

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