Tuesday 14 August 2012

ヨーロッパの原子力発電所の情報開示事情

* 以下は,以前書いたポストの脚注の部分を抜き出したものが,当該ポストの本文の内容との乖離が大きいために独立したポストとさせていただきました.

例えば,オーストリアというのは,原子力発電所の問題には非常に敏感な国で,自らは持っていませんが,中欧というその位置柄チェルノブイリに近 く,また,国境付近に多くの,古く危険性の高い原子力発電施設が存在していることもその理由とは思いますが,昨年の福島第一原子力発電所で事故が発生した 直後,オーストリア気象庁(ZAMG: Zentralanstalt für Meteorologie und Geodynamik)は,もちろん日本に設置されているものも含め,周辺各国にあるCTBTO(包括的核実験禁止条約機関)の観測所のデータをもとにセ シウム137やヨウ素131などの放射性物質の大気の動きによる拡散のシュミレーションをいち早く発表しています.そして,それはドイツのシュピーゲル (Spiegel)誌の3月14日付け電子版に掲載され.世界中の多くの人に極めて重要な情報が提供されました.("Wind bläst radioaktive Wolke nach Tokio":「放射能雲が風によって東京方向へ流されている」) ついでに云うと,同誌は,上述の情報に加え,福島第一原子力発電所の第3原子炉は,非 常に危険なMox燃料を使用している事を,やはり事故直後の3月13日付けの電子版で伝えています.("Plutonium-Gefahr im Krisenreaktor":「危機状況の原子炉におけるプルトニウムの危険」) 最後にもう一度,オーストリアの話に戻りまして,この国には,Global 2000という,原子力発電所の問題も含め,さまざまな分野における環境問題にとりくんでいる民間団体があり,Google Mapを使って,欧州全域にわたる原子力発電所に関する詳細な情報(事故履歴等)をイントラクティブで提供しています.興味がありましたら,下記URLに アクセスしてみてください. Google.atで,"AKWs in Europa"というキーワードで検索しても見つかります.(いずれにせよ,残念ながら,ドイツ語ですが...) http://maps.google.at/maps/ms?ie=UTF8&hl=de&msa=0&msid=212731046368592544065.000474b3dbfa178d4a444&source=embed&ll=50.401515,9.052734&spn=14.719408,23.027344&z=5

No comments:

Post a Comment