Thursday, 27 February 2014

LNER A3形"Flying Scotsman",復活真近!

マラード号などのLNER A4形と同じくナイジェル卿によって設計された三気筒パシフィックA3形機関車Flying Scotsman号が,まもなく動態保存機として復活するそうです.ヨークの国立鉄道博物館のこちらのページからの情報ですが,この形式の面白いところは,戦後,仕様が変更され,何故か元敵国ドイツのヴィッテ式のような除煙板が装着されたことです.英国の機関車で,こうした形の除煙板が付いている形式を他には知りません.(存在しているかもしれませんが.)

雪崩に遭ったときの頼れる味方 - Rotauf (HLT5)

スイスでは,毎年,雪崩によって命を落とす人が24名いるそうです.通常,雪崩に埋まった人を見つけるには長い棒が用いられますが,使いこなすには熟練が必要であり,また現場における作業も時には長い時間を要します.そうした問題を解決するのがこの製品です.雪崩に埋まった人の位置を示す"信号風船"とでも呼べるでしょう.

詳しくは,こちらのFlink社のサイトの図解付の説明(英語)をお読みください.また,製品の購入は,Rotaufのサイトから.(日本にも輸入されているとは思いますが,念のため.)

Wednesday, 26 February 2014

2014年のSwaledale Festivalに華を添えるBittern牽引の特別列車

今年のスウェールデール音楽祭の開催期間は,5月24日から6月7日までですが,以下のとおり,初日にマラード号と同じ青塗装のA4形蒸気機関車Bittern号が牽引する特別列車が3本運行されます.
  • E1 9.30 - 11.30 | Leeming Bar Station - Saturday 24 May
  • E2 1.00 - 15.00 | Leeming Bar Station - Saturday 24 May
  • E3 16.30 - 18.30 | Leeming Bar Station - Saturday 24 May
オンラインでの乗車券購入はこちらから.(これらの特別列車は,Wensleydale Railwayによって運行されますが,チケットの購入は音楽祭のサイトからのみ可能です.)

どうやら英国では,鉄道業界に限らず音楽業界も,マラード号世界最高速度記録樹立75周年の興奮からまだ暫く覚めそうになさそうです.

Tuesday, 25 February 2014

ウォーター・フットプリントの77%を外国から輸入している国,日本

という題名のリポートが,Water Footprint Networkのサイトに掲載されていました.(PDFファイルがダウンロード可能.)

ウォーター・フットプリントとは,gooの国語辞書によると「食料や製品の生産から消費までの全過程、あるいは組織・地域において使用される水の総量」と定義されています.食料自給率が低いので当然の結果と言ってしまえばそれまでですが,単に我が国の食料安全保障だけではなく,地球全体の水の需要と供給のバランスにおける日本の影響と責任も認識すべきときが来ているようです.

上記サイトによると,例えば,米国における一人当たりのウォーター・フットプリントは年間平均2,840 m3ですが,このうち20%が外国から輸入されています.つまり,一人当たり年間568 m3が外国起源ということです.そして,日本はというと,一人当たりのウォーター・フットプリントは年間平均1,380 m3と,アメリカに比べかなり少ないですが,このうちの77%,すなわち1,062.6 m3が外国起源ということなので,一人当たりの平均ではアメリカ人より日本人のほうが多くのヴァーチャル・ウォーターを輸入しているということになります.昔から,コンビニストアなどでペットボトルの水を購入する際,これほどおいしい水に恵まれた国なのに何故外国から水まで輸入しなければならないのか不思議でならず,必ず地元の丹沢山系の水を購入しています.もっともペットボトルの水は,リアル・ウォーターですが...

子供のころ,何度か学校の休みを岩手県水沢の曹洞宗の寺で過ごさせていただいたことがありますが,水は裏山の水源から直接引いてきていて,托鉢で頂いて来た地元のお米をその水を使って大きな薪釜で炊いていました.(私も料理長である典座和尚様を手伝っているうちに一人で炊けるようになりました.)もちろん,その薪も寺の周りの林から集めたものでした.そして,味噌汁の味噌も寺の自家製.今にして思えば,これほど贅沢でおいしいご飯をいただいたのは,後にも先にもこのお寺における滞在中だけでした.言うまでもなく正真正銘の地産地消であり,少々大げさですが,脱経済成長的な生活とも形容できるかもしれません. しかし,あのとき頂いたご飯こそ,本物のご飯といえるのではないかと,年を重ねるに連れ強く確信するようになっています.

Friday, 21 February 2014

スイスのゴールデンパスライン,誕生日の前後各10日間1等料金が無料に

かなり以前に入手していた情報ですが.

期間は,2014年5月1日まで.誕生日を含んで前後それぞれ10日間において無料で乗車できる区間と等級は次の通りです.
  • Montreux - Zweisimmen - Lenk (1等および2等)
  • Vevey - Les Pléiades (2等)
  • Montreux/Territet - Rochers-de-Naye (2等) 
なお,詳しくはGPLのこちらのページ(フランス語),またはこちらのページ(ドイツ語)をご覧下さい.これらのページを見るとなると判りますが,予めオンラインでの申込が必要です.(残念ながら,英語のページには見つかりませんでした.ただ,上記オファーについて英語での問い合わせも可能と思われるので,英語ページのContactから問い合わせてみるとよいでしょう.)

Thursday, 20 February 2014

スイス国立公園誕生100周年

2014年は,スイスに国立公園が誕生してから丁度100年目にあたり,8月1日の建国記念日のツェルニッツにおける特別な式典の他,同地のビジターセンターの特別展,ページェント,コンサートなど様々な催しが予定されています.(ツアーなども開催されるそうです.)今年は,スイスの自然を堪能するのに,特に適した年となりそうです.(天候にもよりますが.)

詳しくは,スイス国立公園の公式サイトをご覧下さい.(リンク先は,英語のページですが,さらに詳しい情報は,同サイトのドイツ語のJubiläumのページやAnlässeのページをご覧ください.)

Thursday, 13 February 2014

イスラム諸国の男女に訊きました.イスラム女性としてふさわしい服装とは?

先日,サウジアラビア映画『少女は自転車に乗って』(原題"Wadjida", "وجدة", ハイファ・アル=マンスール監督)を観て,たいへん感銘を受けました.映画としての出来栄えの素晴らしさは言うまでもなく,加えて監督が女性ということもあると思いますが,サウジアラビアにおける女性の社会的境遇がとてもよく描かれていました.それでいて,主人公の少女のあどけないしたたかさとでもいうのでしょうか,自分に正直に向き合う姿勢が,将来の,あるいは現在徐々に進行しつつあるイスラム社会の変化に対して明るい希望をも感じさせてくれた作品でした.

ところで,最近目にしたLe Courrier internationalの記事"Infographie : quel est le style "convenable" pour les femmes ?"で面白い話題が取り上げられていました.アメリカのPew Research Centerによって実施されたアンケート結果とその分析です.内容は,エジプト,イラク,サウジアラビアなどイスラム圏諸国の男女に異なる服装の女性のイラストを示して,どれがイスラムの女性として適切であるかを訊ねるというもの.その結果が,こちらのインフォーグラフに示されていますが,映画の舞台となったサウジアラビアの調査結果を見ると,当然ですが,映画の中で描かれているこの国の女性の風俗とまさにぴったり一致しています.(緑色の横棒グラフが男性を,そしてオレンジ色の横棒グラフが女性の回答結果を示しています.)

ご紹介した記事の英語版(オリジナル)へはこちらから.また,アンケートに関する詳しい報告および分析(英語)はこちらからダウンロード可能です.

なお,冒頭でご紹介した映画ですが,横浜の映画館ジャック&ベティで3月8日から14日まで上映されます.(期間中毎日二回上映:11:50 -, 18:40 -) 詳細は同映画館のこちらのページをご覧ください.

映画『塩狩峠』に登場した蒸気機関車 - 三菱大夕張鉄道No.3, No.4号機

今月28日は,明治42年(1909年)同日に,北海道の宗谷本線塩狩峠において自らの命を犠牲にして大事故を未然に防いだクリスチャン青年鉄道員長野政雄さんの1905回目の命日です.この出来事は三浦綾子さんの小説『塩狩峠』に描かれていますが,それをもとに1973年,松竹とワールド・ワイド映画が共同で同題の映画を制作しています.*1)

以下に書くことは,長野さんの命日を前に些か不謹慎かもしれませんが,一人の鉄道ファンとして最近知ったことです.それは,映画に登場する蒸気機関車(もちろん本物)のことです.二両登場しますが,国鉄9600形式のヴァリアントのひとつで,日立製作所により私鉄三菱鉱業大夕張鉄道向けに製造されたNo.3およびNo.4号機だったそうです.撮影の際には,それぞれ除煙板を外し,ナンバープレートも302, 809, 405といった三桁のものに付け替えて使用されていたようです.*2)

最初にこの映画を観たのは高校生のときですから,今から30年以上も前のこと.(その後,留学中のフランスでも観る機会がありました.) 長野さんの行為に感銘を覚えたことはもちろんですが,鉄道少年としてひとつ気になったことがありました.それは,映画の冒頭,鉄道青年会*3)の名寄支部発足式の翌日,講演者として招かれていた長野さんが名寄から帰路に着くときのシーンで彼が乗る列車を牽引する機関車の後ろ姿が写ったのですが,炭水車の両脇が後方に向かって下り勾配がついた形状をしていたのです.それを観て,当時持っていた知識からC56*4)と判断したのですが,続けて観て行くと本体はC56とは違う.むしろ,9600のような印象を受けました.(特にオープニングクレジットには,はっきりとその特徴的な姿が写っていました.)そして,最近,ウィキベディアのお陰でその謎がようやく解けました.ウィキペディアの国鉄9600形蒸気機関車の項の「私鉄の同形機」の箇所に三菱鉱業大夕張鉄道向けに製造された車両の炭水車が上記の仕様になっていたと書かれています.つまり,9600形の本体にC56形の炭水車を連結したようなタイプの機関車だったというわけです.大夕張鉄道のNo.3およびNo.4の製造年はそれぞれ1937年,1941年でしたから,C56の製造初年である1935年より後であり,やはりC56のバックスロープ型テンダーにヒントを得たのでしょう.また,それ以外にも国鉄形とは異なる仕様があったらしいことは,映像からも判ります.

ところで,こうした形状の炭水車は,世界でも珍しいのではないかと思います.外国の蒸気機関車で多少の知識を持ち合わせているものといえばドイツの蒸気機関車くらいですが,少なくともドイツには同様の炭水車は存在しません.逆に,ドイツにあって日本にない炭水車のタイプというと車掌室付き炭水車を挙げることができます.ドイツ語で"Kabinentender"(= Cabin tender)といいますが,貨物列車の車掌車を節約するために考案されたそうです.(例えば,2'2'T26 Kabなど.*5))あるいは,戦時仕様の50形や52形用に考案された浴槽形テンダー("Wannentender" = "(Bath)tub tender".2'2'T 30),同様に,復水式テンダー("Kondenstender" = "Condensation tender")なども日本には存在しません.なお,復水式テンダー(3'2'T 16など)を備えた機関車は,復水式機関車("Kondenslokomotive")という特殊な形式に属します.

ここで話を映画『塩狩峠』に戻しますが,このポストに運営されているサイトへのリンクの設置を許可していただいた三菱大夕張鉄道保存会の方から次の情報も頂きました.それは,『塩狩峠』は,ほぼ全編が大夕張で撮影されたこと,旭川教会*5)として登場する建物は,現存する日本キリスト教会鹿ノ谷教会*6)であること.そして,映画の撮影に使用されたNo.3, No.4については,両機とも保存されてはいるものの,No.4は夕張市の破綻により保存施設が閉鎖,No.3は個人所有でしたが,鉄道保存協会に譲渡され,同団体により保存および公開の手段が検討されているといったことです.

上記の独特の形状を持った二両の機関車のうち,どちらか一両でも公開される日が一日も早く来ることを願って止みません.(できれば,動態保存機として復活し,また広大な雪原を力走する姿が見られれば最高なのですが...)




*1) やはり,ウィキペディアから知ったことですが,似たような殉職事件は昭和22年,長崎県打坂のバス路線でも発生しています.ここでも,当時21歳の鬼塚道男車掌が自らの体を車止めにして急勾配を下り落ちるバスを止めることに成功し,乗客達の命を救いました.(cf. ウィキベディア「打坂地蔵尊」)ひとつ,ここであえて強調しておきたいことがあります.それは,長野さんにしても鬼塚さんにしても,彼らの行為はあくまでも自発的な決断によるものであって,自らが所属する社会集団(例えば,国家)による強制ではなかったということです.すなわち,映画『月光の夏』で描かれたような国家から軍神として無理矢理命を捧げさせられた特攻隊員たちや,同様に『When Pigs Have Wings』で描かれたイスラム原理過激主義者たちによってやはり強制的にムジャヒディンおよび殉教者とさせられそうになった主人公の行動とは決定的に異なるものであるということです.
*2) 詳しくは,三菱大夕張鉄道保存会のサイト内の「映画の舞台・三菱大夕張鉄道」のページをご覧下さい.同じく「1970年5月混合3列車乗車記」には,デフロスタを付けたバックスロープテンダー付9600の写真も掲載されています.なお,実際に事故が発生したのは1909年のことですから,当該列車を牽引していたのはもちろん9600ではありません.
*3) 正確には「鉄道キリスト教青年会」』.1908年,益富政助(ますとみ まさすけ)によって設立された団体.(Cf. 『日本キリスト教歴史大事典』,p899) 
*4) C56は,個人的に好きな形式のひとつですが,タンク機関車のC12をテンダー機に改造したものだそうです.ウィキペディアの解説には,ドイツの旅客用タンク機関車64形をテンダー機に改造した24形にヒントを得たのではと書かれていました.ところで,ドイツには逆の例もあります.つまり,テンダー機をタンク機に改造した例です.具体的には,57.14‰という急な勾配区間が存在するHöllentalbahn用に強力な貨物用テンダー機44形をベースに開発された三気筒の85形(1'E1' h3t)です.80番台なのでドイツ帝国鉄道(DRG)時代に開発された貨物用の統一規格機ですが,旅客列車も牽引しました.なお,合計10両製造されたもののうちの1両がフライブルグに展示されていますが,近い将来,動態保存機として復活し,ドライゼーエン鉄道でその勇姿を見せてくれることになりそうです.(2014年1月18日に放送された同保存鉄道を取り上げた"Eisenbahn Romantik"による情報.)日本では,D52とほぼ同じボイラーを使ったE10がそれに近い例と言えるかもしれません.(動軸数では,前者は4,後者は5と異なりますが.)
*5) 長野さんが実際に所属していたのは,現在の旭川六条教会.

*6) なお,車掌室付きテンダーは,ドイツにおいては唯一統一規格形の2'2'T 26を改造したもののみ製造されましたが,面白いことにオーストリア連邦鉄道においては,浴槽型テンダー2'2'T 30を改造したものもありました.(形式名は,2'2'T 30 Kabということになるのでしょうか.)(Cf. Die Dampflokomotive-Technik und Funktion, Teil3・Kurvenbewegliche Laufwerke, Bremsen, Lokomotiveausfrüstung und Tender, Eisenbahn JOURNAL Archiv, 3 Auflage, Hermann Merker Verlag Gmbh, Fürstenfeldbrück, 1994, pp66f)
*5) インターネットで鹿ノ谷教会という言葉で検索すると「夕張伝道所」として表示されます.

Sunday, 9 February 2014

「振り込め詐欺」をフランス語で言うと

フランス語圏のニュースを取り上げると謳っておきながら,最近は専ら鉄道関連の話題ばかり,しかも特にドイツの蒸気機関車についてのポストばかり載せておりますことをお詫び致します.

そこで今回は,特にフランス語を学習されている方に僅かでもお役に立てればと思い(本来はそれが本ブログの目的だったのですが),この言葉がフランス語でどのように訳されているか,たまたま見かけた記事などからご紹介したいと思います.

最初の記事は,2013年7月3日付電子版Le Nouvel Observateurの"Un suspect écroué dans une vaste escroquerie aux virements bancaires"で,タイトルからお判りになるように"escroquerie aux virements bancaires"と日本の振り込め詐欺を直訳したような表現が使われています.犯人は中国人グループで,リヨンなどローヌ・アルプ県に存在する複数の企業から総額2000万ユーロ以上を騙しとったとされており,犯人の一人が逮捕されました.手口は,相手に親類と思い込ませる点では日本と同じですが,相手は企業の幹部社員なのでさらに大胆です.そして,騙しとった金の送り先はすべて中国でした.(この事件は,NO以外の様々なニュースサイトでも取り上げられたので,興味がありましたらgoogle.frのActualitéなどにおいて上記タイトルで検索してみてください.)

なお,他の呼び方としては,"Escroquerie d'urgence"(カナダ政府の詐欺対策のサイト.ここでは,また"Escroquerie de grands-parents"(祖父母詐欺という名称も使っていますが,手口は変わりません.犯人は孫を名乗ります.), あるいはEscroquerie au petit-fils (「孫(を名のる)詐欺」リュクセンブルグのニュースサイト5minute.lu,同じ名称はカナダ警察のサイトでも使われています.)などがあるようです.

では,ドイツ語では何と呼んでいるかと言いますと,やはりEnkeltrick-Betrüg(孫(を名のってだます)詐欺)と呼ばれているようです.タブロイド紙の20 Minutenの最近の記事"Enkeltrick-Betrüger machen Beute wie nie"は,2013年における被害の件数は12月17日の時点で837,被害額も過去最高の3,905,873スイスフランを記録したと伝えています.(1件あたりの平均被害額は52,782スイスフランと日本の200数10万円と比べて2倍以上.*1))そして,被害者のほとんどが75歳から90歳の女性*1)と,やはり日本などと同じです.また,グループによる犯行がほとんどで,特にポーランドを本拠地としている場合が多いと連邦警察はみています.

最後に,では英語ではと調べたところ,"Relatives in need scam"という呼び方などが使われているようで,結局こちらが一番判り易いような気がします.(例えば,米国ワシントン州の法務局のサイトなど.)




*1) 日経BPのこちらのサイトに記載されていた情報.(リンクフリーとのことなので使わせていただきました.)
*2) 参考迄に,統計局のデータによると,スイスの2012年末における65歳以上の女性の人口は79万300人.

Wednesday, 5 February 2014

2014年春,サー・ナイジェルに会うには

旧LNERのA4形の一両,60007 Sir Nigel Gresleyに関する情報です.管理者であるThe Sir Nigel Gresley Lokomotive Preservation Trust Ltdによると,2月15日から23日にShildonにおいて開催されるマラード号世界記録樹立イベントの最後を飾るイベント"Great Goodbye"に参加後,North Norfolk Railwayへ移動し,NNRにおいて3月7, 8, 9日に開催されるSL祭(Spring Steam Gala)に参加する予定とのこと.(英国の鉄道網の所有者であるNetwork Railによる車両限界審査の結果次第だそうですが.)

その後は,詳細は未定ですが,例年通りNYMRのSL祭(Spring Steam Gala)に参加するのではないかと思っています.(4/25 - 27, 5/2 - 5)

なお,以上の保存鉄道の他,SL祭は英国各地の保存鉄道で開催されますが,以前本ブログで取り上げたセバーンバレー鉄道でも3月21, 22, 23の週末に予定されています. (詳しくは同鉄道のサイト内のこちらのページでご確認ください.)

ところで,最近,ツイッターで知ったのですが,英国にはフルタイムのボランティアで蒸気機関車の機関助士を務めている女性がいるそうです.まさに,《機関女子》!サミーさんとおっしゃるそうですが,写真を見る限り若くてなかなかの美人,しかも機関助士を務めるだけもあって,恐らく力持ちでおられることでしょう.サミーさんのツイッターのURLはこちらです.

Tuesday, 4 February 2014

2月23日運行のレティカ鉄道SL列車乗車券が今なら半額で購入可能

通常85 CHFのところ,Südostschweiz.comのサイト(ドイツ語)から申し込むと半額の42.5 CHFで購入が可能です.(実際にはクーポンが送られてくるので,それを19日までにレティカ鉄道の駅などで乗車券と引き換えます.)運行ルートは,ラントクアルト/クール発,ディセンティス往復です.詳しくは,レティカ鉄道のこちらのページをご覧下さい.

Thursday, 30 January 2014

鉄道ファンのための便利メモ(IIIb) - ドイツで蒸気機関車を観るには(2014年のイベントから)(続き)

蒸気機関車祭について,新しい情報を少しまとめて追加させていただくことに致しました.(本ブログにおいて勝手に「蒸気機関車祭」,または「SL祭」と訳させていただいている一連のイベント群ですが,ご紹介しているすべてのイベントの呼称が蒸気機関車祭(Dampffest)というわけではなく,実際には,それぞれ"Dampftreffen", "Dampftag(e)", "Dampfparade"などとかなりばらつきがあるのですが,個別に訳すのが面倒なので上記二つを訳語として使わせていただいております.ご興味があれば,これらの言葉をキーワードとしてウェブ検索を行ってみてください.これらの名称がつけられた各地の様々なSL関連イベントが表示されるはずです.)

ドイツのSLドック(人間ドックならぬ)マイニンゲン車両工場で毎年開催されている催しのようです.工場内の見学付きのツアーなどもラウジッツァーSLクラブにより企画されています.例えば,現在,03 2204がオーバーホールされていますが,その進捗状況も実物を見て確認することができます.

開催地は,ドイツではなくオランダですが,とにかくたくさんのドイツの現役蒸気機関車を見たいのだけど,4月に開催されるドレスデンSL祭への参加は無理,でも9月ならなんとか時間がとれそうという方には,自信を持ってお薦め出来るイベントです.ドレスデンSL祭にドイツ中のスター機関車が集結するのと同様に,こちらもオランダ中のスター機関車(殆どがドイツSL)が集結します.その中には,まず間違いなく,現時点ではヨーロッパにおいて唯一の現役三気筒01,オランダSL財団の01 1075も含まれると思われます.(ドレスデンには,三気筒旅客用としては,DBハレ博物館所蔵で01に比べ軸重の軽いエレガントな03 1010が参加する予定.)参加する形式の種類,数においてやや劣るとはいえ,こちらのSL祭でも,現役のドイツSLの主要形式をほとんど観ることができます.ベールべルケンに保存されているSLのリストはこちらから.("betriebsfähig" =「動態保存」.もちろん,実際に参加する車両は,各地の保存車両もゲストとして招待されているので,これに留まりません.比較されたい方のために,ドレスデンで展示が予定されている車両のリストはこちらからご覧下さい.)

さらにもうひとつ,こちらはドイツではなく,英国のSL祭のお知らせです.ですから,観られる車両も英国の機関車ですが,おまけとして.

(参考迄に,こちらは元々"Steam Gala"というイベント名がつけられています.)最近,英国の鉄道愛好家たちから寄せられるツィートに,昨年からヨークの鉄道博物館に世界中から集結した現存のA4形が,それぞれ帰国の途につきはじめたという報告が載るようになりましたが,青塗りのA4形動態保存機Sir Nigel Gresleyを管理している当該鉄道のイベントなので,マラード号と同形式のこの車両の出番も当然期待出来ると思います.詳細は未定のようですが,過去のイベントのギャラリーが公開されています.

ほかにも,英国では各地の保存鉄道がSL祭が予定されていて,3月7日から9日にかけてMid Hants Railwayで開催されるSL祭では,A4形は参加しないようですが,ゲスト機や機関車トーマスも含めて多くの車両に会うことができます.

ところで,個人的な話で恐縮ですが,今年も何とかドイツに赴けそうになったので,少々気が早いとは思いましたが,6月に予定されている,フランクフルト保存鉄道協会が主催する01 118が牽引する特別列車でのノイエンマルクトSL祭ツアーを予約してしまいました.こちらの団体の特レを予約するのは初めてなのですが,メールで依頼したところ,すぐに返信で予約された車両番号と座席番号を教えてくれました.しかも,料金は当日,車内で車掌に支払ってくださいとのことでした.随分簡単だなぁと思いましたが,以前,ウルム鉄道友の会2014年の年間カタログが公開されています.)の特レに乗ったときも同様の指示を受けたことがありました.このツアーを特に選んだのは,ヴァグナー式除煙板の付いたオリジナル仕様に近い01 118が観られるためであることはもちろんですが,フライヤーの説明にあるように,4時間余りのノイエンマルクト滞在中になんと01が重連で牽引するシーフェエーベネを往復する特レにも乗車が可能というオプション付きだったからです.(現在,計画中とのことですが.)なお,フランクフルト保存鉄道協会が運行する列車を予約する際には,ナビゲーションの中のKontaktを開き,Zur Buchung von Sonderfahrten an DERのリンクをご利用ください.(DERのメールアドレスが変更されているため,同協会のフライヤーなどに紹介されているDERのアドレス宛に直接メールを送っても正しく着信しないようです.)

さらに,ことによると,今回もう一本,バイエルン鉄道博物館18形のさよなら運転にも乗れるかとも思い,予約の方法を同博物館に確認したところ,予約はもちろんすぐに可能,ただ,車両番号や座席番号などは運行日のおよそ一週間前に通知するので,その際に指定の銀行口座に料金を予め振り込んでもらうことになるとのことでした.(以前,一度,申込数が最小催行人数に満たなかったため,予約したツアーがキャンセルになったことがありましたが.確か,やはりヴァグナー式除煙板付の01 066が牽引する特レだったと思います.)なお,同博物館のオンライン予約システムが故障しているようなので,問い合わせはサイトのメニューバーにあるKontaktformularから行いました.予約もこちらから受け付けるそうです.

Monday, 13 January 2014

蘇れ,65 1057!

人間に対する一目惚れの経験はあったとしてももほや思い出せませんが,蒸気機関車に対しては50代半ばになった今でも時折経験しています.

最近,その対象となったのが,旧東ドイツ国鉄(DR)の65.10形タンク機関車です.ご参考迄に,下にWikipediaから借用した写真を掲載しますが,第二次世界大戦後,東ドイツ国鉄によって最初に開発された機関車(Neubaulok.=新規開発機)で性能的にたいへん優れた形式だったそうです.*1) なお,旧西ドイツ国鉄(DB)でも65形という同じタンク機が開発されており,両形式とも近郊旅客用タンク機の需要に応じるために開発されたもので同じ1'D2' h2タイプですが,外観を始め緒元において大きな差異があるため,事実上別形式と考えた方がよいでしょう.(戦後の東西国鉄の車両は仕様が異なり,この時期に改造されたものも含め総じて相当異なる外観を備えています.)製造量数は,前者が18両,後者は88両でした.

さて,この二つの65において最も目を引く違いというと65.10の並外れた全長です.DBの65の15,475 mmに比べDRの65.10は17,500 mm.狭軌とはいえ,日本の国鉄C11形が12,650 mmですから,それに比べて凡そ5 mも長く,また,同じく小型テンダー機のC56の14,325 mmよりも3 m以上も長いということになります.また,動輪直径も65の1,500 mmに比べ65.10は1,600 mm.国鉄D51形の1,400 mmを上回っているのは言う迄もありませんが,ドイツ帝国鉄道のテンダーミカド機41と同じサイズであり,帝国鉄道時代に開発製造された統一規格型(Einheitslok.)と呼ばれる形式のうちテンダー機も含めて4動軸機としては,2両しか製造されず,また実運用に供されることもなかった06形の2000 mmを例外とすれば最大です.そして,当然といえば当然ですが,65.10は水タンク,石炭庫の容量共にドイツのタンク機の中では最大を誇っています.具体的には,水タンクの容量は16.0 m3,そして石炭庫は9.0 tです.(因みに,水タンク容量における第2位はやはりDBの新規開発機の66の14.3 m3,石炭庫では同じくDB66と旧バイエルン国鉄のマレー式Gt 2x4/4(後の帝国鉄道96形)が同位で5.0 tでした.*2 なお,参考迄に66形もその番号から判るように旅客用タンク機ですが,1'C2' h2の3動軸機で,動輪直径はこちらも1,600 mmでした.*3)



細身のボイラー,東独国鉄特有のエプロン部の全面カバー,そして煙室上部のIfS形混合予熱器という外観のため,ボイラー側部のタンクがなければ同じく東独国鉄の新造テンダー機23.10(35.10)形と見間違えそうです.(以上3枚ともWikipediaの"DR-Baureihe 65.10"の項に掲載されている画像)

実は,この機関車に一目惚れをするきっかけとなった写真は手元のドイツの蒸気機関車に関するある本*4)に掲載されていたものなのですが,著作権上ここでご紹介することができないので,例えばこちらの写真をご覧下さい.その美しく均整のとれた形状とタンク機ながらテンダー機並みの迫力がよくあらわれていると思います.また,ベルリン鉄道友の会のギャラリーにもその写真が掲載されていますが,こちらは長焦点のレンズで撮影されたものらしく,65.10の魅力的なロングボディーが残念ながらやや圧縮されて写ってしまっています.)

ところで,現存する65.10のうちの一台ベルリン鉄道友の会所有の65 1057が,このたび動態保存機として復活するため点検整備が行われることになりました.現在,ドイツではメインラインを走行する保存車両にも自動列車保安装置*5)の設置が義務付けられていますが,同機についてはそれが可能であるため,ベルリン鉄道友の会は再び動態保存機として復活させる決断をしたそうです.(ブラボー!詳しくはこちら(ドイツ語)をご覧下さい.)そこで,同団体では整備工事のための寄付を受け付けています.金額は100€からで日本からでもPayPalによる送金が可能です.(寄付の受付はこちらから.送金の際,"HU65 1097”とお書き添えください.)

なお,65.10の動態保存機としては,もう一両65 1049が残っていたのですが,残念ながら耐用期限前の2011年9月10日にさよなら運行が行われた後,復活の予定はないようです.




*1) Gerth, D., DEUTSCHE DAMPFLOKOMOTIVEN Baureihen 01 bis 99, Königswinter, 2011, p157
*2) Die Dampflokomotive-Technik und Funktion, Teil 3 Kurvenbewegliche Laufwerke, Bremsen, Lokomotiveausfüstung und Tender, Eisenbahn Journal Archiv, 3. Auflage, Fürstenfeldbruck, 1994, p78

*3) タンク機関車でも3動軸機まで含めれば,最大の動輪直径は,テンダー機に改造され,現在動態保存機として活躍している18 201の母体となった61形の2300 mmです.(18 201は3気筒の61 002の改造機ですが,もちろん三気筒で動輪直径も2300 mmのままです.現存する動態保存機の中で最速を誇るマシンです.)
*4) Gerth, D., DEUTSCHE..., Königswinter, 2011, p157
*5) 2012年12月1日より施行された新たな鉄道設備および運営規則(EBO)により動力車両への装着が義務付けられた新しい自動列車保安装置PZB 90.(一般にはIndusiと呼ばれている電磁誘導列車保安装置.ATSのようなものです.前掲二枚目の写真で○で囲んだ機器.Indusiの仕組みについてはこちらのページ(英語)が判り易く説明しています.もちろん,Wikipediaなどでも.)

Wednesday, 8 January 2014

クールのイタリア料理店La Vitaの3コースメニューが半額に

スイス,グラウビュンデン州の首都クールにあるこの店の通常88フランの3コースメニューが44フランで楽しめるクーポンが,現在Südostschweiz.chのサイトで購入可能です.

使用可能期間は,1月13日から8月6日迄.洗練された地中海料理と充実のワインセラー,そして快い雰囲気が自慢のレストランだそうです.

なお,クーポン使用の際には予約が必要です.

Sunday, 5 January 2014

スイスのレティカ鉄道,SL列車の初運行は2月23日

ルートは,以下のようにラントクアルト発着ディゼンティス往復です.

Landquart
 dep
 08.55
Chur
  arr
 09.21
Disentis/Mustér
  arr
 11.44
Disentis/Mustér
 dep
 14.15
Chur
  arr
 16.36
Landquart
  arr
 17.18

詳しくはRhBサイト内のこちらのページ(英語)をご覧下さい.天候に恵まれれば,パウダースノーで覆われた白銀の世界を駆け抜ける迫力ある走行が眺められそうです.

Wednesday, 1 January 2014

Happy New Year!

新年あけましておめでとうございます.

本年一年の皆様のご健康とご多幸をお祈り致します.

本年もよろしくお願い致します.


May peace reign on the earth, not hindered by some Shinto-fundamentalists or Shinto-extremists.

Thursday, 26 December 2013

シーメンス製新型ICE用車両Velora-DのDB納入開始とパリ,ジュネーブ間でのEuroduplex運行開始について

以前のポストで納入時期の遅れについてお伝えしたVelora-D(407系)ですが,IRJの記事によるとシーメンスはDBから発注された16編成のうち4編成をすでに納入し,残りは来年の春に納入する予定だそうです.8両で構成されるVelora-Dの基本編成は単独,併合運行ともに320 km/hでの走行が可能です.(ICE塗装のVeloraの写真が掲載されたシーメンスの広報ページはこちらから.)

もうひとつは,パリとジュネーブを結ぶ,言わばTGVの老舗路線への二階建TGVEuroduplexの導入のお知らせです.運行開始は今月29日.以下のように,2往復のリリアがEuroduplexによる運行になります.

パリ発12:11, 19:11
ジュネーブ着15:27, 22:19
(TGV Lyria 9773, 9785)

ジュネーブ発6:12, 16:29
パリ着9:27, 16:49
(TGV Lyria 9760, 9778)

報道機関向け資料はこちらです.(フランス語)

なお,二階建TGVの利用について,これまでの個人的な経験から一言言わせていただくと,利用するたびにトイレが故障している場合が他の形式に比べて多いように感じます.

アルブラ鉄道博物館,2014年のヨーロッパ博物館賞の候補に

先日,パリで開催されたヨーロッパ博物館フォーラムの審査会においてスイスのアルブラ鉄道博物館がEuropean Museum of the Year Award 2014の候補として選出されました.最終選考結果は来年2014年5月17日に発表されます.なお,同賞にはヨーロッパ各国から合計35もの博物館が受賞候補として選出されていて,そのうち3館はスイス所在です.

* 本ブログでも,以前こちらのポストでアルブラ博物館を取り上げました.

Friday, 13 December 2013

レティカ鉄道の写真,Wikipedia世界文化遺産写真コンテストで最優秀賞受賞

Herzliche Gratulation ! おめでとうございます!

当該作品も含め受賞作品はWiki Loves Monumentsのサイトでご覧iになれます.

また,こちらのサイトにもレティカ鉄道をモティーフとしたたくさんの美しい写真が掲載されています.

そして,レティカ鉄道の来年のカレンダーは同鉄道のサイト(ドイツ語)から購入できます.(日本語や英語のページではカレンダーは表示されないようです.)なお,日本への配送は30スイスフランからなので,最低でもカレンダー(29フラン)に何かほかの商品を組み合わせての注文が必要です.

Monday, 9 December 2013

ドイツの鉄道模型ファンの方へ - カールスルーへのライブスチーム展示会のお知らせ

来年2014年1月10から12日まで,カールスルーへで1000以上ものライブスチーム(機関車,エンジン,船など)の展示会が開催されます.ウェブサイトはこちらです.(英語)入場料は12€です.(下のビデオはブリキ製の鉄道模型の紹介です.)


なお,ドイツの鉄道模型好きの方にとって見逃せないイベントは,何と言っても毎年ケルンで開催されるヨーロッパ最大の展示会IMAですが,2014年は11月20日から24日まで開催される予定です.英語のサイトはこちらから.

ところで,ライブスチームと言えば,スイスのル・ブブレにあるスチームパークも有名です.英語のサイトへはこちらからどうぞ. なお,シーズンオープニングは来年の3月19日です.

Sunday, 8 December 2013

世界最大の産油国になりつつあるアメリカのジレンマ

2012年11月13日付ポストでお伝えしたように,アメリカが,将来サウジアラビアやロシアを抜いて世界最大の産油国になる公算が大きくなりつつあるようです.そう報じたのはスイスの日刊紙11月12日付Neue Zürcher Zeitungの記事"Amerikanische Prärie vor saudischer Wüste"で,2008年から2012年の間にアメリカにおける産油量は30%増加しているというBP Statistical Review of World Energyのデータを紹介しています.同じ記事は,また,IEAの2020年にはアメリカはサウジアラビアを抜いて世界一の産油国となるという予測も伝えています.近年,このようにアメリカにおいて原油産出量が飛躍的に増大したのは,フラッキングによるシェールオイル採掘の技術が開発されたからですが,もしアメリカがエネルギーを自給できるようになれば,中東から原油を輸入する必要がなくなり,そうなればアラビア湾周辺に艦艇を派遣する必要なくなるだろうと多くの専門家はみています.つまり,アメリカのエネルギー安全保障にとって大きなプラスとなるわけです.(EIAの予測によると,2013年において天然ガスと石油を合わせれば,アメリカは世界最大のエネルギー産出国になるようです.)

しかし,問題がないわけではありません.ひとつは,フラッキングによる採掘には従来の採掘に比べ多額の費用がかかります.そのため,継続してシェールオイルを採掘するには,採算に見合う程度の原油価格が維持される必要があります.1970年代からアメリカでは原油の輸出が禁止されていますが,もし,こうした状況で多量のシェールオイルが北アメリカの市場に供給されれば,当然価格の下落を招き,新たな採掘は採算に見合わないということになってしまいます.もっとも,目下,ワシントンでは原油の輸出禁止を撤廃させるためのロビー活動が盛んに行われているそうですが.そして,もうひとつは,アメリカ各地で巻き起こっているフラッキングによる採掘に反対する市民たちの動きです.そうした動きが,最近ではカルフォルニア州などでも起きているようですが,(Cf. "In Kalifornien wird über Fracking gestritten", Neue Zürcher Zeitung, 2013/7/30)今後,どのような展開になるのか気になるところです.

なお,冒頭で紹介した記事には,1965年以降の国毎の原油生産量と消費量が示された地図が掲載されていますが,そこに世界の産油国と消費国のそれぞれトップ5が挙げられていました.以下にそれらの国を記します.


産油国:
  1. サウジアラビア
  2. ロシア
  3. アメリカ
  4. 中国
  5. カナダ
消費国:
  1. アメリカ
  2. 中国
  3. 日本
  4. インド
  5. ロシア

以上が記事の要約です.ところで,今や,アメリカを抜いて世界一の原油輸入国となった中国も,世界第三位の消費国日本も中東の原油に大きく依存する状況は今後も続くと思われますが,世界のエネルギー分野でのパワーバランスにおけるアメリカのこうした大きな変化は,関係がこじれにこじれている両国にどのような影響を及ぼすのでしょうか.仮に将来,アメリカが中東海域へ派遣する艦艇の規模を縮小,あるいは中止した場合,中国海軍の艦艇が海上交通路の防衛を行うようになるのか,それとも日本の自衛艦がその任に当たるのか,少なくとも両国がこの分野で協力し合うことは現状では考えにくいでしょう.もし仮に中国の軍事力が中東海域の安定を維持するようになった場合の日本はどのような行動をとるのか気になるところです.ただ,こうした状況は,特定秘密保護法に類する法律や規制の制定も含め日本の軍事力増強を目指す政治家や官僚たちにとってうってうけの口実を提供するでしょう.そして,もちろん原子力発電所再稼働を支持する人たちにも.本来,先進諸国としては際立って低い労働効率および生産効率を改善し,エネルギー消費を低く抑えることが何よりも先に取り組むべき課題だと思うのですが,こればかりは日本人が無意識に共有する農耕村落共同体的民族性あるいは本能が見えない障壁となっているため,ほぼ不可能といえそうです.

いずれにせよ,エネルギー輸出国に転換しうる可能性を持つアメリカは,TPPなどの経済連携協定の交渉において特に日本のようなエネルギー弱国に対する優位性を高めることは大いに考えられます.(何となく,上述のEIAのデータはそのために発表されたような感もなきにしもあらずですが.)

最後に,EIAのデータを基に作成されたこちらの地図を見ると中国も相当量のシェールガスを埋蔵しているようです.(各円グラフの中心部の濃い茶色は天然ガスの埋蔵量,周辺部の薄い茶色は(フラッキングによる)採掘が可能とされるシェールガスの埋蔵量です.単位は10億m3です.なお,この地図が掲載されているサイトはこちらです.)



関連ポスト:
- エネルギーを巡る話題二つ - フランス,中国,アメリカの進む方向(2013/10/13)
- コロラド州ロングモント市,住民投票で水圧破砕によるシェールガス採掘に"No"(2012/12/1)
- アメリカ,世界第一位のエネルギー資源輸出国へ(2012/11/13)

増加が続くEUの債務

最近,ドイツ語圏のニュースなどでは,EU全体の国の債務が増加し続けていることが伝えられていますが,EUの統計機関であるEurostatのデータを基にGoogleが提供しているグラフがあったので下にご紹介します.それぞれ左下の▶ボタンをクリックすると過去からこれまでの推移が自動再生されます.手動で特定の年のデータを見たい場合はスライダーに矢印を置いてドラッグしてください.なお,元のページでは年毎の変化が一目で判る折れ線グラフも提供されていて,各グラフの右下のExplore dataのリンクからアクセスできます.

  • EU各国の国の債務残高(ユーロ)


  • EU各国の国の債務の対国内総生産比

  • EU各国の歳入と歳出の差の対国内総生産比


関連ポスト:
ユーロ圏各国債務残高及び償還時期

Friday, 6 December 2013

ワシントン市の三倍の面積を持つ北朝鮮の新しい強制収容施設

北朝鮮が新たに建設したという強制収容施設を撮影した衛星写真が,アムネスティーインターナショナルによって公開されていますが,Kwanliso 16 ,
またはキャンプ 16と呼ばれる施設だけでも560 km2の面積だそうです.これは,米国の首都ワシントン市の面積の実に三倍にあたる広さです.

アムネスティーの専門家は,2011年の時点ですでにこの施設に子供も含む20,000人が収容されており,現在ではさらに多くが収容されているとみています.

アムネスティーインターナショナルのリポートには,元キャンプ16の警備職員の証言が紹介されていて,それによると,収容されている人々は自らの墓穴を掘らされ,ハンマーや棍棒で撲殺されるか,絞殺されているようです.また,女性たちはレイプされた後,殺害されているとのことです.


関連記事:
(衛星写真は,Tages Anzeigerの記事に最も多く掲載されています.)
Wie Nordkorea seine Straflager ausbaut (Tages Anzeiger,12月5日)
Nordkorea baut seine Straflager aus (Blick.ch,12月5日)
Nordkorea hat Straflager laut Amnesty weiter ausgebaut (Zeit Online,12月5日)

台風"Xaver"の被害を伝えるTAGESSPIEGELのLive-Blog

すでに英国,スカンジナビア,ポーランドで7名の死者を出している台風"Xaver"ですが,ドイツ気象庁は暴風雨警報を6日18時まで延長しました.交通にも深刻な影響が出ているようです.詳しくは,TAGESSPIEGELのLive-Blogをご覧ください.(ドイツ語)

200両以上のタウルスが描かれたビッグポスター

サイズは1 m x 0.7 m.様々な鉄道会社のペイントデザインのタウルスが200両以上描かれたポスターがRailcolorより発売されます.日本への発送も可能で,只今予約受付中です.詳しくは,Railcolorのサイトをご覧下さい.(鉄道好きのお子さんの部屋などを飾るにはうってつけのアイテムです.)

Wednesday, 4 December 2013

ラインゴールド号に乗るパッケージツアー

伝説の国際特急ラインゴールド号を使ったヨーロッパ旅行などを主催するAKE - Eisenbahntouristik2014年版のカタログが公開されています.(残念ながら,サイトはドイツ語のみのようです.)同社は,また,12月7日以降,旧東ドイツ国鉄の石炭燃焼機03 2155牽引の複数のクリスマス特別列車の運行も予定しています.詳しくはこちらのページをご覧下さい.オンライン予約も可能です.その他,ラインゴールド号に乗ってドレスデンへ行き新年を迎える5日間のパッケージツアー,また,01 150牽引の特別列車,さらに年末にはやはりラインゴールド号に乗ってドイツ各地のクリスマスマーケットを訪れるツアー等が予定されています.

ウェブギャラリーへはこちらから.(食堂車での食事も豪華そうです.)

アメリカはもはや世界の警察である必要はない - 最新のアメリカの世論調査の結果

以下,SPIEGEL誌の12月3日付"Neue Studie:Amerikaner wollen nicht mehr Weltpolizei sein"の抄訳です.

Pew Research CenterとCouncil on Foreign Relationsによってアメリカ市民を対象とした世論調査が実施されましたが,その結果は以下のとおりです.なお,詳しい結果の分析はこちらからダウンロードできます.
  • アメリカは自国の問題を解決すべき
アメリカは自国の問題の処理に努力すべきで,他国の問題はその国自身で解決すべきという回答が52%でした.それに対して反対,つまりアメリカは引き続き他国の問題にも介入すべきであると回答したのは38%でした.この設問の回答にこれほど大きな開きが生じたのは50年来初めてのことです.もっとも,他国との密接な経済連携については賛成が77%にのぼり,グローバルな経済活動の枠組み作りはアメリカの国益に役立っているとしています.
  • アメリカの影響力は縮小
過半数である53%の人が,10年前に比べアメリカが世界で果たしている役割は小さくなったと感じています.この数字は2004年の調査結果に比べ2倍です.そして,70%の人が,アメリカに対する世界の評価は以前に比較して落ちていると感じていますが,これはG. W. ブッシュ大統領の任期中に記録したものとほぼ同じ数字です.
  • オバマ外交への不満
当初は,その外交力が評価されていたオバマ大統領ですが,56%の人が,大統領のシリア,イラン,あるいは中国などに対する外交政策に不満と回答しています.反対に支持を表明したのは34%でした.そして,アフガニスタンへの軍事介入については,それがアメリカの安全保障にとって益となったと考える人が全体の1/3以下でした.外交同様,内政に対しても不満を表明する人が多いですが,オバマ大統領の対テロ政策に関しては過半数のアメリカ人が評価しています.
  • NSAの活動は安全保障にとって有効
過半数には満ちませんが,39%の人がNSAの諜報活動がアメリカの安全保障にとって有効であると考えており,逆の考えを持っている人は14%でした.なお,38%の人からはどちらでもないとの回答でした.
以上が,記事の内容ですが,例えばエネルギー分野に関する限り,発掘による環境への影響はともかく,自国に有するシェールガスなどを使えば将来的には十分自給できるようになるでしょうから,国庫に莫大な負担を強いる中東海域の警備のための艦艇派遣する必要もなくなってゆくでしょう.そうなると,今や中東からの原油の輸入量でアメリカを抜いて世界一となった中国が,中東海域での警察官役をかって出るのかどうか気になるところです.いずれにせよ,日本人が持っているアメリカ=世界の警察という固い信仰はそろそろ見直したほうがよさそうです.

NSAの主要ターゲットの一つ,日本

Spiegelがエドワード・スノーデン氏によって公開された資料に基づいて作成した地図が示すように,日本も2010年以降NSAの盗聴活動の主要な対象国のひとつとなっていたようです.

チョコレートとチーズが好きな鉄道ファンの方へ - スイスのゴールデンパス線特別列車のご案内

この冬,ゴールデンパス線では,通常のパノラマトレインに加えてチョコレートトレインとチーズトレインが運行されます.また,クラシックトレインは毎日運行されます.特別列車のページはこちらです.(英語)以下,各列車のデータです.
運行日:2013/12/27, 30, 2014/1/6, 13
パンフレットダウンロード
オンライン予約
運行日:2013/12/6から2014/4/27までの毎金,土,日曜日
パンフレットダウンロード
運行日:毎日
パンフレットダウンロード
オンライン予約
なお,チーズトレインについては,フランス語,あるいはドイツ語を解せる方は,etravel.chで1名39%ディスカウントの23フランで乗車券(1等)の購入が可能です.(フォンデュの食事付)

さらに,モントルー近郊のコーのクリスマス村ではサンタクロースと過ごす特別なイベントも12月24日迄開催されています. 詳しくはこちらのパンフレットをご覧下さい.

ところで,今ならゴールデンパス線では誕生日と前後それぞれ10日間全路線無料で1等車での旅行が可能です.詳しくはこちらから.(フランス語.ドイツ語はこちらから.英語のページは無いようです.)来年2014年5月1日まで限定の特別企画なので,ご旅行日にご注意ください.

Tuesday, 3 December 2013

Les tendances bijoux des défilés printemps-été 2014

Chanel, Balmain, Dior, Lanvin...

Web gallery (46枚もあるので全部見ると骨が折れます.)