先日,ご迷惑となるのを承知でお送りした『オヤジラ...』の次を執筆中です.なお,今回のものは『オヤジラ...』よりは短くなると思いますが,再びご迷惑をおかけすると申し訳ないのでご興味をお持ち頂いた方のみにお送りさせて頂きます.以下,ご参考迄に題名とあらすじを記します.(これも書き終えたら,子供の頃からお世話になり通しだった枝川公一さんに献呈させて頂きたいと思っています.)
題名:
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『リリトの息子』("The Son Of Lilith")あらすじ(仮):
三浦半島南端毘沙門洞窟付近で発見された複数の少年たちの溺死死体.彼らは筏上に組まれたパイプに磔のように縛り付けられ海中に投げ込まれていた.彼らは,同じ非行グループに所属していたが,何故かリーダー格の男子高校生だけは被害者の中に含まれていなかった.彼はチュニジア人の母と日本人の父を持つハーフだった.被害者全員の居住地が都内だったため警視庁に合同捜査本部が設置され,事件の捜査に加わることになった若い刑事向山は,以前の同僚で浅草警察署生活安全課に勤務する定年間近の長谷部巡査部長の紹介で,神田の古書店でアルバイトをしながら大学の西洋史科の非常勤講師を務める太田と会い,彼から事件についての奇妙な仮説を聞く.太田は,ことによると犯人は人間ではないかも知れないという.やがて起きる連続家族失踪事件.行方不明になった家族をつなぐ人物として新橋の中堅電子機器メーカーに務める山室比迦楼(ヤマムロ ヒカル)という若いエンジニアとヒカルと何らかの関係を持つと思われる整形外科医が捜査線上に浮上する.続いてスカイツリー,東京ミッドタウン,そして六本木ヒルズのショッピングモールである日の夕刻,突然停電が発生.その間に買い物に訪れていた家族連れから数人の乳児または幼児が姿を消した.それらの乳幼児の数から,長谷部はそれを何者かが別の人物へ宛てて送ったメッセージと見る.一方,太田は,大学の研究室で1人の学生に参考文献を紹介した際にその学生がとったある行動がヒントとなり,少年達が殺害された事件と一連の家族失踪事件,同じく乳幼児連れ去り事件の接点,そして,すべての謎を解く鍵を発見するが,その内容を長谷部たちに伝える前に消息を絶ってしまう.そして,神戸に住む山室ヒカルの父を訪ねた長谷部は,父からヒカルの出生の秘密について明かされる.そして,東京へ戻る新幹線の車中, 突然鉄道警察隊に逮捕され,その後,太田同様行方不明となる.浅草署生活安全課の女性警察官和田塚は,長谷部が残して行った古洋書の中に事件を解決する鍵が隠されていることを知り,友人の女性警察官たちとそれを必死に探すが...
ユダヤの密教カバラに伝わる最初のエバ,リリトの伝説とグノーシスの流れを引くマンダ教のリリト・ツァーリエルの伝説,さらに日本の本地垂迹の思想,C. G. ユングが提唱した元型としてのアニマとプエルのイメージなどが重なり合いつつ織りなすファンタスティックミステリー.主な参考文献:
(日本人なら思いつきそうなシンクレティズムがベースとなったフィクションです.)
Hurwitz, S., LILITH Die erste Eva Eine Studie über dunkle Aspekte des Weiblichen, Einsiedeln, 2004 (4. Auflage)
Cohen, A., le talmud, Paris, 1982
Gheerbrandt, A., Chevalier J., DICTIONNAIRE DES SYMBOLES MYTHES, REVES, COUTUMES, GESTES, FORMES, FIGURES, COULEURS, NOMBRES, Paris, 1982
ベルリンの新博物館の土産物屋で売っているせっ形文字が印刷されたしおり(Book mark).物語の中でちょっと変わった小道具として登場します. |
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