少し前(3月10日)にSPIEGELの掲載された"Islamischer Staat": Realitätsschock im Kalifatの抄訳です.
まず,Daechの内輪の問題3つが挙げられています.情報源は,シリア内に広域的な情報網を持つSOHR(シリア人権監視団.拠点は英国のCoventry)です.
以上3つの問題のうち,もっとも深刻なのは敵前逃亡で,昨年の10月から12月までの3ヶ月間だけで,120名ものDaechの戦闘員がそのために処刑されています.こうした事態を受けて,今年の1月,DaechはRakkaにおいて50歳以下の男性が町から出ることを禁止しました.
先週,Wall Street Journalは,Daechから逃亡した4名に元戦闘員へのインタビュー記事を掲載しました.その中で,彼らは組織の腐敗や戦闘員間の嫉妬について言及し,外国人戦闘員は地元出身の戦闘員に比べ高待遇を受けており,また,戦利品なども減少しており,戦闘員達の士気が低下していると述べています.彼らは,また,罪の無い人さえもプロパガンダのために処刑するDaechの残忍性にショックを受けたそうです.
さらに根本的な問題として,自らをカリフとして宣言したDaechの首領Baghdadiが樹立したというイスラムの帝国であるカリファ(あるいはカリファート)が凡そ国の体裁を持っていないということがあります.Daechは,世界中のムスリムにとって理想郷などでは無く,現実においては豊富な軍資金を持った民兵組織(正確にはテロ集団)に過ぎません.しかし,1つの国を運営するには物質的に貧しすぎるのです.それは特に人材面に云えることで,本来必要な様々な知識や技能を身につけた人々は居着きません.例えば,Daechの規則によると,夜間における病院での男女同時勤務は禁止されており,こうした極端な(彼らの理解する)イスラムの実践に耐えかねて多くの医療従事者達が離れています.(Cf. Terror im Krankenhaus: Dem "Islamischen Staat" laufen die Ärzte davon in SPIEGEL)
今や,Daechはその勢力範囲の中心であるイラクやシリアで敗退を重ねており,果たしてBaghdadiの野望が成就するかは全く未知数と云えそうです.
まず,Daechの内輪の問題3つが挙げられています.情報源は,シリア内に広域的な情報網を持つSOHR(シリア人権監視団.拠点は英国のCoventry)です.
- 敵前逃亡:
- 捕虜の脱走:
- 夜間の外出禁止令:
以上3つの問題のうち,もっとも深刻なのは敵前逃亡で,昨年の10月から12月までの3ヶ月間だけで,120名ものDaechの戦闘員がそのために処刑されています.こうした事態を受けて,今年の1月,DaechはRakkaにおいて50歳以下の男性が町から出ることを禁止しました.
先週,Wall Street Journalは,Daechから逃亡した4名に元戦闘員へのインタビュー記事を掲載しました.その中で,彼らは組織の腐敗や戦闘員間の嫉妬について言及し,外国人戦闘員は地元出身の戦闘員に比べ高待遇を受けており,また,戦利品なども減少しており,戦闘員達の士気が低下していると述べています.彼らは,また,罪の無い人さえもプロパガンダのために処刑するDaechの残忍性にショックを受けたそうです.
さらに根本的な問題として,自らをカリフとして宣言したDaechの首領Baghdadiが樹立したというイスラムの帝国であるカリファ(あるいはカリファート)が凡そ国の体裁を持っていないということがあります.Daechは,世界中のムスリムにとって理想郷などでは無く,現実においては豊富な軍資金を持った民兵組織(正確にはテロ集団)に過ぎません.しかし,1つの国を運営するには物質的に貧しすぎるのです.それは特に人材面に云えることで,本来必要な様々な知識や技能を身につけた人々は居着きません.例えば,Daechの規則によると,夜間における病院での男女同時勤務は禁止されており,こうした極端な(彼らの理解する)イスラムの実践に耐えかねて多くの医療従事者達が離れています.(Cf. Terror im Krankenhaus: Dem "Islamischen Staat" laufen die Ärzte davon in SPIEGEL)
今や,Daechはその勢力範囲の中心であるイラクやシリアで敗退を重ねており,果たしてBaghdadiの野望が成就するかは全く未知数と云えそうです.
No comments:
Post a Comment