Friday, 3 April 2015

ニクラスによって新たに認識された'Stromautobahn'の必要性

今回,中央ヨーロッパを襲った強力な低気圧ニクラスは,ドイツの電力供給にも深刻な影響を及ぼしました.具体的には,南ドイツの電力不足です.その理由は,南ドイツの電力のある部分は北ドイツの風力発電によって生産されていて,南北をむすぶ送電網によって南ドイツ迄送られているからです.ニクラスは,そのすさまじい風の勢いで,この仕組みに難題を突きつけました.つまり,南北送電網のキャパシティを超えるほどの電力が発電されたため,北ドイツの風力発電設備は送電網から切り離されざるを得ない状況に陥ったのです.これにより南ドイツの電力不足が生じ,一時的にせよ原子力や火力等を使った従来型の発電設備の稼働率を高めざるを得なくなりました.なお,スイスの発電業者にとって,この機会はビジネスチャンスとなったことも事実です.

ところで,ニクラスの風が起こした電気の量ですが,例えば今週の月曜日1日で30,000メガワット.これは,およそ22箇所の原子力発電所の発電量に匹敵します.

ここで,新たに認識されたのが,現在,建設計画が凍結されている南北ドイツを結ぶ'Stromautobahn'('Strom' = 'Power', 'autobahn' = 'expressway')の必要性.凍結の理由は,巨大な支柱の建設には住民の賛同が得られないからとのことですが,2020年にはすべての原子力発電所が稼働を停止するため,それまでには大容量の送電網の建設は不可避となりそうです.

以上,SRFのNiklas überfordert deutsche Windkraftwerkeからでした.

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