Wednesday, 13 November 2013

さらば,ベルリン-シベリア急行!

私事ですが,ヨーロッパへ留学のためにシベリア鉄道に乗ったのは今からもう30年以上も前のことです.ソビエト連邦時代でしたが,乗り合わせた乗客たちは皆親切で彼らとの交流は今でも楽しい思い出としてはっきりと記憶に残っています.

ところで,現在,ヨーロッパで最長距離を走る列車というと.ベルリン中央駅とロシアのノボシビルスクを80時間で結ぶ直行列車です.走行距離はおよそ5000 km.ドイツからポーランド,ベラルーシを経由してロシアへ入ったのちウラル山脈を越えて終着のノボシビルスクへ向かいます.運行本数は週に上下それぞれ1本で,ベルリン発(列車番号070Ж)が土曜日,ノボシビルスク発(113И)が火曜日です.(ただ,ノボシビルスクは地理的にはアジアに位置するため,ヨーロッパで最長距離を走る列車というのは正確ではないと言う人もいます.では,厳密な意味でヨーロッパにおける最長走行距離を持つ列車はというと,モスクワとフランスのニース間で運行されている23/24列車で,3172 kmをおよそ48時間で走り抜けます.)

この列車が,来月7日のベルリン発を最後に定期運行を終了すると,先日ロシア国鉄は発表しました.利用者が少ないというのがその理由です.これも時代の趨勢で仕方がないとはいえ,使ったことはないものの一抹の寂しさは禁じ得ません.そういえば,子供の頃,知らない土地での鉄道旅行を夢見てページをめくったトーマク・クックの時刻表には,当時のソ連を含め東欧諸国と西欧を結ぶたくさんの長距離列車が記載されていたが,それらは今どうなっていることだろうと,ふと考えさせられたニュースでした.(例えばワルシャワ発ウィーン行きのショパン号などはどうかしらんと,試しにポーランド国鉄(PKP)のサイトで調べたらまだ健在のようでした.下の画像の三枚目がショパン号の時刻表です.)

以上,Spiegelの"Berlin-Sibirien direkt:Letzte Abfahrt nach Nowosibirsk"からですが,以下は,ロシア国鉄のサイトで見つけたこの列車の時刻表です.ノボシビルスク発の最後の列車は12月3日に運行されるようです.(各画像上でクリックすると拡大表示されます.)
ベルリン→ノボシビルスク最終列車(12月7日)途中停車駅を含めた詳しい時刻表はこちらから.(列車番号の下の表記を見る限り列車名は"Berlin Zoo"のようです.すなわち,ベルリン号,あるいはベルリン・ツォー(動物園)号です.)

ノボシビルスク→ベルリン最終列車(12月3日)途中停車駅を含めた詳しい時刻表はこちらから.

つい懐かしくなって探したショパン号の時刻表.国際列車なのですが,TLKと書いてあるので列車等級はインターシティのようです.オーストリア連邦鉄道のサイトでも検索できます.

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