Friday 6 September 2013

アイザック・アシモフが1964年に予言した2014年の世界

1964年8月16日,SF界の大巨匠アイザック・アシモフ氏はアメリカの新聞The New York Timesに2014年の世界の予想を披露しました.(こちらの記事

今になってそれを読み返してみると,さすがです.今日,殆どアシモフ氏の予想した世界が,出現しているのです.例えば,
  • "2014年迄には,無人の探査機が火星に着陸しているだろう.有人の探査や火星コロニーの計画も実現に向けて計画されつつあることだろう."
    仰る通り,2012年にはNASAのCuriosityがその偉業を成し遂げました.火星コロニーの建設計画も少しずつ現実味を帯びつつあります.

  • "人形ロボット(Humanoid)は,まだ一般に普及はしておらず,性能も更なる改善が必要だが実現はしているだろう."
    ケンシロウは,ヒトの体に非常に近い内部構造を持っています.でも,アシモフ氏が創造した陽電子頭脳を備えたものの実現はまだ先のようです.

  • "都市部において,短い距離の移動には歩く歩道が実現しているだろう."

  • "地面との接触が少ない輸送機器への関心が強まるだろう."
    最近の例では,Elon Msk氏の提唱するHyperloopなど.

  • "人工衛星の中継により,地球上どこからでも通話が可能になるだろう."
    例えば,アフリカ,マリの北部の砂漠地帯でも携帯電話による通話は可能です.

  • "視聴覚を使った情報通信が可能となるだろう.また,通信機器の画面において書類や書籍,さらに写真を読んだり観たりすることが可能となるだろう."

  • "2014年には,大規模な展示会などで,ヒトの大きさ程のスクリーンが備えられた3Dテレビジョンによりバレーの上演が披露されるだろう."
アシモフ氏は,また,出生率や人口増加の問題にも興味を示しました.それについては,
  • "2014年には,恐らく地球の全人口は60億500万に達しているだろう.また,アメリカの人口は3億5千万前後か."
    今日,地球の全人口は72億人なので,アシモフ氏の見積もりよりも多くなっていますが(2013年6月の国連発表による),アメリカの人口のほうは3億1千6百万人なのでほぼ的中.

  • ”調理済みの食品を冷蔵庫に保存する事が可能になるだろう.調理機器も発達し,お湯を沸かし,自動的にコーヒーをいれるマシンも現れるだろう.”

  • "電気機器は電源とコードで結ばれることなく使用できるようになるだろう.”

  • "人工頭脳を備えた自動車の開発に努力が向けられるだろう."
    日産もGoogleも今,この分野で頑張っています.

ところで,インターネットについては,アシモフ氏は,1989年にその出現を予言しました.下のビデオをご覧下さい.



アシモフ氏はアトムも従ったロボット憲章を提唱してことでも有名ですね.

以上,9月6日付L'EXPRESSの"1964-2014: les incroyables prédictions d'Isaac Asimov"より.

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