(検索したところ,2014年1月7日付のNational Geographicの記事'Bizarre Earthquake Lights Finally Explained'にすでに紹介されていました.)
以下,文末に紹介しているSPIEGELの記事の抄訳です.急いで訳したので乱文お許しください.
2010年2月27日夜,チリの町タルカ(Talca)付近で,2人の男性がパーティーから自動車で帰る途中,突然,空に光の筋が閃くのを目撃しました.彼らの自動車の上に設置されていたカメラによって撮影されたその光は,数分間,地上から空に向かって閃いているようでした.そして,それと殆ど同じ瞬間に付近一帯で地震が発生したのです.
この映像は,長い間,科学者たちによって単なる伝説とされていた現象,'地震光'('Earthquake light')の真相究明に役立つ資料となりました.
古代において大きな地震を経験した人達も,'巨大な炎の柱'を目撃したという記録を残していますが,近代における最初の記録は,1966年2月26日の夜,日本のマタシロに住むある歯科医がカメラを持って家の外に出たところ,突然,光が閃くのを目撃し,思わずシャッターを押して撮影したもので,その直後に地震が発生したと伝えられています.
上記の報告が提出されても,殆どの科学者達は,変人扱いされることを恐れ,真相の究明に乗り出そうとはしませんでした.それでも,日本とアメリカの科学者達は,地震発生前に,こうした閃光が地上から空に向かって走る原因を探ろうと10年前に研究を開始したのでした.そして,南イリノア大学のEric Ferré氏と彼のチームが,この現象の原因の特定に至ったのでした.
フェレ氏と同僚の研究者達は,この光の発生が地震が起きる地帯に存在している岩石に起因するものとしています.そして,研究結果をウィーンで開催された今年のEuropean Geosciences Unionの年次大会で発表しました.専門家達は,この現象が,地震予知にも利用できるのではないかと考えています.
この現象の原因は'偽玄武岩玻璃'('pseudotachylite')と呼ばれる珍しい岩で,地震発生箇所に於ける数百万トンもの岩同士が互いに押し合うことで生成されます.すなわち,幅1 cm程の線に沿って岩同士が強く接触し合うことで,接触する部分が1,700℃の高温に達し白く光る状態と化し,そして,溶解します.その数秒後,溶解物は冷却され黒い薄い硝子の層に変化します.
フェレ氏とその同僚Natalie Leibovitz氏は,各地で特有の条痕を留めたこの岩を掘り出し,実験室で分析しました.その結果,地震は強力な電気を発生させることが判明したのです.
地震によって発生する電流は,岩石内の鉱物に強い磁力を及ぼします.実際,地震が起きた場所における岩石内の鉱物の磁力の方向は,他の場所の岩石内の鉱物のそれと異なっているというのです.
また,通常,鉄を含む分子の配列は整然としていますが,他の地震が起きた場所で見つかる岩石内では,その配列は大きく乱れています.このことは,そこで通常の千倍もの強い磁力が生じたことを示していて,従って,強力な電流が生じたことを証明するものです.
以上のことから,これ迄の'地震光'の原因と考えられて来た3つの仮説について考えてみます.1つめの仮説は,電線が折れ曲がったことによるもの.2つめは,落雷.そして,3つめは,地上から発せられた雷光です.
フェレ氏達の研究の結果によると,最初の2つの仮説は退けられるべきであり,3つ目の仮説が,地中に於いて発生する強力な電流によって発せられるものという但し書きがつくものの正しかったと言えます.
ところで,フェレ氏達の発見は,これまでの岩石は電流を通さないという定説を覆すものですが,フェレ氏は,次のように考えます.地震が発生したことで岩石が強く押し合う場所においては,鉱物の分子構造が大きく乱され,強い電気が発生します.この電気は鉱物内へ流れ,やがて地表へ到達し,通常の雷のような放電が起きるのです.但し,稲妻の流れる方向は通常の逆となります.
フェレ氏達は,現在,研究室に於いてこの現象の正確な発生過程を突き止めようとしていますが,1995年の阪神淡路大震災発生後に,根の部分が焼けた樹木が発見されていますが,その数メートル下に偽玄武岩玻璃が発見されており,彼らの説はかなり信憑性が高いと言えるでしょう.
以下,文末に紹介しているSPIEGELの記事の抄訳です.急いで訳したので乱文お許しください.
2010年2月27日夜,チリの町タルカ(Talca)付近で,2人の男性がパーティーから自動車で帰る途中,突然,空に光の筋が閃くのを目撃しました.彼らの自動車の上に設置されていたカメラによって撮影されたその光は,数分間,地上から空に向かって閃いているようでした.そして,それと殆ど同じ瞬間に付近一帯で地震が発生したのです.
この映像は,長い間,科学者たちによって単なる伝説とされていた現象,'地震光'('Earthquake light')の真相究明に役立つ資料となりました.
古代において大きな地震を経験した人達も,'巨大な炎の柱'を目撃したという記録を残していますが,近代における最初の記録は,1966年2月26日の夜,日本のマタシロに住むある歯科医がカメラを持って家の外に出たところ,突然,光が閃くのを目撃し,思わずシャッターを押して撮影したもので,その直後に地震が発生したと伝えられています.
上記の報告が提出されても,殆どの科学者達は,変人扱いされることを恐れ,真相の究明に乗り出そうとはしませんでした.それでも,日本とアメリカの科学者達は,地震発生前に,こうした閃光が地上から空に向かって走る原因を探ろうと10年前に研究を開始したのでした.そして,南イリノア大学のEric Ferré氏と彼のチームが,この現象の原因の特定に至ったのでした.
フェレ氏と同僚の研究者達は,この光の発生が地震が起きる地帯に存在している岩石に起因するものとしています.そして,研究結果をウィーンで開催された今年のEuropean Geosciences Unionの年次大会で発表しました.専門家達は,この現象が,地震予知にも利用できるのではないかと考えています.
この現象の原因は'偽玄武岩玻璃'('pseudotachylite')と呼ばれる珍しい岩で,地震発生箇所に於ける数百万トンもの岩同士が互いに押し合うことで生成されます.すなわち,幅1 cm程の線に沿って岩同士が強く接触し合うことで,接触する部分が1,700℃の高温に達し白く光る状態と化し,そして,溶解します.その数秒後,溶解物は冷却され黒い薄い硝子の層に変化します.
フェレ氏とその同僚Natalie Leibovitz氏は,各地で特有の条痕を留めたこの岩を掘り出し,実験室で分析しました.その結果,地震は強力な電気を発生させることが判明したのです.
地震によって発生する電流は,岩石内の鉱物に強い磁力を及ぼします.実際,地震が起きた場所における岩石内の鉱物の磁力の方向は,他の場所の岩石内の鉱物のそれと異なっているというのです.
また,通常,鉄を含む分子の配列は整然としていますが,他の地震が起きた場所で見つかる岩石内では,その配列は大きく乱れています.このことは,そこで通常の千倍もの強い磁力が生じたことを示していて,従って,強力な電流が生じたことを証明するものです.
以上のことから,これ迄の'地震光'の原因と考えられて来た3つの仮説について考えてみます.1つめの仮説は,電線が折れ曲がったことによるもの.2つめは,落雷.そして,3つめは,地上から発せられた雷光です.
フェレ氏達の研究の結果によると,最初の2つの仮説は退けられるべきであり,3つ目の仮説が,地中に於いて発生する強力な電流によって発せられるものという但し書きがつくものの正しかったと言えます.
ところで,フェレ氏達の発見は,これまでの岩石は電流を通さないという定説を覆すものですが,フェレ氏は,次のように考えます.地震が発生したことで岩石が強く押し合う場所においては,鉱物の分子構造が大きく乱され,強い電気が発生します.この電気は鉱物内へ流れ,やがて地表へ到達し,通常の雷のような放電が起きるのです.但し,稲妻の流れる方向は通常の逆となります.
フェレ氏達は,現在,研究室に於いてこの現象の正確な発生過程を突き止めようとしていますが,1995年の阪神淡路大震災発生後に,根の部分が焼けた樹木が発見されていますが,その数メートル下に偽玄武岩玻璃が発見されており,彼らの説はかなり信憑性が高いと言えるでしょう.
Blitze aus dem Boden: Geologen entdecken Ursprung der Erdbebenlichter http://t.co/VsikLmkPXW
— tendon kurata (@KurataTendon) 2015, 6月 8
No comments:
Post a Comment