Monday 14 November 2016

かつて現行の選挙制度を厳しく批判した方が,今やその恩恵を受けて晴れて45代大統領へ

ニューヨークタイムズによると,今回の選挙における両候補の得票数は次の通りでした.トランプ大新大統領が59'692'97,クリントン候補が59'923'027.つまり,獲得票から言えば,クリントン候補のほうが多かったわけです.この奇妙な選挙結果は,今に始まったことではないことは,日本の報道でも再三伝えられていることで,記憶に新しいところでは,2000年のジョージ・W.ブッシュ氏とアル・ゴア氏の場合も同様でした.そのときの両候補の獲得票は前者が47.9%,後者は48.5%だったにもかかわらず,ブッシュ氏が獲得した選挙人の数が5人アル.ゴア元副大統領の選挙人の数を上回っていたため,ブッシュ氏が勝利しました.こうした現象を産む現行の選挙制度については,アメリカ国民からの批判も多く,2013年の世論調査によるとその63%が現行の大統領選挙の仕組みを変えるべきと考えています.さらに歴史を遡れば,実は19世紀にも二度ほど,同様の現象,つまり大統領に選出された候補の得票率が対立候補のそれを下回る事態がが起こっているのです.(1876, 1888) ただ,選挙制度の変更には全州の3/4の賛成を得なければならず,まず不可能といえるでしょう.(以上,詳しくは下のビデオと記事をご参照ください.)
そして,今回,晴れて第45代大統領に選出されたトランプ氏もこうした制度を手厳しく批判していたのでした.なんとも不思議な御仁であります.

下は,これまでの大統領選挙の歴史を振り返るNZZの記事.

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