Tuesday, 29 November 2016

日本のJRグループには絶対に真似の出来ない人と環境に優しいICE 4(BR 412)の素晴らしさ

言う迄もありませんが,世界最先端の我が国の鉄道車両技術をもってすれば,同様の車両等を製造するのはお茶の子さいさいのはずなのですが,ようするに哲学,思想が違うため,鉄道という交通手段についての価値観を日本とドイツは全く共有していないためです.日本では,新幹線を含め,鉄道はとにかく多くの乗客を安全に早く運べればよしとします.それ以外のことは考えません.首都圏の通勤混雑を体験している人たちは(かくいう私もその1人),自分たちが,あたかも砂利や石炭のように運ばれていて,まだ牛や馬のほうが大切に運ばれていると感じているでしょう.(ウ,カなどの家畜搬送用貨物車が,少なくとも昔はありました.) 

それでは,ICE 1(401系)とICE 4の違いをおさらいしてみましょう.両系の最も大きな違いのひとつは重量です.ICE 4の座席数が830であるのに対してICE 1のほうは703.でも,前者は後者と比較して驚く程軽いのです.ICE 1はご存知のように中間付随客車12両に両端の駆動制御車(ようするに電気機関車)2両を加えた14両編成.そして,ICE 4はというと,面倒なのでWikipediaから拾ってきたデータを貼付けますが,以下のとおり7両と2種類の編成が存在します.いずれもICE 3(403, 406, 407系) から採用された動力分散方式で,7両編成のほうは駆動車がご覧のように3両.12両編成では6両です.(小文字の'o'は独立駆動軸であることを示す記号です.Bは台車毎の駆動軸数,アポストロフィは当該台車が(レールに沿って)向きが変わる可変向であることを示します.)
  • 2’2’+Bo’Bo’+2’2’+Bo’Bo’+Bo’Bo’+2’2’+2’2’ (7両編成)
  • 2’2’+Bo’Bo’+Bo’Bo’+2’2’+Bo’Bo’+Bo’Bo’+2’2’+Bo’Bo’+2’2’+Bo’Bo’+2’2’+2’2’(12両編成)
そして,いよいよ重さの比較です.比較の対象は両系とも駆動,非駆動を含めた客車12両からなる編成とします.結果は,もちろんICE 4に軍配があがります.同系はICE 1に比べて自重がおよそ120トン程軽い670トンなのです.この軽量化に寄与しているのは新たに開発された駆動台車ですが,詳しいことは省きます.(まだ,よく理解していないもので.) 次は,両系が使用する電力の比較.ICE 4は,ICE 1に比べて,その電力使用量が1座席あたり最大で22%少ないのです.さらに環境を大切にするドイツならではのことでもありますが,ICE 4の材質も環境負荷が少ないものが選ばれています.そして,最後に,日本の新幹線では絶対に且つ永久に実現され得ないことですが,ICE 4では自転車の車内持ち込みが可能となりました.もちろん,分解した上,輪行袋等に入れる必要はありません.市内電車を含めドイツの一般の列車と同じように,そのままの形で持ち込めるのです.ICE4について,詳しい情報は以下のRailway Reviewの記事をご覧下さい.
BLSのRABe525.車椅子などの乗降のために低床車両が編成に含まれています.
シュタッドラー社製近郊電車RABe 526車内
同上.自転車や車いす,ベビーカー等を持ち込めるスペースが十分に確保されています.
大きなスーツケースの置き場所も各車両に無い新幹線.それで,どうやっておもてなしをするんでしょうねえ.「おもてなし,思っても無しJR」

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