Monday 4 November 2013

軍備を巡る話題二つ - イスラエルに配備されるオスプレイCV 22;マッハ6で飛行可能の無人偵察攻撃機

まもなく6機のV-22オスプレイが,アメリカからイスラエルへ引き渡されますが,これらの機材はイスラエル軍がイランの核施設を攻撃した場合,作戦において中心的な役目を果たすことになるようです. というのも,V-22は24名までの兵員を1600 km離れた場所にレーダーに探知されること無く輸送することが可能であり,イスラエルに配備されればイランの西側半分までがその到達可能範囲に含まれることになるからです.アメリカ軍は,この機材を数年前からアフガニスタンとイランに配備していますが,イスラエルは最初の購入国となります.といっても,費用は訓練の分も含めてすべてアメリカからの援助によって賄われますが.

なお,この発表は,木曜日からジュネーブで再会されるイランの核開発計画に関する交渉をアメリカ側にとって有利に進めたいという思惑からなされたもののようです.

以上,Spiegelの11月3日付記事"Israel soll bald US-Spezialflugzeuge erhalten"より.

次は,無人偵察攻撃機の話題です.

同じくSpiegelの"US-Rüstungsprojekt:Hyperschall-Drohne soll 2000 Meter pro Sekunde fliegen"によると,ロッキード・マーティン社はエンジン部分を受け持つロケットダイン社と7年におよぶ研究開発の結果,従来のターボジェットエンジンとスクラムジェットエンジンを併用する技術の開発に成功し,両方のエンジンを装備した新しい無人攻撃機SR-72のプロトタイプを2018年迄に完成させると発表しました.なお,テスト用機は2030年完成予定とのこと.

マッハ3から3.5まで加速された時点で機能するスクラムジェットを使用した機材は,過去においてアメリカ国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Projects Agency,略称Darpa)が開発したX-51Aがありますが,B-52によって高度15 kmまで運ばれた後,切り離されてロケット推進を使って飛行するというタイプでした.それに比べて,SR-72は地上から自力で離陸が可能です.

ブラックバードというニックネームで知られる超音速戦略偵察機SR-71は,すでに1988年に現役を退いていて,ペンタゴンは後継の機材を必要としていたのですが,将来的には超音速機は無人化する予定であり,SR-72は無人偵察機として使用されることになりそうですが,同時に爆弾を積載して攻撃機としての使用されることも十分考えられます.

なお,ロッキード・マーティン社とロケットダイン社が開発したというエンジン質テムについて詳しくは,"Aviation Week"の関連記事をご覧下さい.Spiegelに掲載されていた写真へはこちらから.

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