Wednesday 11 February 2015

ロシアの元首相が明かすプーチン大統領の思惑とウクライナ危機集結の鍵

以下,L'OBSに掲載されたUKRAINE. "Ce que veut Poutine", par son ex-Premier ministreからのメモです. インタビューに応じたMikhaïl Kassianov氏は,2000年から2004年までプーチン大統領の下でロシアの首相を務めました.
  • プーチン大統領が望んでいること
プーチン大統領はスターリンのような地政学的な見通しを持っておらず,実利主義者.唯一の望みは権力を維持すること.そのために,国民における人気を維持すること. 彼が必要としているのは,紛争における速やかな勝利.そのため,Yanoukovitch大統領の失脚後,ウクライナが政治的に不安定化した機会にロシア人にとって重要なクリミア半島を占拠した.その時点で,プーチン大統領は,ヨーロッパ諸国は2008年にロシアがグルジアの一部を編入したときのような反応を示すと思っていた.つまり,グルジアへの軍事介入後,ヨーロッパはすぐにロシアとの関係を正常化したが,今回もそうなるものと言わば楽観視していた.しかし,ロシアのクリミア半島の編入については,事態は彼の予想通りには動かなかった.特にドイツは,ロシアの行動に対し,アメリカよりも厳しい姿勢を示し,ロシアに対する制裁の発動をいち早く主張した.ドイツの反応は,少なからずプーチンを驚かせた.それが,ロシアが態度を硬化させる引き金となったように思える.言い方を換えれば,もし,ヨーロッパがロシアによるクリミア半島の編入を認めていたら,今のような状況は生じていなかったと思われる.(Kassianov氏は,クリミア半島の編入に反対)
  • 持続的な平和を実現させる条件
 ロシアとウクライナの国境全体の監視が大前提.このことは,すでに9月19日にミンスクで開かれた会議で決定しているが,実行されていない.現在,ロシア,ウクライナ国境において25のチェックポイントがあるが,そのうちOSCEの監視下にあるものは5カ所のみ.つまり,ロシアからの軍事物資は残りの20カ所で素通りしている.(この点については,SRFのChristof Franzen記者も同様の意見を述べている.)そして,もし,この決定が実行されたら,その後は,3000人のウクライナの分離主義者たちをロシアは受け入れるかどうかが鍵となる.ただ,仮にヨーロッパとロシアが合意に至っても,ヨーロッパは今後プーチンに信頼をおくことはなくなる.また,プーチン側も停戦が実現しても,引き続き攻撃的な姿勢を持ち続けるだろう.
  • プーチン人気
世論調査によると,プーチン大統領の支持率は85%.ただ,この調査はクリミア半島編入直後に行われたもの.しかし,同時期に行われた「次の大統領選挙でプーチン大統領に投票しますか」の質問に対し「はい」と答えた人は53%.つまり,85%というのはプーチン大統領の支持率ではなく,クリミア半島の編入の支持率.そして,今や,経済状況の悪化,ウクライナを巡る情勢などにより,プーチン大統領の支持率は50%を割り込んでいる可能性有り.

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