Tuesday 28 July 2009

帰国報告

ご無沙汰しております。なんだか、永遠に梅雨が続いてゆくような昨今の気象ですが、体調をくずしたりしておられませんか。

さて、ご報告が遅れましたが、今月の13日にこちらに戻ってまいりました。結局、スイスからフランスへ移動して後、現地で投稿する機会は得られずじまいでしたが、少しずつながら、これから時間を見つけて現地で見聞き体験したことをご紹介したいと思います。

その前に、7月27日付の電子版『Spiegel』にひとつ、気になった経済関連の記事があったので、簡単にご紹介します。

「Europas Banken furchten Kreditkartenkrise」というタイトルのその記事によると、クレジットカードの不払いによってクレジットカード会社が被る損害が、現在相当な額に昇っているおり、今後、拡大が予想されるというものです。

米国において、この6月にはクレジットカードの不払い額が、史上最高に達し、この影響が欧州に及ぶことは間違いないだろうとのこと。すなわち、欧州においても今後数ヶ月間に同様の状況が出現するだろうということです。もちろん、その原因は上昇し続ける失業率にあるわけですが、クレジットカード会社は、最悪の事態を想定しているそうです。

専門家によると、欧州において、クレジットカードによる商取引の未払い額は、現在およそ2兆5千億ドル。そのほとんどが、英国のクレジットカード会社のものだそうです。国際通貨基金は、この金額のほぼ7パーセントの焦げ付きを予想しています。("Financial Times"より)

英国において、クレジットカード会社への支払いが困難となり、専門機関によせられた相談の件数が、この5月には4,1000件にも及んだそうです。昨年同月は20,000件だっということですから、今年になって倍になったわけです。

もちろん、今回の金融危機の震源地である米国においては、現在クレジットカード会社や銀行がこうした状況によって被っている損害は、Citigroup、Bank of America、JPMorgan Chase、Wells Fargo、そしてAmerican Expressなどにおいて、すでに数十億ドルに及び、Moody's-Indexの発表によると不払い額の率は、5月の10.62%から6月の10.76%に上昇したそうです。1割以上回収できていないわけですね。さらに、Moodyは、失業率もまもなく10.5%程度まで上昇が予想しています。

同様の状況は英国にても現れており、今後さらに問題は深刻化するだろうとみられております。

日本では、まもなくカードローンの総量規制が実施されるようですが、ショッピングに関してはそういった規制が今後実施されていくのかどうか。

ただ、クレジット会社自身も生き残りをかけて、策を講じているようで、例えば、英国のBarclaysは、分割払いの期間を短縮したり、さらに発行するクレジットカードの数も、5月に比べ、6月はほぼ半分に減らしたそうです。

などと、いきなり暗い記事の紹介になってしまいましたが、次回の投稿は気分を変えて、訪れた南仏のお話を投稿させていただきます。

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