Sunday 9 February 2014

「振り込め詐欺」をフランス語で言うと

フランス語圏のニュースを取り上げると謳っておきながら,最近は専ら鉄道関連の話題ばかり,しかも特にドイツの蒸気機関車についてのポストばかり載せておりますことをお詫び致します.

そこで今回は,特にフランス語を学習されている方に僅かでもお役に立てればと思い(本来はそれが本ブログの目的だったのですが),この言葉がフランス語でどのように訳されているか,たまたま見かけた記事などからご紹介したいと思います.

最初の記事は,2013年7月3日付電子版Le Nouvel Observateurの"Un suspect écroué dans une vaste escroquerie aux virements bancaires"で,タイトルからお判りになるように"escroquerie aux virements bancaires"と日本の振り込め詐欺を直訳したような表現が使われています.犯人は中国人グループで,リヨンなどローヌ・アルプ県に存在する複数の企業から総額2000万ユーロ以上を騙しとったとされており,犯人の一人が逮捕されました.手口は,相手に親類と思い込ませる点では日本と同じですが,相手は企業の幹部社員なのでさらに大胆です.そして,騙しとった金の送り先はすべて中国でした.(この事件は,NO以外の様々なニュースサイトでも取り上げられたので,興味がありましたらgoogle.frのActualitéなどにおいて上記タイトルで検索してみてください.)

なお,他の呼び方としては,"Escroquerie d'urgence"(カナダ政府の詐欺対策のサイト.ここでは,また"Escroquerie de grands-parents"(祖父母詐欺という名称も使っていますが,手口は変わりません.犯人は孫を名乗ります.), あるいはEscroquerie au petit-fils (「孫(を名のる)詐欺」リュクセンブルグのニュースサイト5minute.lu,同じ名称はカナダ警察のサイトでも使われています.)などがあるようです.

では,ドイツ語では何と呼んでいるかと言いますと,やはりEnkeltrick-Betrüg(孫(を名のってだます)詐欺)と呼ばれているようです.タブロイド紙の20 Minutenの最近の記事"Enkeltrick-Betrüger machen Beute wie nie"は,2013年における被害の件数は12月17日の時点で837,被害額も過去最高の3,905,873スイスフランを記録したと伝えています.(1件あたりの平均被害額は52,782スイスフランと日本の200数10万円と比べて2倍以上.*1))そして,被害者のほとんどが75歳から90歳の女性*1)と,やはり日本などと同じです.また,グループによる犯行がほとんどで,特にポーランドを本拠地としている場合が多いと連邦警察はみています.

最後に,では英語ではと調べたところ,"Relatives in need scam"という呼び方などが使われているようで,結局こちらが一番判り易いような気がします.(例えば,米国ワシントン州の法務局のサイトなど.)




*1) 日経BPのこちらのサイトに記載されていた情報.(リンクフリーとのことなので使わせていただきました.)
*2) 参考迄に,統計局のデータによると,スイスの2012年末における65歳以上の女性の人口は79万300人.

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