Thursday 7 November 2013

ペストが再び人類を襲う日

ことによると,もうその日が始まっているのかもしれません.そう述べているのはLe MondeのBlogの11月3日付のポスト"La peste, une maladie ré-émergente ?"

フランスにおいて,ペストの感染が最後に確認されたのは1945年.そして,ヨーロッパの他の国々においてもペストは過去の伝染病と思われています.しかし,ある研究によると,20世紀後半においてペストへの感染例が確認された国は増え続けているというのです.こうした状況を促していると思われる要因として,地球の温暖化により,げっ歯類に寄生するペスト菌が増殖しやすい環境が出現しつつあること,交通網の発達が各地にペスト菌が拡散しやすい状況を造り出していること,そして抗生物質に対する耐性を備えたペスト菌が出現している可能性があることなどがまず考えられますが,さらに,ペスト菌は高い環境順応性を持っているため,環境の変化に適応し易いというのも要因と言えます.

では,具体的にどの国においてペストへの感染例が確認されているのでしょう.最近公開されたThe American Journal of Tropical Medicine and Hygieneの関連記事によると,2000年から2009年までの期間で最も多くの感染例があったのがコンゴで10,581例,次はマダガスカルで7,182例,第三番目はザンビアで1,309例でした.そして,世界における感染例の合計は21,725例で,1,612人がペストが原因で死亡していますが,これ以外にも確認されていない感染例や死亡例があると考えられます.なお,全体の感染例の97%がアフリカにおいて確認されていますが,この期間中,40以上の感染例が報告されている国の中には中国(227例)やアメリカ(57例)も含まれていることも覚えておきたいと思います.

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