Thursday 5 February 2015

大麻の合法化でコロラド州の税収大幅に増加

コロラド州には,面白い法律(州法)があります.1992年に施行されたもので,それによると税収の超過分は州民に公平に還付されることになっています.超過分というのは,インフレ率や人口増加率などから算定された最高徴収税額を上回った分で,これまでにも,6回にわたって合計33億ドルが還付されました.

さて,コロラド州というと,大麻の売買および使用が昨年1月に合法化されましたが,30%という高い税率が課けられているために,合法化以来の大麻による税収は5000万ドル.(2014年だけで州内の大麻の売り上げは74%増加.)  これには,州民からの税収だけでなく,'大麻'ツーリズムでコロラドを訪れる人達からの税収ももちろん含まれています.この金額を1992年の法律に従って,州民全員に公平に還付した場合,1人当たり7.63ドルを受け取ることになります.

ただ,今回は,大麻の合法化の際に同時に定められた,大麻税は基本的に公立学校への交付金とするという法律があるため,1992年の法律は適用しない,あるいは適用するとしても限られた範囲にとどめるという点で州議会の共和,民主両党は一致しています.

なお,コロラド州の他にワシントン州も大麻を合法化していますが,両州における大麻の売り上げは全米の38%にのぼります.他の14州も,2020年までに大麻の販売と使用を合法化する予定のようです.

フランスでも同じことをしたら良いのではないかという議論も出始めていて,理由として,税収が増えるだけでなく,大麻の流通が可視化できるという別のメリットが挙げられています.

以上,L'OBSのETATS-UNIS. Le Colorado ne sait plus quoi faire des impôts sur le cannabisと同じくLe Colorado, "trop" riche à cause du cannabis : la France aurait tout intérêt à légaliserからでした.

以下,個人的所感を書くと,恐らく日本でも財務省や一部の政治家たち(例えば,パチンコをギャンブルとして合法化しようと活動している人達など)が同様の法律を検討中である可能性も否定できないと思いますが,他の国に比べてギャンブル依存性が際立って高い日本人は,恐らく麻薬に対する依存症も高いと思われます.そうした心理的土壌で麻薬を合法化すると,パチンコを初め,多くのギャンブルで起きている問題より量的にも質的にもより深刻な問題が起きることが懸念されます.

麻薬で思い出したのが,よく利用する神奈川中央交通バスの車内に張り出された麻薬やいじめ防止キャンペーンのポスターですが,ことごとく有名スポーツ選手の写真が使われています.それを見て思うのは,麻薬やいじめに走るのは,どちらかというと物事が思うように行かないからだろうから,そういった,特に若いときに大きな成功を収めた人の写真なんか見せても何の意味もないだろうにということです.信号がなければ,歩行者が立っていても止まってくれる自動車はほぼ皆無という,日本の横断歩道同様,その存在が限りなく無駄なポスターであると思います.

No comments:

Post a Comment