今後,予想される動きとしては,西側諸国とイランとの接近,シリアとイラクの地図上からの消滅,中東への介入から手をひくアメリカ... 1916年に国家間の協定により確定した中東の秩序は崩壊しつつあることは事実です.中東問題に詳しいVolker Perthesさんは,現在,私たちはソビエト連邦崩壊よりも大きな歴史の混乱期を生きていると言います.ということは,今は,まさに「中東の秋」なのでしょうか.ヨーロッパの場合は,「中世の秋」が終わった後,ルネサンス,宗教改革,市民革命,啓蒙主義運動などが起こり,今日の市民社会が成立しましたが,アラブ世界の場合は,一体,どのような結果に終わるのでしょうか.日本の西洋文化をその基礎抜きで受け入れた形ばかりの近代化は,言葉に拘束されない自然宗教文化圏だったから可能でした.しかし,超越神の言葉による拘束を受ける啓示宗教文化圏では,上述したように,その拘束を言葉によって乗り越える過程が必要でした.かつて,イスラム世界においても,啓蒙的な君主や学者達がいました.しかし,彼らの影響力は,内外の様々な要因によってイスラム世界全体をキリスト教文化圏のような過程に導くには至らなかったことは事実です.いずれにせよ,今や混迷を極めるアラブ世界,あるいはイスラムの影響圏での悲劇が一日も早く収束することを祈るものです.
Das Ende des Nahen Ostens http://t.co/S3HPUxNTSM
— tendon kurata (@KurataTendon) 2015, 6月 26
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